私は田畑、小川の多い地域に暮らしている。
さて、田舎道を歩くと、しばしばお地蔵さんを発見する。
お地蔵さんは、ほのぼのとした顔をしている。
だから、見ると心が和む事もある。
だが、私はお地蔵さんの撮影は、しないことに決めている。
どうしてかと言うと、ここで昔、人が亡くなっている可能性が高いからだ。
江戸時代、旅人が行き倒れて亡くなることが、よくあった。
すると、村人が哀れみ、そこに埋めてやった。
そして、その後、供養の為に、地蔵を建ててやったのだ。
そんなわけで、日本昔話に出てくるお地蔵さんは、ほのぼのしているが、実は今で言うところの、
「事故物件」
みたいなものだったのだ。
そういういわくを知っているから、私はお地蔵さんは撮影しない。
死者にカメラを向けるようで、失礼に思ってしまうのだ。
こういうお地蔵さんの歴史を知る者は、現在少なくなっている。
※ただし、人が亡くなっていない場所に建てられたお地蔵さんも、勿論ある。
お地蔵さんのある場所で、100%人が亡くなっているわけではない。