僕が好きなもの!「ステレオカメラ編」!日本で数少ないステレオカメラマン! | Issei世界旅人

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ステレオカメラとの出会いは2006年のドイツだった。ルームメイトのステファンのおばさん、マギタさんの家にお邪魔した時のことだった。マギタさんはベルリンからバスで1時間ほど離れた湖がある村の一軒家に一人で住んでいる。

彼女の家は居心地が良くてよく食事の後は寝てしまったほどだ。。

そのマギタさんが何をきっかけでステレオカメラを見せてくれたのかは覚えてないがその衝撃に感動したのは今でも忘れない。その当時はもちろん僕はデジタルカメラ、そしてマギタさんもデジタルカメラ。でも父親が撮ってくれたステレオカメラの写真は大切に持っていました。

 

カラーのネガフィルム二つをビューアーで覗くのだが立体に見えるのだ。その写真はまるでその中に人が生きているようだった。最初に見せてくれたのはマギタさんが20代の頃の写真で60年ほど前の写真だ。

ただただ砂浜に寝っ転がっている女性。それを見たときに写真の質に感動しすぎて何分と口を開けたまま見ていただろうか。。

「すご〜〜い!」

砂浜に寝っ転がっている人の写真を今までそんなに眺めたことはない。。でもこのステレオカメラで撮った60年前の写真に衝撃的だった。。デジタルカメラが全然かなわない。

 

 

これがその砂浜で寝っ転がっているマギタさんの写真だ。この写真が最初に見た写真でこの写真でステレオカメラを購入することにもなった。

このほかにも滝の写真もすごかった!水しぶきが立体で今にも飛びかかってくるような迫力だった。これが60年前の技術だなんて。。信じられない。

そしてカメラは綺麗な革のカバーで覆われている。

 

 

 

 

今のカメラで革のカバーが付いてくるものがあるだろうか?何十年も前のものが状態のいい革カバーで今も残っている。革製品の凄さもわかるしそして可愛いですね。

さて欲しいけども60年もの前のカメラ!そこらで売っているはずがない。。でもちょうど西ドイツの方でアンティークのカメラメッセが開かれるというのでそこに向かった!

行ってみると100近いカメラのブースが出ていたがステレオカメラがあったのは2台だけ。しかも一つは7万、そしてもう1つは5万近くする。しかも動く保証はないという。60年前のカメラは電池も必要なく、光度計を使い自分で絞りから全部設定する。レンズと箱だけなのだ。フィルムを入れれば撮れる。

僕が小さい時でもフィルムカメラだったけどもすでに自動だった。でも完全に手動でアナログで電池なし!動くかどうかもチェックできない。。もう運でしかない。7万はとても怖いので安い方を購入した。それでも動くか動かないか分からないカメラに5万も度胸がある。

 

 

これが最初のステレオカメラ!ドイツ製のステレオカメラだ。これにもちゃんと革のカバーが付いている。そしてステレオカメラはレンズが二つ!シャッターを押すと二枚の写真を同時に撮る。この二枚の写真は微妙にずれていてそれがあの立体感を出す。人間の目に近づけたようだ。

そしてステレオカメラの辛いところは一回のシャッターで二枚分使う。つまり36枚撮りでは18枚しか撮れないことになる。しかもフィルムは今は高い!デジタルを楽しんでいる間にフィルムは昔の3倍くらいの値段になっている。。しかもステレオカメラはリバーシブルフィルム(ポジティブ)が必要でそれがまた高い!リバーシブルはカラーのフィルム。一般的なフィルムはネガと呼ばれて(ネガティブ)白黒だ。

デジタルカメラではバシバシ撮っていたのだけどもステレオカメラでは1枚の値段が現像料金合わせると100円くらいになる。失敗は痛い。。

写真を撮り終えたらカメラ屋さんで現像してもらいプリントアウトはなしでそれを家に帰ってハサミで切る!そして切った写真をビューアーにいれるフレームに入れる。この作業が本当に大変だ。しかもフレーム自体今は売っていない。唯一その場であったのは紙でできたものでマギタさんが持っているのはプラスチックのフレームにフィルムを守るガラスのカバーが付いている。豪華すぎる。。

でも上手く撮れていたし感激した!全てが立体に見える。光の具合が失敗して明るすぎたり暗すぎたり手ブレしたりするものもあるが最初にしては上出来だ!でも肝心のビューアーだけがどうしても売っていない。そこのメッセにもなかったし、オークションなどにもない。

マギタさんに聞いてみると「二つ持っているからあげる!」とプレゼントしてくれた。ありがたい!しかもすごくいい感じのビューアーだ。

 

 

その時にマギタさんから3枚ほどのステレオ写真を頂いた。その一枚が僕がステレオカメラを買うきっかけになったあの砂浜での写真と彼女の若い頃の写真だ。今でも大切に持っている。。。

僕のステレオカメラは画像の大きさがなぜか違う。マギタさんのに比べると小さいのだ。やっぱり画像はでかい方がいい。。マギタさんの持っていたカメラを見せてもらうとあの時にメッセであったあの高い方のカメラだった!

後ろのフィルムカバーを外したらパカっと外れたので完全に壊れているのかと思ったらそういうものだった。ステレオカメラはアメリカや日本、ロシアなども出していたがドイツのステレオカメラがやっぱりいい!その中でもそのマギタさんが持っているのが最高級のステレオカメラだろう。今でも最高レベルのレンズと言われているTESSERが使われている。通りですごいわけだ!

そのカメラをドイツ中で探してついにゲットした。そして僕は日本でステレオカメラマンとして活動することもした。ベルプラスカというステレオカメラは日本でもほとんど存在していないしこれで多くの人を撮っていきたいと思いました。

それは何十年経ってもその人が生きているような写真が残ることが証明されているからです。今私たちが撮った写真、スマホで撮った写真などは未来ではどうなるのでしょうか?60年後にどうなっているかなんてわからない。でもこのアナログのものはわかるんです。手間はかかるけどもその代わりにいいものが残る。

友達に写真を見せても皆初めての人ばかり。僕が初めて見た時に感じたあの感動が友達にも伝わっている。ステレオカメラは素晴らしい。

これからも大切にしていきます!