フランスの名女優アヌーク・エーメさんが、今月18日、パリで亡くなった。
享年は92だった。
アヌーク・エーメさんと言うと、日本では、「男と女」を思い浮かべる人が多そう。
彼女が主演した映画では、これが日本で一番ヒットした。
「男と女」は、1966年製作のフランス映画で、カンヌ映画祭グランプリ、アカデミー外国語映画賞に輝いた。
1960年代を代表する映画の1つだ。
しかし、映画評論家の大御所だった淀川長治氏は、お気に召さなかったらしく、
「名作だけど、内容が薄っぺらいから、僕は評価しないの」
と言っていた。
私もこの映画は、1980年代に見たのだが、面白いとは思わなかった。
妻に自死された男と、スタントマンの夫を目の前で亡くした女が知り合い、恋に陥る。
というのが、「男と女」のストーリー。
この映画は男女の色恋を、冒頭からラストまで、えんえんとテレビCMみたいな流麗な映像で、見せ続ける。
そのせいか、肝心のストーリーがつまらないのだ。
単純すぎて。
映画にテレビCMみたいな流麗な映像を当てはめたのは、この「男と女」が、最初だったそう。
「男と女」は、私は好きじゃないのだけど、(流麗な映像で、オシャレで好きだ)という映画ファンが、昔から多い。
映画「男と女」は、テーマ曲も有名だ。
ダーバダ、シャバダバダ、シャバダバダ・・・というスキャットは個性的で、一度聞いただけで、耳に焼き付く。
アヌーク・エーメさんのご冥福をお祈りします。
私はエーメさんの主演映画では、「甘い生活」が一番好きである。