日本では、報道される事が少ないのだが、中国の小学校、中学校、高校では、現在、イジメや校内暴力が蔓延している、という。
中国の河北省の学校で、長期的にイジメを受けていた13歳の少年がいた。
この少年は2024年3月、同級生(イジメの加害者)3人を殺害。
中国社会に衝撃を与えた。
それから福建省の学校では、校内暴力防止の為、トイレに悪口探知機を取り付けたという。
今年、上海の大学では卒業式で、卒業生が教官を殴り、問題になった。
この卒業生は就職が上手くいかず、いらつき、教官を暴行したようだ。
また、中国では、暴走族が増加している。
上海では、若者がレース用自転車に乗り、信号無視などの交通違反を、しょっちゅう行っているという。
その為、上海市民の生活が、おびやかされている。
そして、こういう自転車の暴走族は、中国各地に広がってきたようだ。
中国の若者の間で、イジメ、校内暴力、暴走行為が流行る原因の1つが、児童虐待だと見られている。
こんなデータがある。中国の18歳未満の人のうち、
26.6%が、家庭で身体的児童虐待を受けた経験がある。
19.6%が、家庭で精神的児童虐待を受けた経験がある。
26%が、親の育児放棄にあっている。
経済的に落ち目になってきた中国だが、人心も荒れてきたようだ。
この日本も昭和40年代までは、学校教育が比較的上手くいっていた。
学校にイジメがあったり、不良ぽい生徒がいても、不登校の児童、生徒、校内暴力は少なかった。
ところが昭和50年代以降、イジメ、校内暴力、授業崩壊、学級崩壊が、社会問題化した。そして、不登校の児童、生徒がどんどん増加した。
高度成長、バブルと日本は、経済成長していったが、子供はすれていった感じだ。
中国は、そんな日本とだぶって見える。
中国は1990年代以降、世界の工場、バブルとなり、目覚ましい経済成長を遂げた。
富裕層も出現した。
だが、近年、遂にそのバブルがはじけ、経済は下り坂。
失業率は上がり、雇用率は下がる。学歴が高くても、就職出来ぬ若者が出て来た。
親が働けず、イライラして、子供に八つ当たりしてしまうケースもあろう。
そして子供はすれて、学校で校内暴力、イジメを起す。暴走族となる。
日本を見ても中国を見てもわかる通り、人は物質的に恵まれるだけじゃダメなのだ。
心も豊かになれる社会こそ、理想である。
●この記事の画像は、夜の上海市(フリーのもの)。