東大の数列問題(H05) | 東大カリスマ塾長 浜田一志公式ブログ -9割が伸びる”文武両道”勉強法-

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表記について

 a[n] は an(nは下付の添え字)の意味

 a^n は aのn乗の意味です。


【問題】

整数からなる数列{an}を漸化式

 a[1]=1,a[2]=3

 a[n+2]=3a[n+1]-7a[n] (n=1,2,・・・)

によって定める。

(1) a[n]が偶数となることと,nが3の倍数となることは同値であることを示せ。

(2) a[n]が10の倍数となるための条件を(1)と同様の形式で求めよ。


【解説】

 同値であることを示すときは

(ア) a[n]=偶数 ならば nは3の倍数

(イ) nが3の倍数 ならば a[n]=偶数

の両方を証明しなければなりません。


(ア)は,その対偶(ア’)を証明する方が取り組みやすくなります。それは,

 「6番目は偶数か奇数か?」の方が「偶数になるのは何番目?」より答えやすいからです。


(ア’) nが3の倍数でない ならば a[n]は奇数

(イ) nが3の倍数 ならば a[n]=偶数

を証明します。


まず,数列を計算して書き並べて確かめると

1, 3, 2, -15, -59, -72, 197, 1095, 1906, -1947, -19183, -43920,・・・

3番目,6番目,9番目・・・は偶数でが,それ以外は奇数になっています。


a[n+3]=奇数×a[n]+偶数

という形に持っていけば,

a[1]=奇数 ならば a[4]=奇数×奇数+偶数=奇数,a[7]=奇数・・・・・

a[2]=奇数 ならば a[5]=奇数×奇数+偶数=奇数,a[8]=奇数・・・・・

a[3]=偶数 ならば a[6]=奇数×偶数+偶数=偶数,a[9]=偶数・・・・・

となるので,証明が完成します。


 a[n+2]=3a[n+1]-7a[n] ・・・① より nを1つ増やして

a[n+3]=3a[n+2]-7a[n+1] ・・・② これに①を代入して

a[n+3]=2a[n+1]-21a[n]=a[n]+2(a[n+1]-11a[n]) ・・・③よって

a[n+3]=a[n]+偶数

また,a[1]=奇数,a[2]=奇数,a[3]=偶数

帰納的に a[n]=偶数 ⇔ n=3の倍数 がいえる。


(2) 10の倍数が初めて登場するのは a[12] です。

まず,答は「nが12の倍数」ではないかと予想します。

10の倍数=偶数かつ5の倍数 なので

「a[n]=5の倍数⇔nは4の倍数」がいえれば

a[n]=10の倍数 ⇔ nが3の倍数かつ4の倍数 ⇔ nが12の倍数

となって予想を証明できます。


実際

a[1]≠5の倍数

a[2]≠5の倍数

a[3]≠5の倍数

a[4]=5の倍数

になっているので


a[n+4]=(5の倍数でない数)×a[n]+(5の倍数)

を目標に漸化式を変形します。

①でnを2つ増やして

a[n+4]=3a[n+3]-7a[n+2] これに③,①を代入して

a[n+4]=3(2a[n+1]-21a[n])-7(3a[n+1]-7a[n])

    =-14a[n]-15a[n+1]

    =(5の倍数でない数)×a[n]+(5の倍数)

a[n]=5の倍数⇔nは4の倍数

∴a[n]=10の倍数⇔nは12の倍数