上のリンクからの続きです。

 

 

  図16
ピアノでの経時的な唇の隙間の開き(=空気量) フォルテシモ (左) と結果のサウンド スペクトル (右)

 

スペクトルダイナミクス

 

 
 ウィーンホルンの重要な特徴は、その高い>スペクトルダイナミクス<です。 これは、演奏されたダイナミクスによって音色がどれだけ変化するかを意味します。 この効果は、ウィーン ホルンの内径が狭く、管内の摩擦損失が大きいことに直接関係しています。 フォルテッシモまでのクレッシェンドでは、ウィーンのホルンの音の高い部分音は、ダブル ホルンよりもはるかに高くなります。 この理由 (図 16 を参照) は、一定の限界を超えて空気供給を増やし続けると、ホルン奏者が意識的に制御できなくなる唇の動きの変化にあります。 ウィーン モデルでは、ミュージシャンはより多くの音色を選択できます。
 
 
  図19
4つの一般的なホルンタイプのスペクトル ダイナミクス。 全体の音に対するクレッシェンドでの倍音の立ち上がり

 

 この図は一見すると大きな違いを示していますが、表示されている内容の説明は理にかなっています。
 図の上部にある 84 ~ 97dB の横軸は、部分音の上昇を計算するための基準値を表し、クレッシェンドを演奏したときの音全体 (すべての倍音) の音量レベルをデシベルで表したものです。
 下の線は、クレッシェンド中の個々の部分音の個々の上昇を、全体の音の音量レベルとの関係で表しています.これは、クレッシェンド中のウィーンのホルンでは、全体の長さにおける基音(=1)の割合が減少することを示しています. 、すべての倍音は3番目の増加を非常に急激に減少させます。 たとえば、7 番目の倍音は、クレッシェンドの間になんと 49 dB も上昇します。これは、サウンド全体に対する元の寄与度の 3,000 倍に相当します。
 一方、現代のホルンでは、基音部分と第 2 倍音が音を支配し、他のすべての倍音は継続的なクレッシェンドで増加しますが、ウィーンのホルンよりもはるかに少なくなります。 その結果、サウンドは「基本的」になり、より暗く見えます。
 図のトリプルホーンの F、Bb、ディスカント F ホーンセクションが全体の音よりも高い dB 値を示しているという事実は、現実に対応しておらず、すべての位相情報がフーリエ変換で失われているという事実によるものです。 いわば、数学的変換によって引き起こされた欠陥ですが、サウンド分析の有効性は変わりません。