(百間川河口=岡山市 2020年10月18日撮影)
岡山市内の干拓地を流れ児島湾に注ぎ込む百間川。
河口では、漁師の仕掛けや水門など水辺特有の景観が見られます。
漁師の小舟、仕掛け網。
寒ブナ漁の仕掛けとのことで、真冬の寒い時季の寒ブナは脂がのって美味とのこと。
骨ごとミンチにし、岡山の郷土食「ふなめし」に用いられるそうです。
さて、河口には2つの立派な水門が。
江戸時代に干拓された低地を流れる百間川は、豪雨時の排水能力を高めるため「昭和の水門」に加えて新たに「平成の水門」が増設され、百間川の水を児島湾に流したり、逆に児島湾の海水が百間川に流れ込むのを防ぐ役割を果たしています。
水門を児島湾側から写したもの。
左手の「昭和の水門」は扉体が上下するタイプ(ローラーゲート)、右手の「平成の水門」は回転するタイプ(ライジングセクターゲート)で、このカッコいい水門を間近で見ようと行ったのですが、あいにく水門管理橋補強工事のため通行止めでした。
さて、水門から700mほど上流のオイルフェンス。
油の流出といえば海洋事故を思い浮かべますが(ニュースでも大きく取り上げられるので)、河川でもしばしば起こっているとのこと。
原因は、暖房設備を備えたビニールハウスのオイル配管からの流出(老朽化による破損や腐食)、家庭用・事業用・農業用などのオイルタンクからの流出(バルブの閉め忘れ、給油中に目を離したすきに注ぎ口から溢れ出てしまった)、不要になった油の不法投棄などがあるそうです。
ひとたび油が河川に流れ込むと、農業、漁業、生態系に甚大な被害が出てしまい、回復も困難とのこと。
普段はゴミ受けになっているオイルフェンスですが、とても大切な役割を担っているのですね。
最後に、百間川河口水門の地図のご案内です。
(写真)岡山市中区 百間川河口 2020年10月18日撮影
(参考資料)