(瓦土塀 岡山県備前市伊部 2024年1月9日撮影)
千年以上にわたり焼き物を作り続けてきた岡山県備前市伊部(いんべ)は、焼き物の産地ならではの光景がそこかしこに見られます。
そんな伊部の里の様子を「千年の窯業地 備前焼 伊部の里」と題しシリーズでお届けしています。
伊部には数多くのバリエーション豊かな土塀が残り、 "土塀の宝庫" です。
その中から今回ご紹介するのは、とある民家の「瓦土塀」です。
桟瓦(さんがわら)が美しい幾何学模様を描いています。
シンプルなパターンの連続で、その意匠の明快さゆえか何故か心が惹かれます。
このような瓦と煉土を交互に積み重ねた土塀は「練塀(ねりべい)」とも呼ばれるそうで、瓦は土塀の強度を高める実利的な役割も果たしています。
練塀全景。
よく見ると高い塀と低い塀では屋根の葺き方が異なります。
高い塀の屋根は熨斗(のし)瓦と丸瓦。
低い方の屋根には熨斗瓦はなく雁振(がんぶり)瓦が用いられ、われわれ素人目には気づきにくいポイントではありますが、左官職人さんの心意気が感じられます。
一口に "瓦" と言っても様々な種類があり、調べてみると面白いものです。
ストリートビューでもご覧頂けます。
位置情報です。
細い路地にも練塀があり、趣きを感じます。
以上、伊部散策にお役立て頂けましたら幸いです。
(写真) 瓦土塀 岡山県備前市伊部 2024年1月9日撮影