前回の続き。
車を発進させた沢田さんを追いかける夫、それを見守る我ら2人。
しかし、車は、夫に気付くことなく、走り去ってしまった![]()
私「あーあ。ダメだったかぁ」
夫「すぐ帰って、来ると思う。また訪問しよう」
私「義弟くん、鍵持って来たよね」
義弟くん「はい」
夫「ちょっと入ってみるか」
時刻は十二時過ぎ。義弟くんはジャラジャラと鍵を出し玄関の鍵穴に差し込む。
義弟くん「あれ。開かない。これ、だよなぁ」
私「嘘、鍵変えた?」
夫「そんなことある?」
義弟くん「しょーがないなぁ」
義弟くんは庭に入り、裏の物置に向かう。
私達夫婦は、それに続く。
物置の中でガサゴソやる義弟くん。
義弟くん「うーん。ないなぁ」
夫「しょうがないか」
義弟くんはおもむろに、キッチン側の窓に手をかけた。
ガラガラガラ。
?!
窓が、開いた!
私「嘘でしょう!?鍵かかってないの?」
夫「かかってないことはよくある」
私「そうなの?」
防犯管理どーなってんだ。
田舎だから?
義弟くんは靴を脱ぎだした。
義弟くん「ここから入りましょう」
続いて、夫も靴を脱ぐ。
私「え、え?いいの?ここから入るの?」
息子達2人が、慣れたように、靴を脱ぎキッチンへ入ってゆく。
まぁ息子だしいいか。
私も、仕方なく?後に続くことにした。
義弟くんは、
「ルルー!ルルー!」
と大きな声でルルちゃんを呼ばっている。
ルルちゃんは、車が到着しただけで、庭の窓から外に向かってわんわんと叫ぶ番犬なのだ。
我らがこんなに近くにいるのに、気づかないわけないのに、義弟くんは何で呼ばっているんだ?
私が入ると、ルルちゃんの足音がして、義弟くんが手を伸ばしているのが見えた。
義弟くん「ルルー
」
小型犬のかわいいルルちゃん。しかし、、、。
私「え?ルルちゃんいたの?何で私達に気づかないの?」
義弟くん「耳が、遠くなっているんですよ」
ルルちゃんは、ふわふわのかわいい小型犬なのだが、もう10歳という高齢。
私「え?3ヶ月くらい前に来た時は、耳大丈夫だったけど」
犬にもストレス性難聴ってあるのかしら?
それとも年齢のせいか、、。
更に、ルルは、酷い皮膚病になっていた。
この皮膚病は、義弟くんがこの家を出ていき、義母が1人暮らしを始めた頃から発症した。
夫「ルルちゃん、、かわいそうに」
義弟くん「環境が、悪すぎる。ルルに良くない」
夫「、、、、、。」
私「、、、、、。」
次回へ続く。

