![]() |
正解するマド (ハヤカワ文庫JA)
648円
Amazon |
「正解するマド」
乙野四方字、著 2017年
※
内容(「BOOK」データベースより)
野崎まどが脚本を手がけたテレビアニメ『正解するカド』のノベライズを依頼された作家・乙野四方字は、何を書けばいいのか悩むあまり、精神を病みつつあった。ついにはアニメに登場するキャラクター、ヤハクィザシュニナの幻覚まで見はじめる。記憶をなくしたというザシュニナに、乙野は一縷の望みをかけて小説の相談をするが…傑作SFアニメから生まれた、もうひとつの「正解」とは?衝撃のスピンアウトノベライズ。
※
野崎まどさん原作のアニメ『正解するカド』のノベライズ作品。
ノベライズとはいえアニメとは別ものであるらしい。
アニメを見ていないので、原作についてはよくわからないのだが……。
まず、一番驚いたのは、なんと野崎まどさんが男性であった事だ!
ううっ……、女性だと思っていたのに!
いや、女性だと書いてあったわけではない。
作風などで、なんとなく女性だと思い込んでいた。
まどというペンネームから、なんとなく女性だと思っていた。
小柄で可愛い女性を想像していた。
それがまさか、想像ではなく創造であったとは!
不覚!
そういえば以前、有川浩さんを“ありかわ ひろし”さんだと思って、ずっと男性作家だと思っていた事があった。
“ありかわ ひろ”という女性作家だと知った時に、読メでその事を書いたらコメントをいっぱい頂いた。
ウケた!
と思って浮かれていたっけ……。
いや、今回は二匹目のドジョウ狙いのギャグじゃない。
今度も……なのだ。
ははは……。
女性だと思っていたから『バビロン・シリーズ』を読んでなんか違和感を感じた。
『あれっ?!』
みたいな感じで。
女性っぽい作風じゃないな。
と。
でも天才だからね、彼女は。
さすがだなぁ。
と。
……阿呆である!
で、今回びっくりしたのだよね。
わはははは!
私の中の小柄で可愛い女性作家を返せ!
さよなら野崎まど女史。
こんにちは野崎まど氏。
春は別れと出会いの季節。
なのだよなぁ。
切なさを噛みしめて、少年は大人の階段のぼる。
……なんか、もうこれで終わっていいような気がするけれど、読んだ感想がこれってわけにもいかない。
面白くないならともかく、これが面白い作品だったのだからなおさら。
さて本編。
主人公は乙野四方字。
つまり著者本人。
本人が『正解するカド』のノベライズを依頼され、書けないで呻吟する話だ。
もちろん、それで終始しては『正解するマド』にならない。
途中で『カド』の方の登場人物である異界人ヤハクィザシュナが突如出現する。
ただし記憶喪失の異界人だ。
『カド』では一変2Kmの立方体であったカドも、劣化版平面正方形の窓サイズのマドだ。
小説が書けないで呻吟する作家は、その後も苦悶し続けたあげく……。
徐々に日常が軋み始め。
そして……。
みたいな内容だ。
『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』の乙野四方字さんらしい作品だ。
そして終わってみれば、これは確かに野崎まどさん(男性!)だ。
『正解するカド』の世界観を壊しながら(本編未見)、『正解するカド』の世界観を壊していないという二律背反。
お見事です!
しかもカドの形状という以外の意味においても、これはたしかに『まど』だ。
『正解するマド』。
堪能させていただきました。
本当に面白かったです♪♪
