「走ル」 | 虹がでたなら

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わくわく・どきどき・しみじみ…なものたち

芥川賞を受賞した作家・羽田圭介さんの作品です。

「走ル」。
自転車で夜の街を走る表紙のイラストにひかれて買いました。

主人公は高校生の少年。
家に、貰い物のクロモリのビアンキがあるのを思い出し、綺麗にして乗ってみる。
学校をさぼって、ちょっとだけ走るつもりが、いつの間にかどんどん東京を離れ、北上し、日本海を眺めながらついには青森まで…。

4号線を北に向かい、利根川とか渡良瀬川とか遊水地とか…、栃木を過ぎていきます。
知っている道なので、景色をイメージしながら一緒に走っている気分になります。

峠を上った…と思ったら行き止まりだったり、ハンガーノックになったり、激しい雨に打たれたり…。
一緒になってハラハラしたり、ガックリしたり…。

景色を思い浮かべながら、想像の世界で青森までのサイクリングを楽しみました。

Tシャツと短パンで走り続けて、お尻の痛みや日焼けは大丈夫だったのか?
親は心配じゃないのか?
よくパンクしないな。
…と、現実的な心配をしてしまい、というか、現実的ではないな…と思ってしまったのですが、この羽田さんは、実業団チームに入ろうと思っていたくらいロードバイクに乗っていたらしいです。
そして実際、北海道まで自転車で行ったことがあるとか。

…と知って、あり得る話なんだ~と納得


私も、こんな無茶にちょっと憧れる。
自分が男で、自転車のメンテに自信があったら、旅立ってしまったかも。