「八月の六日間」 | 虹がでたなら

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北村薫「八月の六日間」。
湊かなえさんの「山女日記」もとても素敵だったけれど、同じく女性が山を登る物語であるこの本も、楽しくて面白くて、ワクワクしながら読みました。

文芸誌の編集をしているアラフォーの女性。
同僚に誘われて、登山の魅力にはまる。
数日の休暇を取りながら、あちこちの山に一人で登る。
自然の美しさ、厳しさ。
山のおおらかさ、怖さ。
そして山で出会う人たちとの…もう2度と会うことのないだろう人たちとの…温かな交流。
もう、どのシーンも本当に魅力に溢れていて、私もすぐにでも山に行きたくなってしまった。
ビニール袋に様々なお菓子を詰めて。
温かい飲み物も作れる準備をして。
羊羮をかじりながら、稜線を歩きたい。

実家の近くの御嶽山は、一人で夜中に登っていたけれど、前回登ったとき、ほとんど人がいなくて岩場のコースどりに苦労し、そのあとにあの噴火…。
今はちょっと、一人での登山は控えています。
そんなわけで、なかなか、思い立ってひょいっという感じでは山に行けてないけれど、安全そうな山を選んで、行きたいな~‼

…なんてふうに、この本を読んだ人は山に登りたくなるであろうことを予想して、後書きには、ちゃんとトレーニングをしてから登るよう、釘をさす文がありました。