進撃の巨人展 WALL OSAKA | 高橋みさ子のブログ

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写真は「進撃の巨人展 WALL OSAKA」に展示されていた実寸大超大型巨人の頭部です。

"巨人" が眼光鋭くこちらを睨んでいます。

獲物を見つけ狙いを定めた目です。もう逃げようがありません。



2015年10月17日(土) 「進撃の巨人展 WALL OSAKA」に足を運んできました。
本展は原画展なのですが、色々と楽しい趣向も凝らされていました。
実寸大巨人もその一つです。
(人気の高い展覧会ですので、当ブログで敢えて取り上げるまでもないのですが・・・)



人類は永く万物の霊長として食物連鎖の "頂点" に君臨してきました。



しかし、この地上に人間をガツガツと食らう巨大な生物が存在するならば、人類は高い防護壁で囲った自由のない惨めな鳥かごの中で "食らわれる恐怖" と一生戦い続けなければならない。

「進撃の巨人」のこの独特の世界観はどのようにして生まれたのでしょう。



作者の諫山創氏は、自らの作品に影響を与えたものとして以下の5つを挙げています。
< >内は展覧会の展示解説文を転記したもので、著作権は「進撃の巨人展」に帰属します。



「地獄先生ぬ~べ~」 原作:真倉翔 作画:岡野剛

<「人食いモナリザの謎」のエピソードを小学生の時に読んだ諌山が、怖くて夜トイレに行けなくなったという漫画。このときのモナリザの顔が微妙に大きく、開けた口から歯がズラリと並んでいるのが奥まで見えた様子が、その後の「巨人」の作画に強く影響していることにのちに気づいたという。物語では、「鬼の手」を持つ小学校教師「ぬ~べ~」こと鵺野鳴介が妖怪や悪霊を退治する。単なる怪奇ヒーローものではなく、心理学や社会学にもテーマを広げた漫画作品。>



「UFC」

< 「進撃の巨人では、巨人の総合格闘技を描くことが目的の一つ」と諌山は言う。UFCはアメリカに本拠地を置く総合格闘技イベント。肉体が放つあらゆる技を駆使して、相手が戦闘不能になるまで死闘を繰り広げる非日常は「巨人」の戦闘シーンそのもので、諌山は「肉弾戦を描くことは、総合格闘技の面白さをそのまま味わっている感覚がある。動きを組み立てるのが楽しくて仕方がない」と語っている。具体的に漫画のキャラクターのモデルになった格闘家も複数いる。>



「ARMS」

< 諌山が、漫画家への道を決定づけたと語る作品。それまでは単なる読み手であったのが、中学時代にこの作品と出会い「漫画って面白い、自分も書いてみたい」と感じるようになったという。吹き出しや枠線の使い方なども、見よう見まねで参考にした。事故や事件で失われた体の一部に「ナノマシン」と呼ばれる兵器を埋め込まれた少年たちが、闘いを繰り広げるSF作品。「進撃の巨人」のストーリー設定も、この作品の構成要素が引用されているケースが多くあると語っている。>



「アブラヴ オルタネイティヴ」

< 2003年から2006年にかけて発売されたアドベンチャーゲーム。地球外起源種の襲来により人類が滅亡に瀕した、絶望的な世界が舞台となっている。諌山はこのゲームを 18~19 歳の頃にプレイし、根底に流れる作者の "悪意" にも似た姿勢に強い衝撃を受けた。感情移入していたキャラが、突如として地球外起源種に食い殺される姿が描かれるなど、エンターテイメントでありながらプレイヤーに凄惨さを突きつけるトラウマを与えるシナリオ展開や世界観、それらをとりまく設定などが、「進撃の巨人」に多大な影響を与えている。>



そして、高い壁は諌山氏の郷里の山とイメージが重なるのだそうです。



最後に、人間を食らう生き物が存在する、自分が食われるかも知れないという "恐怖” を想像することは、万物の霊長として永くこの地上に君臨する人間の傲慢な姿を省みる一つのきっかけとなるものなのかも知れません。