「破獄」 | 虹がでたなら

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吉村昭さんの「破獄」。
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モデルがいたらしい。
昭和の初め、強盗殺人で捕まった後、4度も脱獄をした人の話。

絶対はずせないとされた手錠をたくみにはずし、壁をヤモリのように這い上り、塀を斜めにかけのぼる…。
絶対脱出が不可能…とされた獄舎もやすやすと抜け出してしまう。
マジシャンのよう!?

驚異的な身体能力と頭脳とアイディア…。
他のことに生かせばいいのに!?

脱獄を怖れるあまり、ものすごく頑丈な手錠・足錠をかけ、独房から出さず作業もさせない。
がんじがらめの日々の中では、考えるのは、いかに逃げるか…になってしまう。

4度目の脱獄後に捕まってからは、手錠を外し作業をさせたところ、もう逃げることはなかった。

誰でもそう。
一方的に「ダメ」と叱られたり禁止されたりしただけでは、かえってそのことに意識が行ってしまう。

どうすればいいのか、何をすることが望ましいのか示していかないと。

そんな小説を読み終わったと思ったら、まさに同じような事件が韓国で発生!
幅45センチ、高さ15センチの、食事を出し入れするスペースから抜け出したんだとか!
なんでもヨガの修行をしていたらしいですが…。
驚きです。

どんなふうに身体を変形させて抜け出したのか…実演して見せて欲しいものです。