前回の「若者」に続いて、「老人」について書いてみたいと思います。
ただ、私も普通の感覚を持つ日本人ですので、「目上の人を尊重する」気持ちは常に持っています。
なので、今回は自分の考えを入れず、体験した事実だけをお伝えしたいと思います。
どう感じるかは読まれた方々の判断にお任せしたいと思います。
児童福祉の仕事をしていたとき、児童のおじいさん、おばあさんと直接お会いしてお話しすることが何度かありました。
行政の担当者である私が父母ではなく、祖父母とお話しするという事は、端的に言えば「問題を抱えている家庭」ということになります。
今の就学前児童や小学校低学年のお孫さんを持つ世代ですから、だいたい団塊の世代辺りだと思います。
その方々に共通して言えるのは、自分の子ども(児童から見れば親)のことをけなすのです。
けなすと言うか、悪口を思いっきりこちらにぶつけてきます。
それがとても第三者的、他人事なのです。まるで友達の悪口を言っている感じ。
「うちの娘は本当に男癖が悪くて、困っています。(このあと、娘さんの男性遍歴を延々聞かされる。)」
「母親の自覚が全くないんです。」
「先日は暴れるので警察を呼びました。」
「フラッと出て行ってしまってどこにいるかわからないのです。」
「あの子を産んだことが私の人生の最大の汚点です。」
私は聞きながら、
「その子を育てたのは誰ですか?あなたじゃないですか?」
と、言う言葉がいつも喉元まで出掛かって飲み込む。それの繰り返しでした。
お会いするのはたいてい女親の親御さんです。
どんなに困った状況の家庭でも男親側の祖父母が出てこられる事はあまりありません。
男親がすでにいないケースも多かったです。
ここで、
「だから孫が不憫で。私たちが面倒を見てやらないと。。。」
とおっしゃるおじいさん、おばあさんはまだ救いがあります。
「孫がちっとも可愛くない。施設の前に捨ててこようと思う。」
と言い放ったおばあさんがいました。
とても上品な感じのきれいなおばあさんです。
ご主人のご職業もきちんとした職業です。(もう定年退職されていますが)
このご主人が「世間体が悪い」というから、捨てるのは踏みとどまっているのだとか・・・。
そうなのです。
この児童の家庭は、親が離婚していたり、育児放棄だったり、現代社会でよく言われる「問題」を抱えているのですが、
お会いするおじいさん、おばあさんはごくごく普通の方なのです。
きちんと定年まで会社に勤めた。
それなりの役職についていた。
または、しっかり事業を経営されていた自営業の方。
その奥様も専業主婦としてしっかり旦那さんを支えていた。
違和感を感じるのは、「自分の子育てに全く責任感がない。」ところです。
以上のような経験から、
「親の経済格差が子どもの格差を生む」と一言では片付けられない日本の現状があると思いますし、
今の若い人達に子育て能力が不足しているのではなく、もっと上の世代からすでに歯車が狂ってきていると考えられます。
タイトルに「バカ」と書きましたが、知識のあるなしではなく、「バカ=人間力がない」という解釈になりますね。
結局、自分の考えも少し書いてしまいました。ちょっと反省です。