わたしにとってのそれは、焼き物です。
土と、水と火。
人間にとって、あたりまえなくらい身近なものであり、毎日の生活にかかせないもの。
そんな自然の素材を使って、そこに作る人の技や思いや人柄が加わって生まれる焼き物。
さらに、使う人の手や口や肌に触れて、花や食べ物をのせて、変化をして行く。
見て楽しみ、使って楽しみ、触れて楽しみながら、自分の家族のようになっていく焼き物が大好きなのです。
家の横にある山の向こう側で窯を焚く、しさまさんの作品は、この山の土を使っている…ということもあり特に愛着がわきます。
先日、窯におじゃましていただいてきた作品。
一輪挿し。

片手にすっぽりおさまる握り心地もやわらかい。
そしてなんとも愛嬌たっぷりな急須!

たぬきみたい。
とぼけた表情が見えるような愛らしさ。
そしてこの急須の特徴は、ぐらぐら揺れるのです!!
うけを狙ったのかと思ったら、わざとではなく、焼ける過程で予想外に縮んだらしいです。
でも楽しい。
ゆらゆらさせるとますます生き物みたいで和みます。
お茶もいっそう丸い味に感じますよ。
こんな面白さがあるから、焼き物が好き。