関根正二「信仰の悲しみ」 | 虹がでたなら

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私の宝物、関根正二さんの画集。
わずか二十歳で亡くなってしまった関根さん。
命を燃え尽くすような赤が印象的な画家です。
洲之内徹さんのエッセイで関根さんのことを知り、それから関根さんの絵を観るためにいろいろな美術館を訪ねました。
この本の表紙の絵は、東京国立近代美術館にあります。

信濃デッサン館では、自画像に心を見透かされるように感じ…
福島県立美術館では、この「死を思う日」の前から動けなくなってしまった…。
そして、「信仰の悲しみ」を観るために、大原美術に行きました。
一度目は、ちょうど他の美術館に貸し出し中で観られず、本当にショックで、数年後再訪しました。
そのあと、東京国立近代美術館で大原美術館の展覧会があり、また観ることができました。
何とも幻想的で、でも感情があふれてくるようなこの絵は、強烈な印象を残し、様々な想像をかきたてられます。
今週のNHKの「日曜美術館」が大原美術館の特集で、この絵も取り上げられました。
大原美術館を設立した大原孫三郎さんの長男、大原総一郎さんがこの絵に一目惚れして購入したそうです。
そして番組の中で、この絵に関する物語が朗読されたのですが、ある人が死を決意して、その前に大原美術館に立ち寄ったとき、この絵を観て、自分は死んではいけない…と感じたのだそうです。
それだけ人の心を動かす力のある絵…。
そして、それから何度もこの絵を観にくるけれど、そのときと同じような気持ちにはならない…とのこと…。
絵は生き物であり、そのときの自分の状態で、感じることも違う…という解説が心に残りました。
またこの絵と向かい合いたくなりました。