2002年に安楽死を合法化したベルギーで、性転換手術に失敗した後に耐えがたい精神的な苦痛を訴えていたベルギーの男性が9月30日、安楽死により死亡したそうです。国内メディアが1日に伝えたそうです。
安楽死という選択を選んだのは、ナタン・フェルヘルストさん（44）で、ブリュッセルの病院で、友人に囲まれて最期の時を迎えたそうです。ナタンさんの件はこれまでも国内で広く報道されていました。
安楽死に立ち会ったウィム・ディスルマン医師が日刊紙Het Laatste Nieuwに語ったところによると、ナタンさんは穏やかに最期を迎えたそうです。医師は「ナタンさんが耐えがたい精神的苦痛を抱えていたことは明らかだった」と安楽死の理由を説明しました。
ナタンさんの死の前夜にインタビューした同紙によると、ナタンさんは、3人の男の子がいた家庭の4人目の子「ナンシー」として生まれました。両親はもう1人男の子が欲しいと考えていたことから、女児のナタンさんを拒絶していたそうです。ナタンさんは2009～12年に3度にわたって乳房切除や陰茎形成をする性転換手術を受けたものの「私の乳房はまだ残っているし、ペニスは失敗だった」と語るなど、その結果には満足していなかったようです。
Transsexual, 44, elects to die by euthanasia after botched
ベルギーでは2012年、432人が安楽死を選択しています。これは同年に死亡した人の2％にあたり、前年より25％多かったそうです。安楽死には厳格な規則が定められており、患者に判断能力と意識があり「自発的に、熟慮の末、反復して」死ぬことを要望した場合にのみ認められているそうです。
■積極的安楽死を認めている国
スイス- 1942年
アメリカ（オレゴン州） - 1994年「尊厳死法 (Death with Dignity Act)」成立
オランダ- 2001年「安楽死法」可決。
ベルギー- 2002年「安楽死法」可決。
ルクセンブルク- 2008年「安楽死法」可決。
アメリカ（ワシントン州） - 2009年
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