どこにでも目にする一般的な状態のガラスは叩けば割れる硬い物体だが、熱を加えると液状になるため、固体と液体の中間にあると言える。
ところが、ドイツのグループは、原子が見たこともないような複雑な振る舞いをするガラス状態を発見した。
「液体ガラス」なるその状態では、原子は移動することができるのに、回転はできないという不思議な性質があるのだという。
原子が移動するのに回転しない「液体ガラス」
ある物質が液体から固体に変化するとは、自由に移動していた原子が規則的に並んで、ガッチリとした結晶構造になるということだ。
ところが固体のガラスでは、そのような結晶が作られず、原子は不規則な状態のまま”凍結”している。そのために、ガラスは固体と液体の中間にあると言える。
ドイツ・コンスタンツ大学の研究グループが発見したのは、原子が見たこともないような複雑な振る舞いをするガラスの状態だ。
「液体ガラス」なるその状態では、原子は移動することができるのに、回転はできないという不思議な性質があるのだという。
液体ガラス状態は「コロイド懸濁液」を観察していたときに発見された。
コロイド懸濁液とは液体の中に大きな固体粒子をまぜたもので、原子や分子の挙動を調べるためによく利用される。普通、そうした液体中の固体分子は球状なのだが、今回の実験ではその向きを調べるために楕円形のものが使われていた。
液体中の粒子密度を変えながら、それらがどのように動き、回転するのか観察する――そのとき研究グループは、密度が高くなるほどに粒子が互いの回転を邪魔するようになり、それでいて移動すること自体はできるという、ユニークな状態に気がついたそうだ。
粒子がクラスター化して、ユニークな性質が誕生
「特定の粒子密度では、配向運動が凍結される一方、並進運動は保たれたままです。その結果生まれるガラスの状態では、粒子がクラスター化して、同じような配向を持つ局地的な構造が形成されています」と、研究グループのアンドレアス・ツームブッシュ氏は説明する。
こうした液体ガラス状態があるだろうこと自体はかなり以前から予測されていたとのこと。また、似たようなプロセスが、もしかしたら他のガラス形成系にもあるかもしれないそうだ。
この研究は『PNAS』(1月19日)に掲載された。
References:Neither liquid nor solid University of Konstanz / newatlas/
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