波のうえの魔術師 // 石田衣良 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!
波のうえの魔術師 (文春文庫)/石田 衣良
¥500
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 「波のうえの魔術師」


 石田衣良、著。 2001年。



 初の石田衣良作品です。

皆さんのブログを見させて頂いては、「ああ、これは

面白そうだ」「これも読みたい」と、気になる作品・

作者が増えて行くばかり。


 この際、いろいろ読んで見ようと思い「読書幅拡張

計画」実施中です。 ・・・まあ、適当に何でも読んで

いるだけの話ですが・・・。


 さて、石田衣良作品を読んでみようと思い、本屋の

棚を物色。 「波のうえの魔術師」!、これだあ!

ふふふ・・・、魔術師かあ~、妖しいやつか?!



 あの銀行を撃ち落とせ! 謎の老投資家が選んだ

復讐のパートナーはフリーターの<おれ>だった。

マーケットのAtoZを叩きこまれた青年と老人のコンビ

が挑むのは、預金量第三位の大都市銀行。 知力の

限りを尽くした「秋のディール」のゆくえは・・・・・・。

新世代の経済クライムサスペンスにして、連続ドラマ

化話題作。

 (文庫裏表紙より引用)



 ん?・・・、違うか・・・。

 なるほど、投資の魔術師ですか・・・。

コン・ゲーム、クライム・ノベルも嫌いではない♪


 老人が、大学卒業後、パチプロまがいの生活を

している青年をスカウトする。 金も経験もないこの青年

に、老人は言う。

「ひとりきり孤独に貧しいものは、まだ金をつくっていない

金持ちにすぎない」


 そして、青年は株式市場の波のうえで、学び力を付け

て行く。 

やがて、老人は本命のターゲットを青年に明かす。


 大都市銀行を破綻させる。

株の空売りで、巨大な利益を上げようという計画だ。


 銀行の巨大赤字をリークする、取り付け騒ぎを演出

するなどの方法はこの手の作品としては目新しいもの

ではありませんが、それを現代風にアレンジしたところ

が石田衣良さんの手柄でしょうか。


 老人もなかなか魅力的に描かれているし、青年が成長

して逞しくなってゆく過程も興味深い。

暗くなりがちなテーマですが、この作品には明るさがある。


 面白い作品に仕上がっていると感じました。

予想出来てもスリリング。

楽しむことが出来ました♪