もう亡くなってしまった人ですが、画廊を経営しながら、数々の若い才能を見出した人です。
芸術新潮に、絵にまつわるエッセイを書いていて、私はそれをまとめた本を読んで、本当にたくさんの影響を受けました。

世の中には、本当に、人間性にあふれた画家、絵に命をかけた画家、魅力的な画家、とその作品がたくさんあることを知り、
この数々のエッセイを読んで、私の美術館めぐりが始まりました。
絵を見る面白さ、それを描いた人の人生を知る面白さを知り、そこで知った絵から、画家の生き方から、たくさんのことを感じ、考えさせられました。
洲之内さんとそのエッセイ、そこから知った数々のことは、私の心の支えなのです。
そして、今読み終えたこの本。

この本を読んでよかったのかどうか、わかりません。知らなくても良かった。
洲之内さんが、とてももてる人で、女性に対して(本人曰く)「どうしようもない」人だったことは、本人のエッセイからもわかるけど、それだけ洲之内さんが魅力のある人だったのだと思う。
・・・それでいいです。
絵に対する、画家に対する愛情は別のものだし。
ただ私は、人と人の間では誠実であることが、何より大切だと思うから、この本を読んで、ある点に関しては、悲しくて、涙が止まりませんでした。