微笑ましい…絵本と人形劇の展覧会 | 虹がでたなら

虹がでたなら

わくわく・どきどき・しみじみ…なものたち

「ブラティスラヴァ世界絵本原画展とチェコの人形劇」という展覧会。
6月26日まで、足利市立美術館で開催されています。

かつてひとつの国だったチェコとスロヴァキア。
この両国は、文化の国として知られてきたそうです。
スロヴァキアからは、首都ブラスティスラヴァで開催される、世界最大の絵本コンクールのひとつ、世界絵本原画展の作品を。

チェコからは、人々の生活に根付いてきた人形劇を。

ほのぼのとした作品が並びます。

原画と共に、実際の絵本も置いてあるので楽しめますよ。

虹がでたなら-2011052816090001.jpg
右下は、日本からエントリーした智内兄助さんという人の「ぼくがうまれた音」という作品です。

生まれてから成長する間に故郷の瀬戸内で聞いたいろんな音が表現されています。

花火のパチパチ。
かき氷のシャリシャリ。
進水式のパンパカパーン。
お化けのドロローン。

本当にそんな音が聞こえてきそうな絵です。

虹がでたなら-2011052816100000.jpg

虹がでたなら-2011052816100001.jpg

どれも、楽しいストーリーの展開をイメージさせる、ワクワクするような絵ばかり。

私が特に気に入った絵本は、「色!いろいろ!」という本です。
あお、それは空の色…(略)
茶色、それは(略)流れついた椰子の実の色
…というように、それぞれの色からイメージするあれこれが、優しい色と絵で描かれています。

私だったら、
オレンジ、それはバックスの色。
霧降アイスアリーナを熱く染める色。
ジャイアンツではありません。

えんじ色。ビッグベアーズの色。
誇りと覚悟の色。
立命館カラーと似てるけど違います。

…って感じです。
いろんな色から広がるイメージを楽しみました。

一方、
人形劇も、次々と魅力的な人形が登場します。
虹がでたなら-2011052816090000.jpg

こんなすごい人形や舞台が普通の生活に根付き、家庭用人形劇場として普及していたということに驚きます。

「サウンド・オブ・ミュージック」のシーンを思い出しました。
兄弟で人形劇を演じる…。

ところでこの展覧会、学芸員さんだか、企画した方だかの素敵なセンスを感じます。

入り口で渡されるパンフレットには、それぞれの絵本の代表的な絵とあらすじが載っていて、一つ一つに、
「○○の絵をさがして見よう」
「太陽は何個あるかな?」
などという、楽しいコメントや質問が添えられているのです。
子どもたちにも楽しめ、心にしっかりと印象が残ると思います。

また、解説文が素敵でした。
例えば、恋人たちを描いた「愛が君を待ちのぞむ」という絵に添えられた文。

「見つめあい手をつなぐ二人の若い恋人
喜びやためらいや期待にあふれる交流の中で
身体はただの肉体であるのをやめ、新しい意味を持ちはじめる
心臓の鼓動がたがいの名前をよびあい
瞳の中に新しい世界が見える
愛が誕生する場所としての身体の讃歌」

こんな素敵な文を添えた人は、どんな素敵な人かとまた妄想がふくらみます!