駆け出し救急医です!

ベテランとは違う目線や

救急の現場にいて感じることを発信していきます!

人生最期は誰にでもやってきます

今から知ってて損はなし!


  ​そもそも胸骨圧迫の意味


胸骨圧迫(心臓マッサージ)とは

根本治療ではありません🙅‍♀️


心臓がまた動くようにする治療ではなく

頭に酸素がいくように血液を押し流しているだけ。


心拍再開した時に

できるだけ頭の機能を守れるようにしているだけ。

それでも胸骨圧迫だけでは十分な

酸素が頭に回りません…


延命治療と言われるので

勘違いしている人が多いです


私たちがしているのは

心臓が止まった原因を探してその原因を取り除く

こと。

それが根本治療になります


だから癌患者さんなどはその場で根本治療を

できるわけではないので

残念ながら基本的には心拍再開しません


一方、心筋梗塞などではカテーテルの治療が

できるので心拍再開する可能性があります


また、窒息の患者さんは酸素が足りなくて

心臓が止まるので

蘇生行為までの時間=窒息解除と酸素投与

が早ければ心拍再開する可能性があります


ただ、何回も言っていますが

それでも頭の機能が回復するとは限りません


  心停止のまま病院到着すると…


病院に到着する頃には119通報から

倒れる瞬間を見ていた場合でも

30分以上経ってることが多いです


30分以上経って心拍再開する可能性は低く

再開しても植物状態

もしくは

またすぐに心臓が止まりそうな状態

になることがほとんどです


病院内では

挿管し人工呼吸器を使って

アドレナリンという薬を使って

病院によってはこんな機械を使って



蘇生行為、延命治療が行われます


その間は家族は部屋の外で待つことになるので

患者さんに会えません


次会えるのは手を止めた時か

手を止める直前の胸骨圧迫中。


  心拍再開すると…


どこまでの治療をするのか。


色んな場合がありますが

また次に心臓が止まってしまった時

どうするかを尋ねられます


・また次も延命治療をする、胸骨圧迫する

・次は自然に見守り胸骨圧迫はしない


どちらかになります


一度心臓の止まってしまった体は

なかなかすぐには復活しません


数分間で心拍再開した場合や

年齢の若い方(60歳くらいまで)であれば

復活する可能性はあります


いきなりのことで気が動転していても

すぐに決めなくてはならないことも…


この詳細は長くなるので別の機会に。


  心拍再開しないと…


このまま継続するのか。

手を止めるのか。


医者の判断でこれ以上は無益である、

心拍再開の可能性が限りなくゼロである

と判断された時、

基本的には家族に手を止めることを告げます


ただ、「他の家族が揃うまで続けてください」

と言われることもあります


これは個人的な意見としては賛成できません

もちろん続けることは可能ですが

心拍再開の可能性がないのに

続けることは患者さんの体をどんどんボロボロに

するだけだからです。


最初に言った通り、

心臓を動かしているのではないので

家族が揃うまで胸骨圧迫を続けても

生きてるわけではないです


気持ち的に最期に間に合わせてあげたいと

思う気持ちはわかりますが、

間に合っているわけではないのです


それよりも本人のことを考えてあげると

安らかな最期を迎えた方が

よっぽど良いのではないかと個人的に思います


最期の確認=死亡確認

これを行うことで"亡くなられた"となります

基本的には家族の方と一緒に行います


・倒れる前に病院に通っていて、そのかかりつけの病院に運ばれ病死と判断できる場合

・CT検査にて明らかな死亡原因が病死わかる場合


以外の場合は

病院の外で心臓が止まったということで

警察を呼ぶ必要があります


これはルールで、(事件、事故などではない場合)

事件性がないと警察から言ってもらわなくては

いけません。


それが終わるとやっとお身体をきれいにして

家族がまた会うことができます


簡単な流れはこんな感じです。

また別の機会にもっと詳しくや、

別の角度からもお話できたらと思います💡


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