戦地からの手紙 | 虹がでたなら

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わくわく・どきどき・しみじみ…なものたち

先日、実家の蔵を整理していたら、色々な文書が入った段ボール箱がありました。
土地関係の書類とか、お祝い事や法事でいただいたお金の記録とか、お店をやっていたので、つけの記録とか。
筆で書かれた、映画に出てきそうな帳簿ばかりで、興味深く見ました。

そしたら、そのなかに、「遺書在中」と書かれた封筒があったのです。
それは、太平洋戦争のときサイパンで亡くなった祖父の兄弟の、サイパンから届いた遺書でした。
筆で書かれた美しい文字。
そこには死に向かう覚悟と、両親…私にとっては曽祖父母…の健康を願うことばが書かれていました。
最後には、二十五歳と記されていました。
たった二十五歳で、家族と遠く離れたサイパンの地で、どんな気持ちで遺書を書いたのか…。
辛くてじっくり読むことができませんでした。
一緒に、「遺髪在中」と書かれた封筒もありましたが、辛すぎてそれは見られなかった。

大叔父さんがサイパンで亡くなったとは聞いていたけれど、ちゃんとそのことを知ろうとしてこなかったことを後悔しました。
そして、本を買って読んでみました。

サイパンでの戦いがどれほど悲惨なものだったのか…。
殺されてしまうかもしれない、誰かを殺さなくてはいけないかもしれない。
そんな恐怖と戦いながら、日々を過ごし、最後は命を投げ出すしかなかった人たち。
大叔父さんは、どんな最期だったのか…。
次はちゃんと遺書を読んで、思いを忘れないようにしたい。
そしていつか、サイパンに行って、大叔父さんのことを想いたい。