(備前焼一輪挿し アメリカフウロの葉紅葉と種 2024年5月13日撮影)
備前焼一輪挿しにアメリカフウロを生けてみました。
アメリカフウロはどこでにも見られる雑草で、身近すぎてゆっくり目に留めることもありませんが、よく見ると個性的で面白い植物です。
まず葉っぱから観察してみましょう。
(アメリカフウロの草紅葉)
アメリカフウロは花が終わると葉っぱが色づき始め、岡山県備前市では5月に草紅葉が見られます。
葉っぱ一枚一枚にそれぞれ表情があってグラデーションも豊か。
葉っぱの先だけ紅葉していたりして、面白いですね。
(アメリカフウロの種)
葉っぱにも負けず劣らず、種もとても個性的。
受粉を終えると花柱がニョキニョキと長く伸び、花柱には縦に5本の筋、その根元には5個の鞘、鞘の中には種が収まっています。
実が熟すと花柱の筋がピョンとめくれ上がってバネの力で空中を飛び、中の種が弾き出される仕組みです。
(弾き飛ばされた鞘と種)
弾き飛ばされた鞘と種。
また、熟した鞘を指で揉むと、目にも止まらぬ速さで鞘が勢いよく弾かれ、種がパッと飛び出します。
それにしても毎回思うことなのですが、植物は本当に賢いですね。
タンポポのように風を利用したり、「ひっつき虫」のように服にくっついたり、アメリカフウロのようにバネの力を利用したり、種を遠くに飛ばす(または運ぶ)工夫には、植物の知恵が凝縮されているように思います。
(備前焼一輪挿し 12 × 7.5cm)
一輪挿しは薪窯で焼成したもので、備前焼ですので釉薬は使っておらず焼き締めの作品です。
(写真)備前焼一輪挿し アメリカフウロ 2024年5月13日撮影