「天使の眠り」 | 虹がでたなら

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岸田るり子「天使の眠り」
どんでん返しに気づいたとき号泣する…。
という帯につられて読みました。
京都で医者として働く宗一は、同僚の結婚式で懐かしい名前を発見する。
13年前、激しくひかれ、一緒に暮らしていた年上の一二三。
そしてその娘。
二人は当時、突然宗一の前から姿を消していた。
そして13年ぶりに会った一二三は、当時よりも若々しく美しくなっていた。
別人なのか?…と思ったけれど、その女性は宗一を見た瞬間、当時の呼び方で宗一の名前をつぶやいた…。
本当に彼女は一二三なのか?
そして、彼女の周りで金持ちの男性が次々と亡くなっていることを知る。
疑惑と愛情と。
懐かしさと悔しさと。
揺れ動きながら一二三の秘密を探っていく。
最後に知る、母親としての強い愛と意志。
号泣…とまではいかなかったけれど、よくできた物語です。
もう一度読んで、それぞれの登場人物の思いを確認したくなる。
映像化したら面白そうです。