セザンヌ展に憩う | 虹がでたなら

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わくわく・どきどき・しみじみ…なものたち

例えば村山槐多とか、関根正二とか、ゴッホとか。
私がひかれる画家は、ズンッと心の中に入ってきて、グワングワンと感情を揺さぶる感じ。
あるいは、海老原喜之助さんや小野竹喬さんのように、ほのぼのして笑顔になるか。

セザンヌの絵は、好きか?嫌いか?といえば好きだけど、そんなふうに心がざわざわしたり、ワクワクしたりすることがない。

静か。
音や温度をあまり感じない。

国立新美術館で開催されている、セザンヌ展。
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これを見てわかりました!?
「緑」のせいです。
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セザンヌは、「緑は、最も快活な色彩で、目に優しい」…というようなことを言っていたらしいです。

どの風景画も、緑がたくさん使われていて、そのやわらかな緑が優しくて落ち着く。
なんと会場の壁まで緑にしてある!?

山に囲まれた場所に生まれ、山の中で育った私は、常に山を見て暮らしてきました。
緑は私の気持ちを鎮めるのです。

少し前まで視力が2.0だったのも、勉強!?や仕事の合間に、緑の山を見て目を休めていたからです…!?

緑には、心や体を安らかにする力があるのですよ、きっと。
…と、納得したのでした。

セザンヌが繰り返し描いたこの山。
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山、というのも人の心に大きな印象を残し、いろんな思い出を作る。
誰にも、自分にとって大切な山、忘れられない山ってあると思う。

私にとっては駒ヶ岳。
遊んでいた校庭から、勉強していた校舎から、いつも見えた山。
美しくて威厳があるのです。

それからセザンヌの絵を見て落ち着くのは、絵のバランス感によるものだ?…と感じました。
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静物と、布などと、机や壁紙…。
それらの配置や量の絶妙なバランスが、ストンとはまっているのだろう…と、感じたのでした。

すごい混雑ではあったけど、穏やかな気持ちになれたひとときでした。