深い意味があるのかないのか・・・「争闘/猫」 | 話のコレクション

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 2018年、東京都美術館および京都国立近代美術館で、
 
 「没後50年 藤田嗣治展」
 
が開催された。
 
 ■開催期間
 東京都美術館    2018年7月31日~10月8日
 京都国立近代美術館 2018年10月19日~12月16日
 
 これは、世界的に高い評価を得た藤田氏(レオナール・フジタ)の没後50年を記念して開催された展覧会である。
 
 私も東京都美術館の方で、この展覧会を見た。
 
 
 
 この展覧会には、「争闘/猫」という藤田氏の絵画も展示された。
 
 藤田氏は、1886年、東京に生まれた。
 1913年、絵の修業の為、フランスに渡る。
 1933年に帰国した後、軍国主義に逆らえず、戦争画を描き始めた。
 しかし、日本が敗戦すると、戦争責任を問われた。
 1949年、日本を逃げるように去り、再びフランスへ。
 1955年、フランスの国籍を取り、1968年かの地で没した。
 
 ・・・という波乱の人生を送った画家だった。
 
 さて、「争闘/猫」というのは、フランスでは高評価をされたが、日本ではあまり評価されなかった藤田氏の心情が出た作品とする説がある。
 
 「日本の画壇の関係者のいざこざを、猫のケンカに当てはめて描いたのでは?」
と、みるむきもあるのだ。
 
 が、藤田氏はアルゼンチンにいた時も、似た絵を描いているから、
 「単純に猫が好きだから描いたのだろう」
と語る専門家もいる。
 
 実際に無類の愛猫家であったという。
 彼の画文集に「猫の本」があるぐらいである。