大阪府人事委:「わたり」撤廃を橋下知事に勧告
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20101213k0000e010076000c.html
昨日に引き続き、お隣の大阪の話題です。
ついに「わたり」撤廃!
「わたり」については、こちらに詳しく書かれています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%82%8A
簡単に言うと「昇任せずとも長年勤続すれば上位の級に昇給できる仕組み」のことです。
昇進して役職についたら、いろいろ仕事も増えて責任も伴う。
どうせ、あと○年務めたら同じ給料がもらえるんだから、ヒラのままでいいや~。
という、モチベーションの低い公務員量産システムです。
課長になればチームのマネージメントもしなければいけないし、議会答弁もあります。
部署によっては非常に激務です。
一方で、役職につかず、ルーティンワークをこなしていても一定の年齢になれば1000万円プレーヤーになれてしまいます。能力もやる気もない人にはとてもありがたい制度。
志して、自治体職員になる以上は、地域のために住民の皆さんのために役に立ちたいという気持ちが必ず根底にあるはず。(ない人は辞めてください。)
そんな人が何年か役所に勤めるうちにやる気をなくして、ただの税金泥棒になってしまうそんな原因にもなっています。
私は行政の現場でこういう人を何人も見てきました。
最近は神戸市などでも係長試験を受ける人が2割に満たなくなっているとか・・・。
では、そんな悪い制度、どうして多くの自治体は廃止できないでいるのか?
ズバリ、労働組合の存在があるからです。
労働組合の皆さんは、この制度を「勝ち取った制度である」と主張します。
(Wikipediaでは、「労働組合も反対していた」とありますが、この辺りは民主・社民党系(自治労)と共産党系(自治労連)で見解が分かれることだと思います。)
この話で労使間で議論が始まると、「改革」より「慣例」を重んじる人とは、言葉が通じなくなってしまいます。
橋下知事のような突破力を持った首長しか話が前に進まないという現状があるのです。
とはいえ、民間企業などから見ると不透明な給与支給といわざるを得ないこの制度。
一刻も早くすべての自治体からなくすべきです。
今回の大阪の事例がその大きなスタートとなればうれしいなと思います。