57年前の通販商品を注文したら・・・ | 話のコレクション

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食べ歩き、旅行、散歩を中心に記事にします。が、それらに行けぬ時は、古今東西の興味深い話を記事にします。

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 これから紹介する出来事は、実話だという。
 
 1993年。
 アメリカのボルチモア州に住むロザリー・ボドナルクさんは、自宅の屋根裏部屋を掃除していた。
 
 この時、1936年11月8日付の古新聞を見つけた。
 ペラペラめくると、通信販売の広告を、ハーンズ社が出していた。
 
 年甲斐もなく悪戯心を出したロザリーさん。
 広告に載っていた銀製のカップを注文してみた。
 
 すると、2週間後、彼女の家に銀製のカップが届いたのだ。
 
 しかも、消印が1936年となっていたから、驚愕した。
 
 ロザリーさんはハーンズ社に問い合わせようとした。
 ハーンズ社の住所は、ニューヨークである。
 だが、ニューヨークの電話帳に載っていなかった。
 
 それもそのはず。ハーンズ社は、1950年代に倒産していた事が判明した。
 
 きつねにつままれた感じのロザリーさんは、今度は郵便局に問い合わせる事にした。
 
 「あのう、どうして1936年消印の郵便物が、うちに届いたのでしょう?」
と問いかけると、局員は、
 「1936年に、その会社に注文したのではないでしょうか?だが、こちらのミスでずっと倉庫に入っていた。今になって気がつき、配達したのかもしれません」
と答える。
 
 つまり、1936年に、ロザリーさんの家族が、実際にハーンズ社に注文したのではないか、と局員は言うのである。
 
 だが、1936年当時、ロザリーさんの一家は、ニュージャージー州に住んでいた。
 
 局員の言う通りなら、商品の届け先はニュージャージー州の元いた家になるはず。
 
 これは、ありえない・・・。
 
 結局、ロザリーさんが出した注文書はいったい誰に届き、誰が商品を送って来たのかは・・・、不明であった。
 
 消印が1936年になっていた事も、もちろん不明である。
 
 ●画像は、ハーンズ社がかってあったニューヨーク