松本清張 『黒い福音』を読む
松本清張『黒い福音』(新潮文庫)を、読了しました。
松本清張を読む ブログ記事より
内容紹介
松本清張 『黒い福音』 | 新潮社より
❝ 救援物資の横流し、麻薬の密輸から殺人事件まで、“神の名”のもとに行われた恐るべき犯罪の数々。日本の国際的な立場が弱かったために、事件の核心に迫りながらキリスト教団の閉鎖的権威主義に屈せざるを得なかった警視庁――。現実に起った外人神父による日本人スチュワーデス殺人事件の顛末に強い疑問と怒りをいだいた著者が綿密な調査を重ね、推理と解決を提示した問題作。 ❞
松本清張『黒い福音』裏表紙
「ノンフィクション•ノベル」と言う事で、発表当時は、日本国民なら多分誰でもご存知の事件だったようですね。
このため、前半はネタバレ(本書420頁まで)で、しかも、犯人や被害者が現れる前に、150頁くらいは前段の話しとなっております。
この前段も読者を惹き込むような描写が続きますので、飽きません。
この実際の事件は、「解説」〔中島河太郎〕(本書693頁)によりますと、以下の通りです。
❝ 本編は昭和三十四年三月に起った、いわゆるスチュワーデス殺人事件にもとづいて書かれ、…❞
とあります。
令和の若者は、スチュワーデスと言われても、「スチュワーデスとは何?」と思われる方もいるかも知れませんね?
いわゆる現代では、「キャビンアテンダント」と言われる職業ですね。
「アシスタントパーサー」もそうでしょうか?
実は小生もよくわからないのです。
NHKのチコちゃんに叱られます!!
「いい加減な知ったかぶり情報を流すんじゃねぇよっ!!⚠」
「スマンのぅ… トホホ〜」
「解説」(本書697頁)によりますと、
❝ 神父がローマ法王庁に直属していて、警視庁としてはやりにくい対象であった…❞
ようですね。
当時の警察署や刑事、新聞社や新聞記者、雑誌記者の方々は随分悔しい思いをしたようです。
松本清張氏も、作家になる前は、朝日新聞西部本社に勤務していたようですから、その点は詳しいと思います。
ローマ法王庁については、昨今の陰謀論でも色々と華やいでおりますから、
昭和三十四年当時は、やばそうですね!!
既に、当時の関係者は、松本清張氏を始めとして、殆どがお亡くなりになられている事でしょうから、巨悪の根源が尽く無くなることを、令和日本に生きている小生としては、
ただ祈るだけです。
今回はここまでです。