
切なくて、温かい。
何年も行方不明になってきた夫が帰って来た。
夫は、自分はもう死んでいると言う。
それでも生きているかのように行動する夫。
死んでいる、ということを自然に受け入れながらも、生きている夫といるかのように過ごす妻。
行方不明になっていた間に、夫がお世話になっていた人たちを二人で訪ねて行きます。
その先々にも、すでに死んでいる人、自分が死んでいることに気づいていない人、などが、生きている時と変わらない姿で暮らしています。
さようなら、をするために。
ありがとう、を伝えるために。
願いをかなえて、穏やかな表情で消えていく夫。
また会おうね…と涙で微笑む妻。
浅野忠信さんと、深津絵里さんの、静かな愛情があふれる表情が素敵でした。