丑之刻子、参ります。//黒史郎 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!
丑之刻子、参ります。 (タソガレ文庫)/竹書房

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 「丑之刻子、参ります。」


 黒史郎、著。 2013年

              ※

内容(「BOOK」データベースより)
誰かを呪ってほしければ、摩栖太羅神社の裏の神木に、黒い憎悪の念と、依頼書を収めた藁人形を打ち付けておけばいい。その願いを叶えるために、ひと打ちひと打ち呪いを込めて打ってやろう―私は“呪い姫”丑之刻子。とある会社のOLとして働く馬野時子。「幽霊」と揶揄される佇まいと愛想のなさで、社内でも浮きまくりだがそれは表の姿。彼女の本来の仕事は依頼された恨み事をはらすということなのだ。そんな刻子のもとに、とある頼みごとが持ち込まれるが―。

              ※

 新年早々縁起でもない本ですみません。
邪をもって邪を祓うのも呪法のひとつ……。
光あれば影がある……。
陰を究めれば陽に転じる……。
━まあ、そんな感じでひとつ……。

 昼は冴えないOL。
その実態は呪い屋。
手法は丑の刻参り。
“呪い姫”丑之刻子(うしのこくこ)、本名馬野時子28歳。
性格は暗く、友達はいない。

 丑之刻子って……。
馬野時子って……。
丑の刻参りって……。
なんと安易な……。
内容は脱力系オカルティックコメディっぽいし……。
と思っていたら、後半は思わぬ展開に。
オカルティック・ラブコメとは……。

 相変わらずグロいのだけど、これが黒史郎氏の手にかかれば、なんかちょっとじんわりと沁みたりする。
さらに、謎の敵の出現により、物語は急展開。
刻子絶体絶命!

 そして最後まで敵の正体不明。
なるほど、だから続巻があるのか!

 ホラーというジャンルに拘りながら、あらゆるテーマに独自のアプローチを続ける黒史郎氏。
作品により出来不出来はあるものの、どの作品にも一工夫があり、楽しませてくれる。

 『丑之刻子、参ります。』。
前半はハズレかとも思ったけれど、やはり面白かったです♪♪
続巻も読みます♪