「稲むらの火」 | [みさと天文台友の会 松本のブログ] 星も音楽もド素人なのに何故か会長になってしまった松本の悪戦苦闘の日々(会長就任8年目に突入)

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みさと天文台は和歌山にある紀美野町立の天文台です。友の会は星とみさと天文台を愛する人の集まりで、ボランティアで出張観望会を開催したり、天文台でのイベントを魅力あるものにする為に活動しています。 友の会に入会すると、みさと天文台の機関誌が毎月送られてきます。

和歌山も南海地震がいつ起きるか分からない状態です。

実は和歌山という場所は昔から津波には何度も襲われて甚大な被害が出ている場所です。


みなさんは「稲むらの火」という物語をご存じでしょうか?

これは現在の和歌山県広川町で江戸時代に起こった史実に基づいた物語です。

村の高台に住む庄屋の五兵衛は、地震の揺れを感じたあと、海水が沖合へ退いていくのを見て津波の来襲に気付いたそうです。祭りの準備に心奪われている村人たちに危険を知らせるため、五兵衛は自分の田にある刈り取ったばかりの稲の束(稲むら)に松明で火をつけたそうです。火事だと思って消火のために高台に集まった村人たちの眼下で津波によって村は水没しましたが村人は助かったというお話です。

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この物語は1937年(昭和12年)から1947年(昭和22年)まで尋常小学校5年生の教科書に載っていたそうです。その後、人々から忘れ去られていましたが最近になって再び小学校教科書にて掲載されるという噂を聞きました。

http://www.town.hirogawa.wakayama.jp/inamuranohi/index.html


「稲むらの火」には描かれていませんが、儀兵衛(実名)の偉業は災害に際して迅速な避難に貢献したことばかりではなく、被災後も将来再び同様の災害が起こることを慮り、私財を投じて防潮堤を築造した事だそうです。

これにより広川町の中心部では、昭和の東南海地震・南海地震による津波に際して被害を免れたそうです。

余談ですが、その防潮堤には当初から櫨(はぜ)の木が植えられて儀兵衛が亡くなった後も櫨の実を売って防潮堤の維持管理費に当てたと聞いています。


今回の震災に先人の教訓が生かされていたのだろうか・・・