駆け出し救急医です!

ベテランとは違う目線や

救急の現場にいて感じることを発信していきます!

誰の身にも起こり得ることなので

今から知ってて損はなし!


日本人は人生最期とか死に対して

あまり向き合わない傾向や長生きを美徳とする

考え方がまだ残っていますが、

アメリカでは自分の最期の形は自分で決めるという考え、太く短くを良しとする考えがあります。

最期の時に目を逸らさず考えてみませんか??


  119を押すと?


火事ですか?救急ですか?

と聞かれます


救急です

と答えると何が起きてるかを聞かれます


救急車が出動します


もし電話で心臓が止まってる可能性がある

と判断されると

心臓マッサージ(胸骨圧迫)の指示があります


初めてする方のほとんどは充分にできていないと

言われています


  ​心臓マッサージとは?


この言葉を電話で指示されて

救急隊が到着すると

本当に胸をさすってマッサージして

いたことがあるのだとか😳


そのこともあり、今は胸骨圧迫と言うように

しているのだそう


基本的に胸の真ん中(乳首と乳首の間)に

両手を重ねて強く押す!

深さは5cm程度、速さは100回/分程度

これだけでもすごい力が要るってわかりますよね?

5cmも押そうと思うと肋骨折れちゃう🫣

→それで正解です


  ​救急車の中で


心臓が止まっている場合の話ですが

胸骨圧迫が継続されます


どれだけ癌の末期で穏やかな最期を望んでいても

どれだけ延命措置を望んでいなくても

救急車に乗せると救急隊は続けるしかありません


なぜなら、救急隊はそうすることが義務であり

法律で死体搬送はできないため。


つまり、

救急隊は必ず心臓が止まっていれば

胸骨圧迫しなくてはならない

心臓が止まっていても戻る可能性がある

もしくは死亡確認されていない人

に関しては救急車で運べるが


救急隊としては

何もしない=死亡が確定している

となるため救急車を呼ぶ以上、

何もされないことはできないのです。


※その場に往診医がきて死亡確認をする場合などは

 救急車に乗せることはしなくて大丈夫


救急車内で家族は見守りますが

初めて見る胸骨圧迫はかなりの迫力に驚くはず


ここまでしないといけないのか、と。


  心拍再開まで


心拍再開とは、自分の心臓は再び動き出すこと。

それまではずっと胸骨圧迫の継続。


細い方、高齢の方の肋骨は特にボロボロになり

病院によっては胸骨圧迫の機械をつけて継続。

跡が残り見た目も痛々しくなります。


心臓が止まった原因にもよりますが

不整脈や低栄養、低体温、窒息などでは

早い処置で心拍再開する事が多いなか、


老衰や癌、元々の持病が悪い方、

大動脈解離や脳卒中の程度が大きい方、

出血や事故などでは

心拍再開の可能性は限りなく0に近いです。


また、原因にもよりますが、

30分以上の胸骨圧迫でも心拍再開しない場合は

見込みなしとなります。


もし心拍再開しても10-20分以上の心停止時間

があると、脳の機能が失われ

いわゆる植物状態となることがほとんどです。


残念ながらこれが現実。

ドラマみたいにすぐ目が覚めて感動の再会

みたいなことは起こりません😐


今回は実際の様子を説明しました!

次の記事では病院内でのやりとりや

家族に迫られる決断、心拍再開した時としなかった時の流れを説明します。


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