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「若様組まいる」
畠中惠、著。 ２０１０年
明治青春グラフィティ。
元旗本の若様も楽じゃない。
元家臣たちの面倒まで見なけりゃならぬ。
自分の食いぶちを稼ぐことすらままならないのに…。
文明開化の御時世に、世過ぎ身過ぎの技もなく、結局彼らが選んだ道は、巡査になる事。
そのためには、育成所の試験に合格し、さらにカリキュラムをこなさなくてはならない。
本作は、育成所での彼らの奮闘記です。
『アイスクリン強し』のスピンオフ作品。
時系列的には、『アイスクリン…』以前のお話。
主役は『アイスクリン…』ではわき役だった長瀬を始めとする“若様組”の面々。
ミナこと皆川真次郎の友人たちです。
育成所に入所出来たのは良いが、法律などの授業で不可ばかり。
このままでは卒業出来ない。
彼らは奮起し、せっせと自習する…つもりだったが、次々と厄介事に見舞われ、あげくに拳銃強盗事件にまで巻き込まれる。
━若様たちは無事卒業出来るのか？！
良き漢たちであります。
明治という時代の空気の中を、熱く精一杯羽ばたこうとする若鳥たち。
気持ちの良いお話です。
明治と言う時代をリアルに描きながらも、現代小説のような読み心地。
実に読み易くて、面白い。
秋の夜に、こういう心地よい小説を読むのは楽しい。
本当に面白かったです♪