先日の研修で、皇學館大學の松浦光修教授の講義を受けました。
内容は明治維新のお話から、天皇、国旗・国歌、そして憲法ことまで多岐にわたっていましたが、その中でも特に心に残ったのが「神話」のお話でした。
先生は、「神話」という言葉がもともとは[mith]の和訳であり、[mith]は「作り話、でっち上げ」をさす言葉なので、適切ではないとした上で、‘神代の物語’とはどういうものなのかを丁寧に解説してくださいました。
余談ですが、「天皇制」と言う言葉もそもそもは左翼用語。いかがわしいものなのであまり使用しないほうがいいそうです。なるほど・・・。
日本人なら誰でも知っている(と思っているのですが。。。)岩戸隠れのお話。
復習をしますと、
1.弟のスサノオの神が乱暴をはたらく。
2.姉のアマテラス大神は黙って許し続ける。
3.しかし、乱暴がエスカレートし、我慢の限界がきて、アマテラス大神は岩屋にこもる。
4.天地が暗黒に包まれる。
ここまでが前半です。
この精神は今の日本人にも生きています。
最初は黙って許す。
そして堪忍袋の緒が切れたときも、攻撃するのではなく、引きこもるのです。
こうした行動で相手に反省を促す。
相手は、怒られたり攻撃されるのと比べて何倍ものダメージを受けるのです。
天岩戸が神々の知恵によって開かれた後、スサノオは流離の旅に出ます。そしてヤマタノオロチ退治を経て英雄となります。
もしもアマテラス大神が怒りに任せてスサノオを滅ぼしていたら、この展開はありません。
対立したものを許す。対立したものと手を結ぶ。
これは日本人独特の気質だそうです。
本当は滅ぼした方が楽なのですが、それをしない。
そこが日本人の素晴らしいところなのです。
これは内面のお話。
外面においても神話が今の日本に生き続けている証拠があります。
ギリシャ神話の神々は死んでいる。
ギリシャを訪れて神殿を見ればわかる。遺跡はあれど廃墟である。
日本は違う。きちんと手入れされて神社が全国にあるし、お祭りも続いている。
伊勢神宮は来年式年遷宮の年です。1300年前から続いていて今回が62回目です。これぞまさしく日本の神話が現在に生きている証拠なのです。
静かに進む「神々の引っ越し」 伊勢2013式年遷宮
先生のお話はここまで。
本当に納得がいくお話で心にすとんと落ちてきたのですが、現在日本が抱える状況を考えると課題は山積です。
日本人同士だと伝わるこの気質が他の民族にはどのように映るのか?
賞賛される例が圧倒的に多いのですが、外交においてもスピードがものを言う時代。
先日のブログに書いたように情報発信もしっかりしていかなければいけません。
「自分で悟れ!」のスタンスは、中国や韓国には通用しないように思います。
きちんと整理して、日本人気質は失わず、でも毅然とした態度で臨む外交が求められているのではないでしょうか。