『ミウの歌 ~Love of Siam』

監督  Ma-Deaw Chookiat Sakveerakul
ミウ  Pchy Witwisit Hiranyawongkul

トン  Mario Maure

(2007年 タイ製作)

映画を続けて2本観ると大抵いいことがある。その2本に何かしら共通点があることだ。

1本目に見たのは2022年のタイ映画『卒業 ~Till the World I Love You』。その後、DVDで2007年のタイ映画『ミウの歌 ~Love of Siam』。

主人公が高校生。主人公のひとりに両親がいない。学校で「オカマ」と呼ばれて同級生たちから苛められる。同日に観た違う作品の中にある同じ部分が、より情緒を揺さぶってくる。

 

さて『ミウの歌』。

これが名古屋で上映されたとき、私はこの映画のフライヤーを手にしてはいたけれど観に行かなかった。当時、タイ映画についての思い入れも知識もなく(『アタックナンバーハーフ』を観たぐらい)、そしてこのフライヤーの裏の写真。

うむー、結局は男女の物語なのか・・・?と思ったんだよね。しかも「ミウ」という名前が当時は女性名かと思い、ミウという女の子の歌が物語に関係しているのかなどと勝手に勘違いしていたのでした。私のバカバカ!

 

タイドラマにハマったあと、GMMでヒットドラマを数々生み出しているAof監督やJojo監督、そして彼らの友人たちが集まって話をしている時に『ミウの歌』の話題がよく上っていて、そして絶賛していた。そのたびに観たいと思いながら探すのだけれど、現在はどのサブスクにも配信されていないのでした。

 

ところでここ最近、この作品を巡って不思議なことが起こったのでした。

うちの店に初めて来てくれたお客様Aさん。初来店ながら何故か話が弾んだのでした。そしてAさんからこの『ミウの歌』というタイトルが出たのでした。Aさんはこの映画を観てタイにハマり、言葉を勉強し、その後のタイドラマブームにもハマったとのことでした。

Aさんとそんな話をして1週間後。

また別のお客様で、何年も前に一度うちの店に来てくれて、そして今また来てくれたBさんとお話していたら、Bさんからも偶然に『ミウの歌』の話が出たのでした。10代の時にこの映画を観てとても救われた気がした、とBさんは言ってたかな。

AさんもBさんも多分似たような年齢で、ふたりとも外国語に堪能。これも不思議な共通点。

そして後日来てくれたAさんが『ミウの歌』のDVDを貸してくれたので、今日はBさんを誘ってこの作品の鑑賞会をしたのでした。

 

(なかなか見ることができない作品なのでちょっと感想をバンバン書いちゃいますね。ネタバレになっています。)

【あらすじ】

ミウには両親がいません。おばあちゃんとふたり暮らし。家には亡くなったおじいちゃんが残したピアノがあります。おばあちゃんはおじいちゃんと一緒に弾いたピアノをミウにも教えます。愛情や様々な気持ちは言葉にしなくても音楽で伝えられるのよ、とおばあちゃんはピアノを弾きながらミウに言います。

ミウの家の隣にはトンとその家族が住んでいました。トンと姉のタンと両親。ある日4人はチェンマイに旅行に行きます。タンはチェンマイでもう少し友達と遊びたいと言ってひとり残ります。厳格な母親はそれを許そうとはいませんでしたが父親は「いいよいいよ、もうタンだって大人なんだから」と言って許します。ところがタンはチェンマイの森の中で行方不明になり、もう戻りませんでした。そのタンの喪失がトンの一家に暗い影を落とします。家族は引っ越しをし、クリスチャンだった両親は信仰を捨て、そして父親は働かずに酒浸りの日々を過ごしています。母親はますます厳格になり、息子のトンに対して過保護になっています。

それから数年後。幼かったミウとトンは高校生になり、そしてサイアムの繁華街でバッタリ出会います。ミウは高校生ながら音楽事務所に所属し「August」というバンドで作詞作曲とボーカルを担当しています。

トンにはドーナツという名の女子高校生と一応付き合っていますが、トンには彼女への恋心があまりない様子。彼とその家族はずっとタンを待っているのか、失くしたことを認めるのか、そこが定まらないため傷はいつまでも癒えることがないように見えます。

ミウはトンに出会い、そこで自分の中に生まれた彼への恋に気が付きます。その気持ちは彼の曲作りにも反映します。

そのふたりの物語に、タンに生き写しのようなジュンという女性とトンの両親、トンの彼女のドーナツ、ミウに片思いをしている女の子イン、そしてミウやトンの同級生たちが絡む群像劇となっています。
 
【感想】
まずね、全体の映像の構図がとてもグッとくるの。カメラマンが誰なのかすごく気になった。公式HPにも出ていない。ところがWikiではペーター・サトマーリとある。ハンガリー映画の『人生に乾杯!』とか『愛を複製する女』、そしてあの愛おしい『リザとキツネと恋する死者たち』のカメラマン?映像的に本当に好みでした。
ちなみに監督は映画『デュー あの時の君とボク』やドラマ『Manner of Death』の監督です。
なんだろう、冒頭のミウのおばあちゃんがミウに語りかけながらピアノ弾いてるシーンですでに泣けちゃったなあ・・・。愛する人がもうそこにはいなくて、なにか言葉を残したわけではないけれど、音楽からその人への愛は伝わってくる・・・というのが、その音楽やおばあちゃんの表情からしみじみと伝わってくる素敵なシーンでした。
タイのドラマや映画では、脚本の杜撰さをたびたび感じます。時々整合性がなかったり、まったく同じセリフが繰り返されていて「それさっき言った!」みたいな気持ちにさせられたり。しかし『ミウの歌』にはそういう部分が全くなく、とてもセリフも良かったし、この物語がどこへどう向かうのかも最後までわからないまま登場人物たちの行方を見守っていました。とにかくどの登場人物もすごく丁寧に描かれているのです。
 
観ながら、2014年のタイドラマの名作『Love Sick』を幾度となく思い出していました。
ここでもひとりの男の子には彼女がいて、もうひとりの男子には女の子が片思いをしていて。そしてひとりはバンドをやっていて、群像劇で、サイアムで・・・。『Love Sick』で彼女のために買い物をしているシーンや、そこですれ違う二人の少年。この作品で坊主頭だったCaptainくんと、『ミウの歌』での坊主頭のトン。
『Love Sick』は『ミウの歌』から結構影響を受けているのではないかなあ・・・。そんなことを感じました。
そしてね、『ミウの歌』の終わりが切ないの。現在のタイドラマを作る監督たちは『ミウの歌』を最後にめちゃくちゃ切ない気持ちで観終わったその後、今は最高にハッピーなエンディングの作品にしようとドラマを作り続けているんじゃないの?と思ってしまいました。や、もうほんと、ずっと後々まで引きずってしまいそうな切なさ。
相手のことが好きである。でもそれは恋なのか、どうか。そして好きだと言ったらそのあとどうなるのか。恋人ってなんなのか。恋人になれるのかどうか。そして自分が好きなのは同性なのか異性なのかどうか。そうだよね、それがまだわからないことだって10代にはある。
まだなにかを決めることができない彼ら10代の時間。その切なさがこの映画には満ち満ちていた。
 
あ、ところでトンのお父さんが、『KinnPorsche』のキンのパパ、他、様々な作品に出ているホクロのおじさんだった!!(←言い方アセアセ
 
それから日本公開時のWebですが予告映像が本当に酷いわ・・・。
これはね、私、観に行かなかったはずだわ。これは完全に異性愛の物語のようにミスリードしてる。主人公の男子二人は女子二人とのシーンばかりで編集されているの。なぜそんなことを・・・?と思うよね。そこにもその当時にあった偏見を感じる。

 

こちらのTeaserはかなり内容に忠実なので是非ご覧になってください。

 

 

休日。予定はない。毎週観ているドラマ、今週分はすべて見終わった。

さあどうしよう。

そんなとき、友人の書き込みで楽天TVで配信されていた韓国のリアリティ番組『ボクらの恋愛シェアハウス2 Boys Love ∞』を見終わったというのを見る。

うーーーーん。面白いのかなあ・・・。

私はリアリティショーというものがなんとなく嫌いで、そして観たことがなかった。でもすでにそれはもう過去形。何故なら2か月前に遅ればせながら韓国のK-POPオーディション番組「Boys Planet」に激ハマりしてしまったからだ。あれも一種のリアリティショーでしょ?

でも、実際にこれからプロとしてユニットを組むメンバーを選抜するオーディション番組と違い、いわゆる一般人の恋愛のリアリティショーなんて、かなり好きではないジャンルだと思っていた。その理由はあとで述べる。

なにしろ休日で暇だ。友人はすごくよかったと言っている。そして第1話が無料。

まあいいか。見てみるか。

私は友人が見たという『僕らの恋愛シェアハウス2』の第1話を見てみた。

え、ヤバい・・・。これ続きがめっちゃ気になる・・・。そしてこれは「2」なのだ。調べると2022年12月公開全11話の「1」がある。そしてこれも第1話無料。すぐさまそれも見てみた。

 

見終わって友人にDMを送る。

そして楽天TVで購入し、そこからその日の夜遅くまでずっと見続けた。

前置きが長くなったが(いつものことだけど)先に言っておく。

これ絶対に観たほうがいい作品!

人間ドラマとして。

そして韓国でのLGBTをとりまく問題を考えるにあたって。

ほんとね、リアリティショー、いろいろヤバい。

だって既存のドラマには主人公がいて、その主人公が軸となって回っていくわけで、たとえどんなことが起こっても着地点は必ずあるのだもの。しかしリアリティショーには大した事件は起こらないかもしれないけれど小さな心の波立ちが十分ドラマになるし、本当に最後まで予測不可能。そして制作側はとにかくどの終わりも「え、ちょっと待って?これ続きはどうなるの?!」と思わせるような編集をしてくるよね。

この面白さはぜひ見てほしい。だから内容もここではほとんど書くつもりはないの。

ただ、私が「リアリティショーはなんか好きじゃない」と思ってたことについては書きたい。

 

まずね、これを日本で配給してるコンテンツセブンの紹介文はこんな風なの。

まるでBLドラマの主人公のようなビジュアルのキラキラした8名が、一つ屋根の下で8泊9日を共にし恋人を探す恋愛リアリティ番組。

 

推し要素しかないイケメンたちが新たな恋を求めて大集合。

 

爽やかでキュートな男性たちのシェア&マッチング生活をこっそりのぞき見してみませんか?

これってほんとBLファンに向ける惹句よね。でもBLファンである私はこういう惹句にかえって反発するし、見ないことを選択する。
でも見た後だから言うわけですが、別に「BLドラマの主人公のようなビジュアルのキラキラした8名」でもないのよ。「推し要素しかないイケメン」ではないと思うのよ。好みはあると思うけど。勿論、配信映像として露出することにOKするぐらいだから一般人としてある程度レベルは高いほうかもしれないけれど。でも大事なのはそこじゃないの。
そして私には「爽やかでキュートな男性たちのシェア&マッチング生活をこっそりのぞき見」ってね、そういうことが嫌なんじゃーーーー!!
 

リアリティ番組がなんか嫌い、と思ってた一番の理由はそこね。

ひとつはさ、物語の敗北じゃない?

脚本があって演出があって熟練のスタッフがいて、そしてどう演じるか悩みぬいて演技する俳優がいて作る1つのドラマ作品。それよりも「リアリティショー」が面白いって言ったら、それはもうコンテンツとしての敗北ではないかと思ってるの。

かといって、カメラに映るのは演技のプロではないとしても関わるスタッフがいてカメラも決して定点カメラではないとすれば、それはやはり「作られたもの」であって、もしやノンフィクションの姿を纏ったまるきりのフィクションなのかも?と思ったりもした。

しかしそれがフィクション・ノンフィクション関わらず、「のぞき見する」というような下品な愉しみ。「ね。あなたはそんなことが好きなんでしょう?」と言われているような。だから私はこれまでリアリティショーを見ないことを選択していたのよ。

ところが実際に観てみると、人間関係のあれこれってこんなことに左右されるんだなあとか、こんな小さな行動で人の心はどちらにでも動くのだなあとか、動きはすれどときめかないものにはどうやってもときめくことはないんだ・・・とか、友達と恋愛の違いって性欲が存在するかどうかなのかなとか、私が接客業のこともあっていろんなことを発見したり考えさせられたりするわけよ。それだけでも十分に面白かった。

そしてLGBTQ+に寛容ではない韓国がゲイ男性のためのマッチングコンテンツを世に出すということにすごい意義があるし啓蒙的な部分もとても感じるの。そういう意味ではこれは「のぞき見してみませんか?」という下衆な惹句で括ってはならない番組だ と思った。

 

ただそれと同時にリアリティショーの持つ危険性をとても感じたの。

最初に言っておくと、これに出演を決めた方たちの勇気は本当に素晴らしい。この出演がこの先、それぞれの仕事や現実での生活に結びつき、そして幸福な日々を送ることができることを心から祈ります。

最初に書いたように彼らは別にキラキラしたイケメンではないと思うのよ。でも見ているうちに全員に対して愛着がわいてくる。ちょっとした角度や表情にその人の持つ「イケメン」部分も感じるようになる。そしてね、その人たちの想いや恋を応援したくなるのよ。

でもそこに危険が潜んでいると思うの。

彼らは俳優でもないし、演じているわけでもなく、このコンテンツが終わればもう私たちは出会うこともない人々なのよ。でも勝手に応援して、誰かと誰かの愛情が成就してほしいと思い、それがいつしか「正義」みたいになってくる。でもそこにもうひとりの誰かが現れて、最初に視聴者が応援したCPではなく違うものになるかもしれない。その時、あとから現れた3人目を視聴者は「敵」とみなし、排除しようとか、またはその人の不幸を願ったりはしやしないか。

SNSでリアリティショーの視聴者がその出演者であった人たちに対して行う誹謗中傷の心理は、そういうことなんだろう・・・となんかわかったような気がした。リアリティショーってそういう危険性をはらんでいるんだ・・・。それは視聴者側の勝手な愛の暴走や押し付けから成っているのかもしれない。

好きすぎると他を排除したくなるのだ。好きなその相手のために、この人を残しておいてはいけないという気持ちになるのだ。恋愛リアリティショーでもイーディション番組でも、さらには普通のドラマや映画を観ていてもそういうファン心理って起きてくるのだ。怖いな・・・。

好きなものは静かに推すだけ。そこを踏み越えてはいけないのだ。

そんなことを改めて感じた。

 

それにしても観ているうちに私も彼らとの8日を共にしているような感覚になり、最後にはただ別れがたさだけが残る。大変に切ない。切ないけれども本当に彼ら全員のこの先の幸福を心から祈る。そんな気持ちになれる。

観てない方はマジでおススメです。

 

さあて。『僕らの恋愛シェアハウス2』も観ようかな!

 

 

最近ではGMMのコンサート「LOL」でも強烈な個性を発揮したJonngとDunk。

Dunkにとっては『Star in My Mind』に次ぐ2作目。キャリアのあるJoongにとってもDunkとのCPでは2作目となる今作『Hidden Agenda』はGMM製作でありながらTee監督の作品です。

 

『Star in My Mind』が始まったときはこんなブログを書きました。

 

とにかくJoongは完璧なイケメンだし、Dunkはメタクソに可愛いし。さらには『Star in My Mind』ではDaonueaの揺れる気持ちをDunkが初主演ながらもとてもうまく表現していて好感が持てました。ただ、Daonueaの兄の話に移行した『Sky in Your Heart』でのDaonueaとKluenが、幸せいっぱいはいいんですけど本当にただいちゃいちゃしてる設定でこのふたりの関係に飽きてしまったんですよ・・・。あとJoongが演じたKluenが、あまりにも感情を外に出さない設定で、実はDaonueaにベタ惚れなのにあまりにも素っ気なく、見ているうちにイライラしちゃったのよね。

それで『Hidden Agenda』もまたそんな関係性だとちょっとなあ・・・と思っていたんですよ。

しかし現在、最新のEP5を見終わった時点では、この作品に結構期待を持っています。

TELASAで配信が決定したばかりなので詳細は書きませんが、今回Joongが演じるJokeはもう少しいろいろ言葉で自分を表現しようとしているみたい。

Dunk演じるZoが大学で所属しているサークルはディベート部です。

ドラマの中には恋愛において「言葉」をあまり必要としない、というものもあります。

しかしこの作品のテーマの一つとして「言葉」があるのでは、と思います。更にタイトルの「Hidden Agenda」は「隠された意図」または「隠れた議題」という意味です。

 

Tee監督の描く人物は、結構頑固で且つナイーブな側面を持ち、そして自立的な人物です。『TharnType』のType、『Lovely Writer』のGene、『Step By Step』のPat、皆、何が原因になるかわからないところに怒りっぽさの種が潜んでいるし、BLお馴染みの「庇護されたり可愛がってもらったり」というシチュエーションを疎ましく感じ、そしてお互いの関係が常に同等であることを望む、というところに特徴があります。私はあまりに甘々のBLが好きではなく、Tee監督が描く関係性が非常に心地良いです。

『Hidden Agenda』でも現在のところ、Zoの人物設定にそんな感じを受けます。

さて彼らの関係にディベート部はどのように絡んでいくのか・・・。非常に楽しみです。

 

まずは『Hidden Agenda』Telasa配信決定おめでとうーーー!(2023年8月2日現在)

 

7月半ばからYoutubeで『Hidden Agenda』を見始めたことで、途中で視聴が止まっていた『Step By Step』をこの数日で集中的に見ました。両作品ともあの『Lovely Writer』で熱狂させてくれたTee監督作品だからです。

いろんな作品を見るたびに好きな俳優が増えるし、そのたびにその俳優のIGをフォローしては見ることが日課となる。でも私の場合はそれが長くは続かない。日々の限られた時間を何に費やすか。となると、俳優個人の写真や情報を追うことよりドラマという物語を見ることを選ぶからです。その作品選びの基準は、「好きな俳優の出演」ということもあるけれど、誰が監督をしているか、が私の場合は重要なポイントになっています。
『Hidden Agenda』はそれぞれ俳優として、そしてCPとしてのケミにおいてもポテンシャルの高さに期待が持てるJoongDunkをTee監督はどのように見せるのかにとても興味を持っています。

そして『Step by Step』はUpくんのJust Upが共同出資したことや、『Lovely Writer』に続くUpくん出演作ということもあり、始まる前からずっとその完成を楽しみにしていた作品でした。

 

そんな『Step By Step』を全部観終わった感想としては、残念ながらすごく面白かったとか印象深いとか、そういう作品にはなりませんでした、私にとっては。

何しろ『Lovely Writer』は2021年に見た多くの作品の中で少なくともBest3に入る作品でした。Tee監督のその前作である『TharnType』もタイドラマ見始めて間もない頃だったこともあり、ものすごくのめりこんだし忘れられない作品で、どうしてもそれと比べてしまうということもあります。

けれど『Step By Step』の中でとても良かったと思える部分は幾つかあり、なんというかこの作品は「なにかが惜しい」と思えるものでした。

まずは良かったところを書いていきます。

 

会社設定 ①人物について

かつてBLの面白さは、男性中心の社会・・・例えば会社、そしてヤクザ社会、または警察組織などなどを舞台として話が広げられるところにあると思っていました。ところがタイBLで描かれる会社組織には、女性CEOや重要かつ有能な女性社員が多く描かれていて、「バリバリの男性中心の組織の中のBL」という設定は随分と変わってきています。いや、あえてタイのドラマ制作側はその辺りを意識して変えてきています。そういう部分、最近の日本ドラマはどうなのでしょう・・・?(観てないのでわかんないのですが)

『Step By Step』では、男性だからこうで女性だからこうだ、という単純な形ではなく、様々な社員の姿を男女問わず描いているところに好感が持てました。

メインであるデジタルマーケティング部の中では

●噂好きの古株女性社員

●古株女性にすぐ迎合する噂好きの女性社員

●プレゼン資料作成のアドバイザーなどを務める、必要以上に群れることはないが折衝能力の高い女性社員

●セクハラをする男性社員

●特に実力もやる気もないふんわりした男性上司

●特に群れることはないが折衝能力を買われている男性社員

●ゲイであり上司と部下の間を繋ぐ男性社員

・・・などなどいろんな人が描かれている上に、さらに外部のクリエイター組織、俳優などなどいろいろな立場のいろいろな人物を丁寧に描こうとしているところが興味深かったです。

 

ダウンAeとBeamに部署の写真について愚痴るPat。そしてJengとの出会い。

(EP1 High Light)

 

会社設定 ②仕事について

多くのビジネスマン設定のBLドラマでは仕事に関することは出てきますが、だいたいがそれは恋愛関係を描くためのツールである場合が多いです。親密な関係を描くための残業や出張、吊り橋効果的心理状況を描くための仕事における困難とその克服・・・など。仕事に関する細部はリアリティからはかけ離れている部分が多いです。キャラ立ちしてるが何をやってるのかよくわからない少人数の同僚たちと、恋愛を描くための添え物程度の描かれ方の仕事。

そういうものが多い中で『Step By Step』では仕事に関する比重が高かった点は他の作品と一線を画しています。「仕事も恋愛もそれぞれ大切な人生の一部」として描こうとしていることにとても好感が持てました。

●会社とその中の人間関係はどうあるのが好ましいか。

●会社の中における自分の部署の立ち位置。

●その部署内におけるそれぞれの社員の立ち位置。

●クライアント側に対するプレゼンテーション、取引先との共同作業。

●仕事は人生の大きな部分を占めるけれど、それだけでは個人のライフ・クオリティが下がってしまうと、「クオリティ・オブ・ライフ」についてもたびたび言及。

●上司と社員の関係性。

こういったことを丁寧に描こうとしています。人間関係は古くからの付き合いのものはあれど、結局はそれが後々仕事に繋がっていくところも、とてもリアエリティある描き方だと感じます。

 

『Step By Step』の会社設定、部署はデジタルマーケティング部。

この時代において興味深い部署です。それと関連するように昨今のSNSの問題も盛り込まれて行っています。ただ「デジタルマーケティング」に関しては、その情報の収集や整理・分析についてはドラマの中ではそれほど印象的には描かれず、どちらかといえばそのアウトプット―ーークライアントへのプレゼンとか、マーケティングによって得た結果でオンライン広告を制作することにフォーカスを置かれていたように思いました。欲張りすぎかもしれませんが、私たちが普段当たり前に使用しているスマホやPCから情報を得ながら、どこかに情報を渡している、このブラックボックス的な部分も「デジタルマーケティング」という設定を活かして描かれてたらいいなーとちょっと思いました。

 

3人

「絶対的ふたり」という関係性を重視しがちな恋愛ドラマ。多くのBLもそうです。

幼馴染設定。運命のふたり。出会うべきだったふたり。そして一生を添い遂げることを約束するふたり。

私などはそこにうっとりするよりもちょっと窮屈さを感じてしまうのです。

そんな中、『Step By Step』では「3人」という関係を描いています。

メインは会社CEOの長男であり、現在はデジタルマーケティング部部長であるJengと、そこにインターンとして入社し、新入社員となって頭角を現すPatふたりの物語です。しかしそこにそれぞれの「過去の恋人」の物語が絡んできます。Jengの元彼は僅かなシーンですが、アドバイスをくれる良き友人としてちらりと登場します。そしてPatの元彼でUpくん演じるPutの存在の仕方は非常に興味深いものがありました。

下矢印

(ここから先はネタバレです)

PatとPutはすでに別れています。どうやらPutがPatを傷つけたうえで去っていったようです。しかしPutはPatとよりを戻そうとしている上に、Patはオンライン広告制作のチーフとして、そしてPutはその広告映像の出演者として出会うことになります。最初はそのPutを強く拒否するPatですが、なんとPatはPutと一度、よりを戻すんですよ。

あんなに素敵なJengが、物語の最初からずっとPatを見守り、陰ながら支え、そして精神的に幼なさを抱える新入社員への恋に身悶えするほど(でも上品さは損なわず)苦しんでいるのに、PatはPutとよりを戻し、かつてのようなラブい関係になるのです。ところがふとキスのときに「コレジャナイ・・・」感が沸き上がり、今度はPatから別れを告げるわけです。

しかしPutは永遠にPatの前から消えるわけではありません。物語の最後、PatがJengの元に向かうための最後の一推しをしたのはPutの言葉でした。

決して「元カレ」がふたりの恋愛の物語の当て馬ではなく描かれているところが良いです。だって、今の恋が「それが最初の恋」であることは少ないわけでしょう?いろんな人に出会っていくわけですし、ひとつの関係が終わったからと言ってすべてが白紙になってリセットされるわけではないのですから。

 

ダウン他作品では多分、あまり描かれない、元彼ともう一度よりを戻してまたラブい感じになるシーン

(EP7 High Light)

 

象徴的な「3人」は他にあと2つありました。

 

まずはPatのお姉さん的存在のAe(大学での先輩、みたいな関係だったのかしら?)、Aeと付き合っている映像制作をしているKanun、そして彼らの友達のBeam。

AeとKanonは同棲しているし、そしてAeは妊娠します。そのAeにBeamは産婦人科に付き添うし、Aeの生活の中にBeamの存在はとても近いのです。そして結局、BeamはAeのことを好きだと告白します。しかし彼がその告白するよりもずっと前から気持ちに気付いていて、受け止めたままで友達として一緒にいるAe。決して「ふたり」を選ぶことで好意を持つ他の人を排除せず、最適な距離と関係性を探し続けることをさりげなく描いているところは、この作品のとても大きな部分ではないのですが、いくつかのとても素敵なシーンとなっています。

 

そしてJengの弟Jaabと、Jaabが恋していたJaabの同僚のJenです。

JaabはJenへの気持ちをあまり隠していませんでした。しかしJenには最初からMonという彼がいる、という設定です。Monはほとんど登場しませんが、どうやら優しくていい感じの男です。Monという彼を持つJenとJaab。最初はその3人という関係性ですが、Jenが何故かMonと別れ、そして大きな仕事を終えた夜、JenはJaabとキスします。これでふたりの関係が始まるかと思いきや、彼らの関係はいきなりギクシャクしてしまうのです。(キスのあとで過剰にギクシャクするのはTee監督の得意なパターン?!)

結局、JenはJaabから去り、JaabはJenへの思いが立ちきれないままなのですが、別の男の子と付き合い始めるのです。

ダウン作中、もっともエモくてそして切ないキスシーン

(EP5 High Light)

 

 

Tee監督はそれぞれの恋愛を含めた関係を、幾つかのパターンでリアリティを持って描こうとしているように感じました。

人が、ひとりの人を選ぶためにその過去も、周囲の人もすべてが消えてなくなるわけではありません。2もあるけれども、3もある。3のなかの2もある。5もある。9もある。

世界はそんな風に広がっているものだということを描いていることに私はとても好感が持てました。

 

キャストの魅力

『Step By Step』の魅力の大きな部分となったのは、主演Jengを演じた Man Trisanu Soranun でしょう。現在32歳です。主演はまだこれが2本目のようです。しかし品があり堂々としたオーラがあり優しさを兼ね備えたManの抜擢はこの作品にとって最も重要なことだったように思います。

 

 

『Lovely Writer』でお馴染みとなった俳優が多数出演しているのも魅力でした。また若手でこの作品でデビューとなったBen(Pat役)やSaint(Jaab役)にもこれからを期待したいと思います。

 

ではここから「ここがこうだったらなあ・・・と思った点を書きます

そんなわけで『Step By Step』には他作品にはないいい部分が幾つもあって、異色のBL作品になりえるはずだった・・・と思うのですが・・・。
一番の問題は、脚本力だったのではと思います。
原作を知らないのですが、もしかしたら結構分量のある原作だったか、それとももしかしたら幾つかの作品を合体させたのか・・・。
まずはサブCP、JaabとJaneですが、完全にJaneが姿を消してしまったのは、もしかしたら製作上の問題ではないでしょうか?Jaabが一方的にJaneに恋をしていたはずなのに、キスしたことで関係は破綻し、お互いに気持ちを残しながらJaneは去り、Jaabは彼を追うもののすでにタイにはいないって・・・。これで彼らのスピンオフがあるなら納得ですが、このままでは非常にモヤモヤが残りますよ・・・。
そして一番は、主役のPatがナイーブ過ぎ問題ですよ・・・。
彼がナイーブなのは親子の確執も理由があったと思われます。しかし彼の両親がちゃんと登場している割にはその描かれ方が不十分な気がします。Patが不安になりやすい部分、感情をコントロールできない部分はどうやら家庭の不和から来るものだと想像は出来ますが、その辺りの描写に深みが感じられませんでした。
それから、この作品が「仕事と人間関係」という部分でリアリティを追求しようとしているのはわかるのですが、才能はあれどこれほどナイーブな新入社員Patに、十分な大人であるPutもJengも何故ここまで惹かれ、執着するのかがちょっとわからない感じです。Patがかなり幼い人物として設定されているところに、この作品への没入感が削がれました。

Jengの大人の魅力に対してPatの一生懸命さと未熟さを配置したのかもしれませんが、未熟なところにノリきれなさを感じてしまったのです。

 

オーナメントオーナメントオーナメント

Tee監督は去年公開の作品『Something in My Room』がTELASAで配信になりましたし、最新作『Hidden Agenda』の配信もスタート。さらには今月半ばに『I Feel You Linger in The Air』も始まります。

いろんな作品を見ることで監督色もよくわかっていくため、どれもとても楽しみです。

今池TOKUZOさんは1998年にオープンしている。うちの店にとっては3年先輩です。しかし様々において「3年先輩」どころではない、大大大先輩なのである。

オープン当初はよく武田も出演させていただいてた。私たちの店の10周年・15周年・20周年ライブもTokuzoさんで行うことができた。

そして時折、声をかけていただいて、Tokuzoさんで行われるライブの紹介記事や、または行ったライブのレビュー原稿を書いたりしている。「え、このライブについて書くのは私でいいの?」と思うことは多々ある。でもいつもとても有難いと思って書かせていただいてる。だって楽しいじゃないですか。好きなライブについての紹介を書いたり、感動したライブについて書き綴ったり。

先日もPick Up原稿を1つ書いたのですが、『なんかわたし、少ない語彙力でいつもおんなじことを書いてばかりいるんじゃないの・・・?』と心配になり、過去に書いたものを自分のメールとか、またはいろいろ検索して掘り起こしてみました。そうかー、最初に書いたのは2002年?いや確かそれ以前に藤井郷子オーケストラのレビューを書いたのが最初だったと思います。

ざっくり拾ったものの、途中数年間が消えていますが、探せる分だけ過去に書いたものを集めてみました。すべてTokuzoマンスリーの250字のPick Up原稿か、550字のレビュー原稿です。いつも、ついついその2倍ぐらい書いてしまうんです。そしてあとから一生懸命削っていくのですけど、好きなものについてはついつい言葉を連ねてしまいたくなりますよね。本当に毎回、文字数との戦いです。

2023年6月までの原稿をアップしてみました。

 

2002年1月14日

藤井郷子カルテット

(Pick Up原稿)

 

国内外から高く評価を受けた2001年発売「Valcan」から約2年。
2nd「Minerva」発売記念ツアーとして登場する藤井郷子カルテッ ト。
藤井郷子(p)田村夏樹(tp)早川岳晴(b)吉田達也(ds)という、名前を聞いただけでも早や心躍るメンバーだ。藤井郷子による「即興と作曲」の実験を更におしすすめた形とも言える。
「ルインズ」の吉田達也のドラムが重く激しいビートを叩き出す。うねる早川岳晴のベース。吹くたびに空気をガラリと変える鋭い表現力を持つ田村夏樹のトランペット。そして静と動をコントロールしていく、繊細さと大胆さを備え持つ藤井郷子。強烈なリズムと音が混沌の闇の中でうねり、美しくも激しい一夜となることだろう。

 

2003年10月

HEX+1

(Pick Up原稿)

1976年に「ニュージャズシンジケート」に参加して以来、本格的にフリージャズ・ドラマーとして活動を始めた高木幹晴。2002年にリリースした坂本昌己(p)加藤崇之(g)是安則克(b)とのカルテットによるCD「溺愛」では、高木幹晴のアーティスティックで繊細な面がよく反映されている。さて「HEX」は臼井康弘(g)鈴木茂流(b)とのトリオであり、「+1」として武田信吾(as)も参加。その方向性は未だ模索途中に思われる。そこに今回切り込んでいくのは、サックスの大御所、林栄一!どんなライブになるのか、これを書きながらも全く想像がつかないです。 

 

2004年

Emergency!

(Review・のちに加筆)

 

芳垣作曲の醍醐味を見せる「re-boptism」を幕開けに、壮絶なまでに美しいローランド・カークの「溢れ出る涙」、すごい「Sing、Sing、Sing」、存分に泣かせるバカラックの「The Look of Love」、アンコールにはこんなに凄くてかっこよくて笑えるの、聴いたことがないという「Mack The Knife」。
様々な活動を続けるドラマー、芳垣安洋による新ユニット、「Emergency!」。このバンドにおける芳垣氏の「Jazz」の3原則は「Swing」「男気」「サイケ」だそうである。
水谷浩章のベースは「Swing」だった。その確かなリズムの上でとびきり楽しそうに音を叩き付け、遊ばせる、メリハリ効いた芳垣の姿は、まさに男気が溢れてる。そして両翼に構える、異なった温度差のギタリスト、斎藤良一と大友良英の音は「サイケ」だった。音がハレーションを起こしながらも、どこか計算づくのような研ぎすまされ方をしている。
しかしだ。かつて私の中では「Jazz」「Swing」「サイケ」という言葉は、何がしかのイメージを伴って自分の中できちんと腑に落ちたものとなっていた筈だった。ところが、この「Emergency!」のライブに触れた途端、その言葉の意味するものが、もはやわからなくなってしまった。「インフォームド・コンセンサス」だとか「リスペクトしてリコメンディッドする」という言葉同様、輪郭がぼやけ、色だけがあって形が見えない言葉と化してしまったのである。だから私は語る言葉をなくしてしまった。
ただ一つ言えるのは、Jazzにこだわる人、好きな人、演っている人には、すべからくこの場で共に聴いて欲しいと切実に感じたことである。「Emergency!」がJazzの地平線に燦然と現れた、一つの巨大な地点であると思ったからだ。
「Jazz」が生まれた時、初めてそれを聞いた人はぶったまげたかもしれない。そして今、私も「Emergency!」のライブで、多分それと同じようなぶったまげ方をしてしまった。空いた口は塞がらず、目から鱗。言葉を失ったまま、身は新たなJazzの胎動に激しく捩れてしまったのだ。

 

 

2004年

Vincent Atmics

(Pick Up原稿)

芳垣安洋が99年に結成したバンド「vincent atmicus」。
一般的にドラマーはバンドの後ろにいる。しかも芳垣さんは多くのバンドに属し、ジャンル問わずものすごくいろんなミュージシャンと共演してる。そうやって後ろから全てを見てるヒトが「コノ人とコノ人とやりたい」と言ってピックアップしたら、そのメンバーはおのずと最強のモノになりません?まさにこれは最強メンバーによる奇妙な構成の最強バンド。楽しくって、そしてあまりにも贅沢な夜になりそうです。

 

2014年9月13日

COBRA名古屋作戦 小埜涼子部隊

(Pick Up原稿)

COBRAはジョン・ゾーンが考案したゲーム性を持った即興スタイル。プロンプターは巻上公一。そして今回のCOBRAは小埜涼子部隊!おお、こう書くだけでぞわぞわするわ!小埜涼子は、名古屋から世界に発信することの出来る表現者の一人です。彼女の関わるバンドも彼女の生み出す最初の一音も、どこか劇的で、音から発せられる彼女の意思と発想はいつも企みめいていて、客席で私はいつもドキドキしてる。その彼女の選抜による女性だけで結成されたCOBRA、小埜涼子部隊。ゆるふわじゃない。癒されない。美しく巻いたとぐろをほどいて立ち上がる雌コブラ。覚悟めされよ、シャーーー!!

 

 

 

2016年6月13日

マタハリ・オールスターズ

(Pick Up原稿)

cafeロジウラのマタハリは今年7月20日で15周年を迎えます。しかし私たちの体感からすると開店したのも「ほんのちょっと前」な感じです。マタハリを作るとき、「何かを選ぶときは好きかどうかを基準にしよう」と決めました。今もそれは変わりません。そうやって5年前に生まれたのが「マタハリ・オールスターズ」でした。10周年記念として一夜限りの宿命のバンドが今現在も楽しく続いているのも不思議なご縁。でら凄い演奏を堪能しながらゆるゆる続く私共の店に思いを馳せていただければ幸いです。

 

 

2018年6月11日

高円寺百景・ryorchestra

(review)

実を言うと私はプログレを体系的に聞いたことがないのです。多分あの日得三に来てた人はみんなデフォルトで聞いてるに違いないMAGMAも聞いたことないんです。そんな私がここでレヴューなんて書いてもいいのかしら。ただどうやら昔からこの曲めっちゃ好きとか思うものがプログレと呼ばれるものだったりするみたい。ryorchestraも高円寺百景も初めて聞いたその瞬間から「うわ最高!めっちゃ好きっ!」って思ったんですよね。

名古屋が誇る才女・小埜涼子率いる ryorchestraはバンドとしての熟成を感じました。

圧巻のボーカリストAHちゃんに知的な小森慶子のサックス、 疾走感が鬼!な吉田達也のドラムの高円寺百景。

どちらのバンドもホントもうどうなっちゃってるの?!楽譜はどんな風でどうやってこの難解なリズムとメロディを演奏し、そしてどうやってこの謎の言語を覚え、ユニゾンで歌っちゃえるの?!そして何より、この絶え間ない変拍子が、複雑なメロディが私の中に絶え間なく快感を弾けさせるのは何故なの?! そんな「?!」が脳の底のほうにあるんだけどもそれ以上に音楽に幻惑されていきました。高円寺百景のアンコールでは客席みんなで歌って面白かったなあ。「トーヴェロイ!」って。

 

2019年4月22日

こまっちゃクレズマ

(Pick Up原稿)

こまっちゃの新アルバム『こまドラド』。一足お先に聞いております。始まってすぐ、何故か泣いてしまいました。今回のアルバムには長い音楽生活を経た彼らの、聴いてる私の、生きている哀しみを帯びているように感じます。いったいどれだけの 哀しみを乗り越えてきたのだろう。生きていく中である、とても哀しいこと。そのそばにある嬉しいことや楽しいこと。それを抱えてどこまでも進む今の姿がぜんぶ音楽になっているようです。さあ、みんなでこまっちゃの音楽をライブで聴こう! CDも買おう!

 

2019年10月1日

パスカルズ

(Pick Up原稿)

『凪のお暇』、スゲー良かったですね。この夏はこのドラマだけで満足だった。脚本・演出・役者、最高ッ!そして音楽がパスカルズ!ドラマ見ながら坂本弘道のノコギリだ、ロケットマツのピアニカだ、石川浩司のパーカッションだといろいろ耳が嬉しくなる。映画ファンならパスカルズが大宣彦監督作品に参加していたこともご存知のはず。『この空の花』では登場と共に泣いたわ。知久寿焼、大竹サラなど総勢14名。ひとりひとりがキラキラしていて全方向に自由なバンド、パスカルズ。得三4年半ぶり、多分満席、急げ予約!

 

 

2020年11月30日

大友良英 玉手箱Live at Tokuzo VOL.1

(review)

ギターとターンテーブルによる大友良英ソロ。ここは「Reveiw」という場所なので、大友さんの作る音楽の歴史や表現方法、更には技巧とか思想とか、そういうことを書けたらいい、というか私が知りたい。いやそうではなく、一番知りたいことは「音」は何故、どうやって、こんなに感情を揺さぶるのかということだ。
きっと答えがあるはず。そうじゃなければどうしていつも、私はこんなに泣いてしまうのだ?音を聴くことで脳内に言葉や物語が生まれたり記憶を呼び起こしているわけではない。ただダイレクトにその音が脳に触れる。意識的な部分を通過せず突然胸が詰まって涙が流れだす。私にはそういう演奏が幾つかあり、大友さんのライブではいつもそう。
ターンテーブルでの演奏で、重ねられるひび割れた音が脳の中のどこかに触れ、瞬時に化学反応を起こしている。演奏のあと、「どうしてですか?」と大友さんに聞いた。くだらない質問をしたものだ。どうして、ではないし、誰にも答えられない。
荒野の中に鳴り響く音のなかに立ち尽くし、今日も私は泣きながら、どこかに答えがあるのではないかと思ってずっと探している。

 

2021年7月18日

ロジウラのマタハリ20周年スペシャルライブ 藤井郷子オーケストラ

(Pick Up原稿)

 

名古屋駅西の小さなカフェ、ロジウラのマタハリは今年で20周年。と同時に老朽化の立ち退きのためなんと今年9月末で閉店ですよ!20年あっという間。人生の転機のひとつがちょうど20年前に店主・武田信吾が藤井郷子オーケストラ名古屋に参加したこと。そこで出会った人々や音楽はかけがえのないものでした。 世界各地に自身のビッグバンドを持ち世界的評価の高い藤井オケ。その名古屋バージョン総勢16名&ゲスト壷井彰久(vl)。藤井さんがマタハリのために書きおろした交響曲は必聴。この夜をぜひ共にお過ごしください。

 

2022年4月21日

白崎映美・坂本弘道還暦ライブ

「還120藝」

(review)

 

60辺りまでくれば折り返しはとうに過ぎ、残りはさほど多くはない私の人生。その中できっと何度も思い出しては誰かに語りたいと思うものにこのライブはなるだろう。終演後にそう思った。開演前、あらゆる場所に散らばり廻る光の粒を目で追いながら抱いていた期待をはるかに上回っていた。
坂本弘道さんのエモーショナルなチェロや、白崎映美さんの心の奥底に刺さる歌、更にダンサーのパフォーマンスが素晴らしくこれだけでも最高なのに、このライブを一生忘れえぬものにしたのは、古くから少年王者舘に関わる浜嶋将裕さんの映像だった。映像は至る所に投影され、観客の髪も背中もスクリーンになる。きっと私の背中もそうなのだろう。全てがこのライブを構成する背景としてステージの前に沈み込む。さらに「同ポジション」と呼ばれる映像演出。『蛇のアンクレット』という曲で、歌う白崎さんやダンサーの後ろに、数時間前に同じ場所で撮影した彼らの映像が重なり映し出される。あれは記憶の中の世界か。永遠に廻り続ける過去なのか。もしかしたら生は、死を伴なうことで永遠になるのかーー。 
この日のテーマは坂本さん・白崎さんの「還暦」。時は一巡り。確かに私たちの生は一回限りの潔さ。なのにこうして時折、永遠を視るのだ何故か。

 

2022年11月29日

猛烈トリオ

(Pick Up原稿)

昨年は往年のロックを鬼怒無月・江藤良人とでガンガン演奏する「Play Rock!!」と、「Creamトリビュート」でTOKUZOに登場したベーシスト佐藤研二。いいねえ!年々好きなことをどんどんやっちゃってる感、同年代としてすごくわかる!!! 
猛烈トリオはジャズファンお馴染み、田中邦和と江藤良人、そして佐藤研二のトリオ。今回もCreamのJack Bruceの曲中心に猛烈に振り切れたパワーで弾きまくり吹きまくり叩きまくりか?「ウギャーーッ、どスゴイでかんわーー!!」と目を血走らせて叫ぶしかない!
 

2023年6月29日

ERA

(Pick Up原稿)

鬼怒無月・壷井彰久の超絶DUO、ERAが久々に得三に!
すみませーん約20年近く名古屋でのERAのライブは名古屋駅西にあったマタハリというちっこいカフェが独占しておったのです。ふたりの演奏が佳境に入ると10坪足らずの店になにやらすごいものが渦巻いて高く突き抜けるのが目に見えるようでしてね、それはもう音のハリケーンですよ。ほんとは私も思ってたわけです。この音楽をもっと広い場所で走らせたいと。きっとこの日はそれが聴ける。駆け抜ける音に身を任せて聴いてください。私の大好きなERAを。

オーナメントオーナメント
また後日追加しますー。

もうすぐ、LOLのRerun期限が切れる・・・。

今、最後に残った時間でざっと振り返りながら観ているところ。

オープニングシーン。良かったなあ・・・。

こういうのを見るといつか絶対にGMMのこういうコンサート、インパクトアリーナでね、絶対絶対観たいッ!って思うよね。

全員でのオープニング曲のあと、FirstKhaotung。2曲目にBillkinの「Always」。

どっちが先に泣きだしたんだろう。かおたんの頬には大粒の涙が伝ってる。Firstの顔も泣きそうになるのをこらえている。この人たちはずっと親友で、Eclipsで共演を果たし、その後もMoonlight Chicken、Our Skyy2、そしてOnly Friendも控えてて、今や立派なGMMが誇るCPのひとつになっている、なのにどうしていつも一緒に同じステージに立っているだけで、ふたり見つめあって泣いてしまうの? 世界にはふたりきりしかいないような顔で。何度観てもわたしも泣いてしまう。

JimmySea、そしてJoongDunk。JoongDunkの「Dum Dum」、私にはこのLOLの最優秀パフォーマンスだった!ふたりのポテンシャルはまだ天井知らず。これからがめっちゃ楽しみなふたりだわ。

EarthMixは、なんだろね、1日目も2日目も、1曲目の最後の最後、リフトされていく台の上でうっとりとふたり寄り添って・・・というはずなのに、何故か笑いだしてしまう二人。なんなの?地のあすみくを見ているよう。

 

JimmySea+ForceBookの「Can't Help」、そしてGeminiFourth+OhmNanonの「Cinderella」があり、そしてPondPhuwin。

子役から活躍してて、語学堪能でピアノも弾けるし頭もいい若きプリンスPhuwinですが、最近Pondの良さが爆上がりな気がしてる。なんだろなあ、すごく余裕を感じる。努力に裏打ちされた余裕かもしれないけれど、努力が本人からぎうぎうに感じるようなPhuwinに比べて、最近のPondは本当に見ていて気持ちいいような余裕っぷり。ダンスをかなり特訓してて踊る姿がめちゃかっこいいPondがルークトゥンを踊ってるときの「地元のヤンキー感」、その落差もすごくいい!

それからスパダリぶりがかなりかっこいいForceとかなり可愛いBookふたりが揃うととてもコミカルな演技が似合うのもとてもよくて、そんな彼らが歌い踊るルークトゥン「มาทำไม」もとても好き。しかしきっとふたりが現在得意としてるコミカルな演技とは真逆になりそうな次回作『Only Friend』が楽しみで仕方ない。

そしてGeminiFourth。歌もステージングもすごくいい!2曲目に4EVEの「Test Me」、かっこよく決めると思いきや後半にいきなりルークトゥン風味に!

そして最後にOhmNanon。

年齢はJimmySeaやEarthのほうが上だけど、芸能界のキャリアとしてはOhmとNanonは十分に長く貫禄さえ感じる。けれど私はこのLOLで『ここはまさしくターニングポイントなのかも・・・』という感覚だった。今回のLOLに出演しているのは、今最も旬で、ポテンシャルが高く、この先を期待されるCPばかりってことだ。CPで活躍することで個人の良さがより引き出される最高のケミを持つ彼ら。しかしOhmNanonだけは、お互いが「Bad Buddy」からの脱却を図っているようにしか思えなかった。CPでの活動に固定されるよりももっと個人の活動の幅を広げることに専念したがっているように感じる。

 

さてさてCPは分解されていろんな組み合わせで見せる後半。PhuwinDunkForceJimmyがLyknの「May I?」を歌うのがかっこよかった。そしてEarthOhmForcePondによるPP Kritの曲「Fire Boy」。チラリズムに始まり最後はそれぞれの見事に鍛えて作り上げた肉体を誇示するという演出!これ、リアタイでみんなで観てた時も「キャーーッ!!」って悲鳴上がってました!

それが終わってのPhuwinとGeminiのピアノ競演も美しかった・・・!

そして続くのはMixFirstBookFourthによるルークトゥン。不思議だよねえ。こういうルークトゥンになるとめっちゃみんな生き生きして見える。若いFourthが不思議なことに似合うんだよね。

ラップとダンスがかっこよかったのは4EVEの「Booty Bomb」をPondJoongGeminiで歌ったもの。特にPondのダンスのキレの良さがとてもいいわ。

 

8人で歌うBlightの「My Ecstacy」、楽曲が良くてすごく好き。

 

とそうこうしていたら、Rerunもいよいよ残り数分に!

最後は何で〆る?勿論、JoongDunkの「DumDum」でしょう?

ということで残りをこのパフォーマンスを2回連続で観たところでタイムアウトしました。

 

ちなみに、全部ではありませんが、LOLで使用した楽曲をプレイリストにまとめました。

 

 

ほんと選曲がいいよね。

最近の私は3か月遅れで韓国のサバイバルオーディション番組「Boys Planet」にハマってるの。だからこのLOL観ててもついつい「ボイプラに出たとしたら、スターレベルで★1つだよなあ・・・」と思ってしまうわけ。ボイプラは、歌もダンスもパフォーマンスもかなりできないと★4つのオールスターは貰えなかったのよ。そういう意味ではLOLの彼らの歌もダンスもレベルが高いとは言えない。のだけれど、なんだろうなあ、この魅力は。この選曲も、演出も、そして彼らそれぞれの見せ方も。

Day1、Day2とも、めっちゃ堪能しました。

ああ、タイで、味わいたいね!!

 

大事なことは先に書かねば。

オーナメント みんなー!ビウの1st Solo Concertのライブビューイングチケットは6月13日まで買えますからねーー!

ということで、そのライブストリーミングを観た感想を書きまーす。

 

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今年の1月28日だったね・・・。Build JakapanがBOC退社する旨を発表したのは。あのときの硬い表情、思い出すだけで胸が痛いです。

裁判は長くかかると言われていたけれど、4月にビウが新しくIGのアカウントを作り、そして「Build is Back」というハッシュタグ、そして2023年6月4日、ビウの誕生日の日に戻ってくると投稿しました。

コンサートなのか。小さな規模のファンミなのか。よくわからなかったけど嬉しかったなあ・・・。

そしてチケットメジャーでチケット発売になり、遅れてLive streamingチケットも販売となり、更には6月4日が近付くにつれてこんな煽情的な写真もアップされました。

 

6月4日当日は仕事のため私はリアタイ出来なかったし、家に帰ってからもなるべく情報を入れたくなかったのであまり観ないようにして、そして仕事休みの6月6日にやっと観ました。勿論、多少のことは耳には入ってる。でもネットで誰かの言説をどんどんと深掘りするよりも、まずは自分が見て、それで何を感じるかが大切だと思っているので、なるべくは事前情報とか誰かの感情には触れないようにし、更にはSNSの言説にコメントしないことを信条としています。

ということでここからはライブのざっくりとした記録と感想です。これから見る人は、また見たあとでここに戻って来てくださいね。

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ちなみにYoutubeを漁ればファンカメの映像も上がってるのではと思いますが、こちらではビウが歌ってる曲の原曲の映像をアップしておきます。

 

1曲目が「KinnPorsche World Tour」のときにも踊ってた 「몸매 (MOMMAE)」というエロい曲でアガりましたー!嬉しいーー!ビウのこの曲でのダンスがまた見れるなんてー!

 

2曲目もダンスパフォーマンスで「BTBT」という曲。

 

きっとこの2曲はビウの好きなK-POPのダンスナンバーなんでしょうね。

転換のためにビウのインタビューメッセージが開場に流れます。彼の音楽経歴や、なぜ笑顔でいるのかとか、将来の夢はとか。

そして、3曲目のパフォーマンス。ビウによるコンテンポラリーダンス。

「No Time To Die」

これはね、絶対に観なくてはいけませんよ!ライブで使用されているのはBilly Eilishのバージョンではなく男性によるカヴァーです。でもユニヴァーサルミュージックジャパンのWEBに歌詞と和約が掲載されているので見てくださいー。もうね、まんまビウの、この冬から春にかけての酷すぎる状況と心情が表現されています。そしてステージでは、ビウががんじがらめになり、翻弄され、思いのままに行かずにもがき苦しんでいた「あの時」をダンスで表現しています。でも彼を待っていたファンに支えられて再び立ち上がっていくまでを演じています。何度見ても泣いてしまうわー・・・。1度見た視聴時間の残りを全部この曲のリピにあててもいいぐらい・・・。歌詞はこちらをご覧ください。

 

もうここまでで殆どやり切った!って感じよ。でも全然、まだ序盤。

次はビウが自分の心情を表している、と言ってこの曲を。

ちなみにこの曲はJoji「Slow Dancing in The Dark」。とてもいい曲です。2019年のStars On Iceのエキシビジョンでヴィンセント・チョウがこの曲でパフォーマンスしています。

こちらは和訳付きの動画をアップしておきます。ビウの心情・・・。

 

ギターが出てきてビウの弾き語りに。曲は「I Love You 3000」。観客席から歓声が上がります。有名なのかな?可愛くて素敵な曲です。しかし、この辺りからそろそろビウの歌唱力の拙さが表れるのだーーアセアセ

 

この後、ビウの敬愛するサックス奏者の方とのサックスプレイのコーナーになります。1回目の視聴では最初から最後まで観たのですが、メモを取りつつ観た残りの視聴時間では全部観返すには足りず、このサックスのシーンは飛ばしてしまいましたアセアセ よって曲名などはわかりません。

 

さて次はタイの大衆音楽ルークトゥンです。「KinnPorsche」コンサートでもビウやアポが披露したものです。

ちょっとKinnPorscheコンサートの「VegasPeteの赤い部屋」を彷彿とさせるような赤い牢屋のような映像を背景にしてバイクで登場するビウ。このバイクも型は全く違えどもVegasを想像してしまうんですよね・・・。そんな演出でอย่าปล่อยให้เธอลอยนวล (Ya Ploi Hai Khun Loy Nuan)」という曲を歌うビウ。

いやー、タイ俳優のコンサート観てるとこういうルークトゥンに触れる機会も増え、そしてだんだん好きになってきちゃいますねえ。

そして早変わり衣裳でキラッキラに変身したビウとダンサーが、やはり「KinnPorsche World Tour」でも披露したรักคุณยิ่งกว่าใคร(Ruk Khun Ying Kwa Krai」です!この2曲、歌ってる人は一緒なんですね。いやー楽しい楽しい!

 

さて一旦ビウは後ろに入り、その間このコンサートのためのリハーサル風景に。そしてその後、客席後ろから歌いつつ花を配りながら登場。そして再びステージに。

そしてすべての曲は自分で選びましたというMCと共にDaniel Caesar&H.E.R「Best Part」という歌を歌います。ちなみに今回のコンサートでは、ビウはインターファンを意識して英語もかなり使いながらMCをしてくれます。有難いー。映像ではビウの話す内容を英語に翻訳したものを字幕としてアップしてくれるのですが、明らかに字幕の情報量が実際に話すスピードに間に合わないのが辛いんですけど、合間合間に英語を挟んでくれると随分とMC部分が理解しやすいです。

この曲も本当にいい曲ですね。

ビウくんの歌はヤバいけど(笑)選曲はいいぞ。

 

バンドのドラマーが女性で「おや?」と思いました。ミュージシャンのクレジットがどこにもないので確認しようがないのですが、女性ドラマーと言うと、BillkinPPの日本でのライブのときやKinnPorsche World Tourの時も赤い髪の女性ドラマーが。同一人物かなあ?そしてギターの音色とかプレイがBillkinPPの曲でこういうギターあったよなあって感じの音なんですけどどうなのかしら。バックのミュージシャンで情報分かる方がいたら教えてください―。

 

そして「このコンサートの準備でどこにも行けなかったけど、どこかに一緒に行こう。海はどう?」と言ってこの曲を。 Morvasu Ft. TangBadVoiceMelbourne」

TangBadVoiceという人はBillkinと一緒に歌ってた人だ!これもいい曲だわー。歌は今一つだけどラップ部分は良いのがさすが俳優よね。ただ初めてのソロコンで結構喉が辛そう・・・。

なんとびっくりすることに、途中でビウがステージ下に降りて、タイ語が話せる中国の女の子を連れてステージに。猫耳つけた可愛い女の子!

そのあとはHIPHOPのステージに。ラップのパフォーマーも登場。

UrboyTJのวายร้าย ( Villain ) という曲です。

 

・・・さてそろそろ私の視聴時間も2回目にしてそろそろヤバくなってきたため、少し飛ばしました。ラップ曲があと少しあったと思うのですが、個人的には再度ビウの最後のメッセージを観たくて残り少しを飛ばしてしまいました。

 

さて、このあといよいよコンサートが終盤に。

自分にとってのこれからの予定、の話になりました。英字幕を目で追っているのですが、訳されるより前にビウから聞こえた「4Minutes」という単語にハッとしました。勿論、一斉に観客も歓声を挙げています。しかし・・・。そのあとに続いた言葉は、私たちがビウの「Build is Back」を目にしたときに抱いた希望とは違うものでした。

英語になっている部分が実際に話している部分よりも少ないし飛び飛びなので、これだけでは不正確です。きっとタイ語話者がすべてを英訳したものがネットに上がっていると思うので、それを見つけて読んだ方がビウの気持ちが正確に表現されていると思います。このストリーミングの英訳では、

『僕は何処にも行かないし、約束は守る』と以前に言った。僕の決定を尊重したい。今の状況に満足している。僕はまだ他のキャラクターになる準備が出来ていない。毎日が幸せであり悲しくはない。どうか僕を待っていてほしい。

という内容でした。

私は、ビウが「Please wait for me」というならいつまでも待つ所存ですし、希望もわざわざ捨てようとは思いません。そして今の彼のミッションは、彼が幸せな気持ちで生活をすること。かつてそうだった時間を取り戻すことではないかという気持ちがとても伝わってきました。

このソロコンサートを見始めた最初の数十分は、彼、Build Jakapanという人のショーケースだと思いました。彼はこんな魅力と才能を持った俳優である。生まれ変わったように、新たな道を歩くためのコンサート。「彼に新しい仕事のオファーがくるといいね」「どんな作品かなあ」と友達とそんな話をしながら観ていました。しかしこの最後のメッセージで、もしかしたらまだ彼には時間が必要なのでは・・・と思えてきました。

いえ、本当のところはわかりません。でも私は、この先に彼が何をするのか、どんなことをしていくのか、彼がそうして欲しいというように、すべて彼が決めたことを尊重したいと思いました。だって私たちファンに、静かに待つ以外に何ができるって言うんですか。

 

そしてビウは東京タワーの写真を出しました。BOCを退社する直前、一旦BOC所属俳優みんなで東京に来てるんですよねビウは。そこでみんなは取材や写真集撮影を。しかしビウはそのすべてに参加することなく急遽タイに戻らなくてはならなかったのです。「この写真は、自分が何も考えずに何かをやってしまったときを思い出す」と言っているようです。でもこれからは最善の道を生きていく、と。日本のタクシーが映っている写真。あの時はもうこの場所にはいられないだろうと思ったと言います。自分にとって重要な意味を持つ写真だと。だからこそ今ここにいることを感謝する。「そして名前は言えないけれどありがとう」という言葉があるのです。これが誰のことなのか。その本当のところを知るのもビウの心の中だけなんですよね・・・。

 

そして・・・、この日はビウの誕生日なんですよね。29歳の。

改めて、そういえばそうだった・・・!と思いました。

もしかしたら誕生日だから、今日一日だけの精いっぱいのステージだったのかもしれない。いやいやここから先、また精力的に活動をするかもしれない。・・・などなど先のことはわかりません。スクリーンに投影される過去の写真を見て、本当のところビウは何を思うのでしょう。

「KinnPorsche」という作品で世界に彼の存在を知らしめ、世界中からたくさんのファンを得て、しかし心ない、しかもでたらめな誹謗や中傷で一気に彼は転落し、再び這い上がってきたこの1年。ずっと笑顔で私たちに翳りのない夢を提供してくれていたかもしれない未来もあった筈なのに。それを潰したのは一体何なのか。私は様々な写真とそれを見ながら涙を溢すビウを観ながらそんなことを思っていました。

 

そして最後の曲。

みんなで歌おうと言ってBuild's Original Fan Song 「Beyourluve」でした。

宝石緑 宝石緑 宝石緑

「私は希望を持ち続けるほうが楽だと思うからそうしてるの」

一緒にライブストリーミングを観た友達と帰る道すがら、そんな話をしていました。何かを心配したり、先のことを悲しんだり、または不安に思ってる人や悲しんでる人や怒っている見知らぬ他人をわざわざネットで探すことよりも、先のことはわかんないから希望を持って過ごしてるほうがずっと楽じゃないですか。

ビウは次にどんな作品に出るのかなあー。

そしてBe On Cloudも相変わらずめっちゃ応援してる。

『KinnPorsche』はやっぱり今でもずっと好き。

どんなコンサートもどんな作品も、すべては瞬間のものであると同時に永遠だもの。

 

ビウがコンサートで使った曲のプレイリストはこちらです(決して完全ではないですが)

 

 

私は2022年8月のGMM FAN FESTAには行けましたが・・・

しかしそれ以降は仕事の都合で、殆どが土日開催のファンミーティングには一切行けない生活を送っています。

ここのところ、すごい勢いでタイ俳優がファンミに来てますね。そして先日のタイフェス東京もすごかったようですね。最近の私は仕事から帰って寝るまでの時間、ドラマを観るのが精いっぱいで情報収集に時間も割けないような生活です。それで、参加されたファンミの話を皆さんから聞かせていただくというコンセプトで「ファンミ報告会」を開催しました。

このページではその様子を書こうと思います。なお、メモや録音を取ってなかったため、お話を聞いた私の感想が中心になります。記憶違いや聞き間違いなどもあるかと思いますので、誤った点はあとからでもご指摘くださいませ。

なお、当日は店内で皆さんから寄せられた様々な写真や動画も流しながらお話しいただいたのですが、その中には個人の顔も含まれた写真も多くありましたので、それらの写真や動画はこのページでは割愛させていただきます。

 

第1回ファンミ報告会

2023年5月27日(土)16時頃~

まず、2022年と2023年5月までの、タイ俳優のファンミ開催日程をまとめてみました。

 
 
ここからはお一人ずつお話して頂きました。なるべく開催した時系列順になるようにしました。お名前はアカウント名の最初の1~3文字をアルファベット表記にして表示しました。
 
①Mさんによる「OffGun 1st FAN MEETING」
 
 

2022年8月に開催されたGMM FAN FESTAにOffGunがいない・・・と思ってら、なんと1か月後に単独ファンミとして開催されたオフガンファンミ。Mさんは幸運にも昼夜当選し参加。ちなみに当時私はMさんからは「いい匂いだったあ~」という感想しか聞いていません(笑)それにしてもGMM勢としてコロナ以降の初の単独Japan ファンミーティング。それに行くオフガン・ファンのMさんは正直いっぱいいっぱいだったため、もうあまり記憶にないとのこと。特典の写真撮影は、本当はポーズ指定なしとのことだったそうですが、昼の回ではOffくんがとても優しく、ひとりひとりに「どうする?」みたいな感じで聞いてくれたそうです。Mさんはドキドキのあまりポーズが思いつかなくて結局はピースサイン。でも後半の人にすすむにつれ、ポーズもいろいろと進化していったそうです。

しかし昼の写真撮影の時間がかかったため、夜の回は少し早く進むように行われたとのこと。それでも会場内撮影のため、待っている人はずっとその様子を眺めることが出来てよかったそうです。

ハイタッチはビニールシート越しだったそうです。

実際のOffくんは気配り細かくファンサービスしてくれたおに対して、Gunちゃんはやはり気ままな妖精のようだったそうです。ファンミの内容は、歌が3曲とトークとゲームです。

 
②Miさん、Sさん、TaさんによるTayNew in Osaka

氷河期と呼ばれるほどCPとして長く活躍してなかったTayとNewが、新作「チェリまほ」作成に向けて再びCP活動を開始。ふたりのファンダム「PORCA」にとっては長く待ち望んでいた夢のような展開です。「チェリまほが終わっても続いてほしい!」、ほんとその通りですね。

こちらも歌4曲にトークとゲーム。ゲームのひとつにどちらかがお題を絵にして、それを当てるものがあったそうです。それが他の人には誰にも伝わらない絵なのに、それぞれすぐに理解して正答する息のあったTayとNew。

特典の写真撮影で見たNewは、本当に真っ白でとてもきれいだったそうです。浅黒いTayも実際はもっとかっこよかったそうです。

写真撮影では、Newくんは言われたポーズをすぐに理解してそれをしてくれる。彼の頭の回転の良さがとてもよくわかったそうです。そしてTayさんは大抵よく間違えたりするのだけれども、それもTayさんらしくてよかったそうです。

ハイタッチがアクリル板越し。これはコロナ対策として仕方がないこととは言え物議を醸しましたね。あとはTayさんもNewくんもかなりお疲れだった様子で、これも彼らのスケジュールなど強行だったのではないかと思いますね。「Newくんと目が合わず私だけかとショックを受けた」「でもNewくんはどこか遠くを見てて私も合ってなかった!」などとおっしゃってました。

 
③Miさん他・・・によるKrist Singto Fan Meeting in Japan

 

Singtoのマネジメント側からの企画だそうですね。GMMから出たSingtoなのでこの先、Kristとの共演がないと思われていたのですが、日本で2人のファンミーティングを開催。それは予想だにしなかった奇跡のような僥倖ながら、それでも「これが最後です」なんて言われるとPERAYAの皆さんは号泣しちゃうよね・・・。

それぞれの歌と、そしてデュエット曲などで構成されたファンミ。さすがにふたりのファンへのサービス精神も素晴らしかったようです。

また、それぞれの3年先・10年先のお互いに宛てたメッセージを言ってくれたそうです。しかし10年後なんてまだ40歳の筈なのに、結構お年寄りな設定だったようで、何かあったら駆けつけて介護する、みたいなことを言ってたそうです。

この時の同時翻訳が、KristとSingtoが割と長いセンテンスをタイ語で話してからの邦訳、だったようで、どうも全文訳しきれてなかったのでは、という印象を受けたそうです。こういう、通訳とか司会の問題はなかなか難しいですね。

 

④CさんによるKrist Solo Concert

 

 

なんとKristのソロコンサートのアジアツアー、皮切りが日本だったそうですね!
Cさんは最初、横浜のチケット昼夜2回を取ったそうですが、見終わった後でこれはもう大阪も行かねばと翌週の大阪昼夜2回チケットを取ったそうです。そのうちの3回は結構前の方のいい席が取れたそうですが、最後の回は2階席のそれほどいい場所ではなかったそうです。
Cさんからたくさんの写真や動画を見せていただきましたが、それを見ていてもKristのステージングの良さや熱気が伝わってきます。Kristは歌にギターに、ドラムになんと和太鼓も演奏! ドラム叩いてる写真を見て私が「これ、ドラム叩きながら歌ってるの? C-C-B的な?」と聞くと、そうではないと訂正され、それよりも参加者の中にはもうC-C-Bを知らない若い世代もいてヲバチャンびっくりですよ。
Kristから「これをみんなで歌ってね」という歌があったそうですが、Kristファンの多くのかたはなんとそのタイ語の曲を一緒に合唱! 本当に皆さんすごいね!でも翌週の大阪に向けて「一緒に歌ってね」から「一緒に踊ってね」とさらに宿題が増えたそうです(笑)
写真ではKristが泣いてるような写真があり、聞くと、「あの人すぐに泣くんですよう~」と。感極まって泣いちゃうんですよね。それ見たファンもまた泣いちゃうんですよね。
そしてこのドラムスティックの話。横浜では3本ほど、大阪ではもっと何本かのドラムスティックをKristはファンにプレゼントしたそうです。
Cさんは大阪最後の席はそれほど良くない席だったので無理だろうとは思っていたそうです。でも事前に作って持っていったサインボード。「 มานีหน่อย 」と書いてあります。ここに来てください、という意味です。それを掲げた時、Kristがそれを見て来てくれたんだそうです!そしてスティックをCさんに手渡してくれたとか! このエピソードに参加者全員が熱い拍手を送りました。大きなホールでのコンサートに行くと、私は「ステージ側にとっては私はものすごくたくさんのファンの中のひとり、大きな塊の中の一粒なんだな・・・」と思うし、それでいいと思ってたんです。でもこの話を聞くと、それは小さな一粒でもやっぱりみんなそれぞれの個性を持ったひとりひとりだし、心の中ではコンサートではいつだって「推しとわたし!」という感覚でいていいんだなって思ってしまいました。うん、アピール大事! 勇気と希望を頂きました!
そしてCさんが何本かの動画を事前に用意してくれたのですが、時間の関係でコンサートのラストの部分をみんなで観ました。全員と撮影、と言ってKristは客席まで降りてきて、その中で撮影するんですよね。これもまた心憎いわ・・・。近くの人どんだけ幸せなの。
そして最後の歌がまたいい曲だったし、最初の「เอาล่ะ เอาล่ะ」とみんな合唱するところね、こんだけで・・・私はCさんから送られてきたこの動画を見て何回泣いたやら・・・。そしてよかった私だけじゃなかったみたい!参加者のかたも何人か泣いていたわ。ほんとすごく感動的なのよ。コンサートには必ず終わりがやってきて、どれだけ満足したって最後の瞬間は切ないよね・・・。それをCさんの話を聞きながら一緒に体感させてもらいました。

 

⑤MoさんによるOhmNanon 1st FAN MEETING

 

 

Moさんにとって2022年のタイドラマの中で堂々一位だったのは『Bad Buddy』、そのふたり、OhmとNanonのファンミです。場所は座間のハーモニーホール。駅からも結構遠かったそうです。ちなみにお忍びでなんとGunちゃんも東京から駆けつけて観に来てたそうです。やはり歌は4曲とトーク、そしてゲーム。ゲームでジェンガのときは、ふたりともうますぎてちっとも終わらず、会場もすごく張り詰めて緊張した時間が流れてたそうです。

このファンミの司会は、タイ語と日本語堪能なアキさん。以前にMaxTulの日本向けネットファンミでも司会で、単に同時通訳するというのではなく司会としてとても上手だった印象がありますが、オムナノのファンミでも彼女が司会と通訳で、とても良かったそうです。それに対して参加者の方たちから「どんなふうに、または誰が通訳や司会をやるかってほんと大事」との声が上がってました。

なお、ファンミではふたりの会話とか接触がなかったそうです。それを聞いてる私含め参加者の皆さんは騒然と。確か随分前のタイでのファンミでは二人抱き合って泣いたりしてたけど・・・?「Pat」と「Pran」が完全に抜けたってことかしら? 最後に手を取り合ってのカーテンコールのような挨拶があって、そこが唯一の接触だったそうです。

それから、この時のハイタッチはなんと、ビニールシートでもアクリルパネルでもなく、直接、だったそうです!もうそれがどんなに良かったかをMoさんが力説! Ohmはずっと両手を挙げてハイタッチしてくれたそうです。手がちょっとひんやりしてたそうです。そしてNanonは疲れてるのか片手だけ。でもその片手に有難く両手の平を重ねあわせるMoさんだったそうです。やはり顔をちゃんと見ての直接のハイタッチは最高!とのことでした。

あと、このオムナノだけではなく、日本で開かれる多くのファンミは現在のところ、動画は禁止だけど写真はいつ撮っても良いとのこと。それもまたほんとにすごいよねえー!


⑥Nさん、Kさん、NaさんによるOhmFluke FAN MEETING

 

 
 

 

『Until We Meet Again』のOhmとFlukeのファンミです。こちらは2019年の作品なのでファンとしては「ようやく・・・!」という想いだったのではないでしょうか。Ohmがとても軽々とFlukeをお姫様抱っこをする動画が公式で上がっているそうで、それを是非観てほしい!とKさん。これまでのGMMでのファンミではみんなずっと立ったままが多いようですが、オムフルの場合はソファが置いてあり、そこに座ったりする場面もあったそうです。昼の部は頭にウサギの耳とトラの耳を着けたり、夜の部ではお互いに花冠を被せ合ったり。舞台演出も含めてコンセプトがちょっと古いタイプの少女マンガ系ですよね。ふたりで「ニュートラル」「笑って」「怒って」のような3つの感情でセリフを言うゲームなどもあったそうです。
「P’ディーン」「パーム」と呼び合って、と言われたとき、NaさんはそこにOhmの戸惑いを見たそうです。そしてそれは『UWMA』で聞きなれた声のトーンとは少し違って感じられたそうです。ふたりは最近でも『609』でCP共演をしています。しかし同時にFlukeは他の俳優と何本もBL作品に出演しています。もう『UWMA』だけのOhmFlukeではない、という、Flikeの仕事を尊重するような感じがOhmから感じられた、とNaさんは仰ってました。Flukeくんに触れる時も「いいですか?」のような了解を得る感じをOhmから随所に受けたそうです。

これはどの作品でのどの俳優も抱える問題で、良い作品ほど視聴者はそれを演じたCPがまるで唯一のリアルのように感じ、他の人との共演を認めたがらない傾向があるのですよね。その件に対してはどのファンダムでもたびたび問題になっています。

この日のふたりは、実際には年上のFlukeくんがOhmを「P’ Ohm」と呼ぶのですが、実際には質問には先に応えるしOhmくんをサポートしているように見えたそうです。そしてOhmくんは作品の中の「P' ディーン」同様、とても優しい感じだったそうです。

ハイタッチではふたりともとても丁寧だったそうです。作中では華奢で小柄で可愛い「パーム」だけど、実際にはそこそこ背も高い成人男性のFlukeに意外な感じを受けたそうです。

それから、当日にいろんな抽選があったそうで、Naさんはふたりのサイン入りポラロイドがあたったそうです。そしてKさんは目の前でポストカードにサインを書いてくれもらうという特典が当たったそうです。なんて幸せな!!

 

⑦Mさん、Yさん、Moさん、Miさん、Sさん、IさんによるGMM FAN DAY4 in OSAKA / My School President

参加者の中で一番行った人が多かったのがこの『My School President』のファンミでしたね。

なんと『My School President』9人のメンバーが登場です。特典の写真撮影では、9人と後ろに10人のグルショで、「どうみても卒業式のPTA」状態!

この日はいつも元気なFourthが少し疲れ気味だったそうです。しかしその分、Geminiがとてもはしゃいでて元気だったらしいです。歌は各回6曲ずつ。ただし、そのうち2曲が昼と夜で違ってたため、昼夜2公演を観た人にとっては8曲聴くことができました。なかなかのボリュームですね。

「曲数は少ないけれど、とにかくプロムコンサートで観た演出を生で見ることが出来てものすごく感動した」とみんなが口を揃えておっしゃってました。ゲームでは負けた人たちがコスプレをするのですが、それが日本のアニメテイストな衣裳だったそうです。また、勝ったGeminiがイチゴを食べることになり、野菜嫌いのGeminiはとてもチビチビ食べてたのが印象に残っているそうです。

「元々の推しはいたと思いますが、このファンミに参加して推しが変わったという人はいますか?」と参加者から質問がありました。Yさんはこの作品ではずっとMark推しだったのですが、実際に観て「やはりGeminiFourth!!」とおっしゃってました。他に「Satangがすっごくきれいだった!」との声も何人かから上がってました。

その他、この作品でWinny推しになったMさんは「生Winny、めちゃくちゃかっこいい!」と仰ってました。「Geminiも歌はうまいけど、Fordの歌は特に際立っていた」との声も。彼はこれまでにもいくつかドラマ主題歌を歌っていて、歌手としても活躍しています。やはり実際に歌の巧さは他のメンバーとは違っていたそうです。

「Markがね、すごく頭が小さいの!スタイル抜群!」という声も上がりました。作中ではそんな感じはしないんですよね。どっちかと言えば顔がまあまあ肉付きよく見えますし、Fourthのほうが小さく感じるけれど、そうではないとか。生で見て、そして並んでいると、Markの体格はスラリとしていて、さらにすごい小顔!驚きだったそうです。

「Aunがね、すごくいい人なんですよ」との声も。実は『My Gear・・・』以来、脇役続きのAunをいつも気にして観てたんですよ。プロムコンサート、そしてファンミでも正直、役としては小さかったAunは参加しないものだとばかり思ってたのです。しかしこのファンミでのAunはずっとニコニコしてて、ファンサービスも旺盛で大変好感が持てたし印象を残したそうです。

そしてもうひとり、Captain。彼も作品のキャラ的にはそれほど目立ってなかったのですが。ファンミで好印象を残したそうです。GeminiとFourthという二人の驚異の新人俳優と共にあるMSPメンバー。でもこのチーム感は最高だし、このメンバーでファンミを作り上げてくれたのは制作側としても本当に気合が入ってると思うわ。

何人かの方が「これまで行った幾つかのファンミの中で「MSP」が最高でした!」「本当に行って良かった!」と、そして最後にSさんが「ここでみんなでプロムコンサートのライブストリーミングを観て、それがものすごく良かったのでこのファンミに行くことを決めました。行って本当に良かったです!」という言葉を聞いて、それもとても嬉しかったです!

 

追記です。報告会後日に、MSP参加のMさんからさらにこんなお話をお聞かせいただきました。
「今回のMSPのファンミでは歌の時に両サイドにあったビジョンでタイ語の歌詞を出してくれてカタカナまでふってくれてたんです。 なので思う存分、一緒に歌うことが出来て『声出しOK』になったのを実感しました! あとcaptainくんがシエンユーサイ!(声はどこにある→声出して)と煽ってくれたのを司会兼通訳のプーさんが説明してくれてみんなで「きゃー」って言えたのもコンサート来たって感じでした」

 

「行ってよかった」が余計に伝わるエピソードですね!

 

⑧Naさんによるタイフェス東京
 

 

NaさんはタイフェスではToptapさんのステージが取れたそうです。しかし名古屋のタイフェスだっていつもすごい人で大変だっていうのに、今回の東京のタイフェスはゲスト豪華すぎて、ほんと野外フェスなの?って感じですよね。

ここでは司会はPerthくんとアキさんですが、やはりアキさんのものすごく頭の回転の速いテキパキした同時通訳とトークが良かったそうです。

Toptapさんはとてもきれいだったそうです。

それからタイフェスはとにかく激混みで、フードのブースも行列で「最後尾こちら」の看板があるものの特にポールパーテーションなどで行列させるものなどはなかったそうですが、でもみんながきちんと整列しててちょっと感動したそうです。ゴミを捨てる場所にさえ「ゴミ捨て最後尾こちら」という看板があったそうで、みんな「え、ゴミ捨てまで並ぶの?!」と驚きました。

⑨Nさん、Naさん、MakさんによるBetweenUs FAN MEETING

 

 

このファンミ報告会を行った6日前に東京で開催されたBetweenUsのファンミ。お話してくださったNさんとMakさんは、示し合わせてこの店に来て下さったわけではなく、そのファンミ特典会で会い、そしてこの日もたまたまおふたりともうちに来て下さったのでした。

「MSP」では9人という大所帯でしたが、こちらも8人の大所帯。そしてPremは別事務所ですが、これはもうチームwabi-sabiって感じのファンミですね。

GMMでは回毎に衣裳が違うことが多いそうですが、BetweenUsチームは、衣裳は1回目も2回目も同じで、そしてみんなとても普段着っぽい印象だったと仰ってました。しかし本当にみんな丁寧で楽しい、いいファンミだったとのことです。

Sammyちゃんが着るはずだった浴衣をEarthが・・・!でもSammyちゃんの甚平も、Earthの浴衣もめっちゃ似合ってる!

作中ではBounのお兄ちゃん役だった人が、実際にはとてもかっこよく、そしてファンミの最中もとても素敵で好印象だったそうです。そういう話を聞くとほんと、生で観るのってまた違う印象を受けますね。

そしてハイタッチのとき、みんなとても背が高いはずなのに、目の高さを合わせてくれてたと思う!とNaさんが。もしかしたらみんな、ハイタッチのあの長い時間、少し膝を曲げて低い姿勢で参加者とハイタッチをしてくれてたんじゃないか・・・と仰ってました。更に「そのハイタッチがこうなのよ!」と説明してくれるNaさん。それは、とてもソフトで、そしてアーティストの方から優しくそっと手を包み込むような、なんなら握るような、そんなハイタッチをしてくれたそうです。それだけでもう本当に感動だったそうです。

なお、NさんとMakさんは翌日に日帰りバスツアーに参加されたそうです。バス2台に分乗した参加者の皆さん。BounPrem他メンバーは別の車で現地に向かった・・・そうですが、メンバーの誰かの寝坊のための出発遅れに高速渋滞が重なり、最初の場所にメンバーが入るのはかなりギリギリになったそうです。でも、誰も怒ることなく平和だったそうですニコニコ

そして移動してお茶会など・・・。そういえば学ランを着てた写真がアップされてました。MSPでも負けたチームのコスプレに学ランが出てきましたが、参加者のみんなで「何故学ラン・・・?」と話してました。そして「これはもしや、日本のアニメからの影響では・・・?」との声が。タイ俳優の口から日本のドラマや映画や音楽の話題が出ることはあまりないのですが、アニメやコミックスはやはり強いですね。その中で観た学ランのイメージなのでしょうか。この日帰りバスツアー、本当に行って良かった!とのことで、聞いてる私も嬉しくなりました。

ところでNさんから海外のファンと日本のファンの話が出ました。

このファンミでも、本国タイだけでなく中国や韓国などからもファンが参加していたそうです。そこで日本のファンと海外のファンとの違いをNさんは目の当たりにしたそうです。日本人は大勢が集まるファンミでも「どうぞどうぞ」「お先にどうぞ」「私はいいです」みたいに少し後ろに下がる傾向がある。ところが海外のファンは「我が!」と前に行く傾向があったとのこと。そして考え方としては「あなたが私に迷惑をかけることは許すから、わたしがあなたに迷惑をかけることも許してね」といった感じではないか、とのことでした。そういえば日本人は基本的に「なるべく人に迷惑をかけてはいけない」という考え方なんだと思います。それがどっちが良いという話ではないし、最終的にNさん自身が何を選ぶかはNさん次第。ただその話を聞いたとき、やはり好きなものに対してはある程度前に出ていく勇気は要るし、せっかくだからアピールしたほうがいいんじゃないかな、と私は思いました。

 

実はこの皆さんのファンミ報告会だけでなく、ある程度の時間を割いてHさんとKinさんのタイ旅行のお話を伺ったのでした。
PPやBillkin、Iceparis、そしてJeffくんが出演するライブを観に行ったこととか、LEOビール主催で各テーブルでLEOビール10本頼むことを条件に入場することができるTilly Birdsのライブに行ったこととか、プーケットに行って『I Told Sunset About You』『I Promised You The Moon』のロケ地を巡ったこと、そしてロケ地として使われたホテルに宿泊してきたこと、バンコクでNadaoの社屋だったところを見に行ったこと、そして偶然見つけた『KinnPorsche』の分家の家として使われたホテルを見にいったこととか・・・。すごくアクティブかつフレキシブルな旅! めっっちゃ羨ましい! 内容も素晴らしいけど、その旅を一緒に楽しめる友だちがいるということが何より素晴らしいと思います。これに関してはたくさんの写真や動画を使っていろんなお話を伺いましたが、またいつか「タイでの推し活」をテーマにした会を開ければなあと思っています。
 
約5時間、9つのイベントと1つのタイ旅行の話を伺い、正直私は終わった後ヘロヘロでした(笑) 
けれど、行った人ならではの感想とか感動を聞けて、そして思いもよらない体験や発見を聞けて、すごく有意義でした。自分が好きなことをひたすら楽しむ、そのことだけにフォーカスして、ずっと好きなものを好きでいたいと、そんなことも感じたファンミ報告会でした。
 
また2回目もやろうね!

作品に登場したアイテムをひとつずつ確認して行ったのがこちらのページです。

 

 

ここでは重要人物についてまとめてみたいと思います。

 

Boon( Tay Tawan Vihokratana)

200年前。コレラの大流行で多くの村人らが死亡。Boonも感染者のひとりだった。それをChanが自身の持つ不思議な力で救った。Chanは村人たちから魔術師と祀り上げられたがそのChanの側近となったのがBoonだった。(EP5)

その後、Chanは権力者から殺されたがBoonはその後200年、生きていた。それを「試練」とBoonは言う。Chanの不思議な力で不老不死のまま生きていたということか。Boonはその間、聖典を記し、Chanを復活させようとしていた。子孫であるAntikaを手先として利用していたが、最後は信仰を捨てたAntikaにより刺殺される。(EP9)

 

Antika(Saiparn Apinya Sakuljaroensuk)

彼女は美貌のふたりの女を使って1つの家族を破壊した。それはまるでEP2で登場した蟲毒のようでもあった。強い毒をもつものを1つの壺の中で戦わせて、そこで生き残ったものからさらに強い毒を生み出そうとするような。その時に生き残ったのはBee(Tu Tontawan Tantivejakul)だった。しかしそのBeeは、Antikaが集めた生贄のための少年少女とは違い、悪魔的なものと取引をして自分こそが神の側にいる唯一の存在となるためにAntikaを脅かす存在となる。

ではAntikaとは何者だったのか。彼女はBoonの子孫であるらしい。Boonが記した聖典を崇め、「The Eternity教団」を作り、少年少女の生贄と共に神を復活させ、裁きの日にはその神の側にいることを何より望んでいる。

しかし生贄に予定していたBeeの反逆に遭ったため神の復活を急ぎ、魂の抜け殻となったDomeの体を依り代として神(Chan)を復活させようとしたが失敗に終わる。Boonから彼女が信じたものは間違っていると断罪されたとき、彼女の信仰心は潰える。(EP9)

 

Dome・The One・Chan( Gun Atthaphan Phunsawat)

Dome

元々DomeはJibの親友Dome(Boom)だった。しかしどこか別の世界から飛来した意思体がそのDome(Boom)の体を乗っ取ったのがDome(Gun)であり、そのDomeは2022年11月以前の記憶を持たない(EP4)。ただ彼の部屋の壁紙の後ろに白い馬の絵が隠されていた。Boonが記した聖書のギガス写本を元にした聖典には、ヨハネの黙示録に登場する四騎士が書かれている。そのうちの白い馬に乗った騎士は、支配を得る役を担っている。

 

EP8でTumが過去に遡る公衆電話を使って時空間転送を試みる。そのときにDomeが脱出して今度は二次元の中に移送されるまでは時間と空間の裂け目の中に閉じ込められている。自らが妄想したKhathaと共に。

Domeと言うのは、無垢な存在かと思われる。無邪気に「この世界の終わりを見たい」と思い、世界を破滅に導かせてしまう(EP8及びEP10)

 

The One

Domeの肉体は眠ったまま、意識はLinboと呼ばれる時と空間の裂け目に行ってしまう。そこにいたのはThe Oneと名乗るDomeそっくりの男。The OneはDomeの肉体に入り、Khathaに過去を追及させようとする。(EP7)

The Oneは意思を持ったマネキンTon(Nanon)の体も乗っ取るが、その時The Oneは「私が死だ」という。これは、地上の人間を死に至らしめる役割を担っていると言われている、ヨハネ黙示録の中の四騎士の中で青ざめた馬に乗った4番目の騎士ではないか。

The Oneは自らの手で「神」を殺した、という。そして彼の狙いはChanの復活ではなく、実はKhathaに神の代わりを担ってもらいたいと思っていたらしい。そしてThe Oneは消えた。(EP10)

 

Chan

1822年。足の悪い男と出会った不思議な少年。少年は男の足を治し、2人はお互いに名前を付けて兄弟のように仲睦まじく暮らしていた。名前はKhatha(王笏)とChan(月)と付け合った。しかしChanはKhathaだけでなく、貧しくて病いのために瀕死の多くの村人を助けたことで多くの人から魔術師と崇められるが、Khathaは時の権力者にChanが殺められることを恐れた。KhathaはChanに目立つことを避け身を隠すことを勧めたが、Chanを崇めるBoonにより排除される。KhathaはChanを自分だけの「弟」の存在に戻そうと、権力者にChanを崇める村の存在を売り、代わりにChanの命乞いをする。しかし結局、ChanはKhathaの目の前で権力者に焼き殺される。そのときにChanは「星が瓦礫となり地に降り注ぐまで永遠に呪ってやる」とKhathaに告げる。

最後、ChanはKhathaと戦うことでこの永遠の呪いの呪縛からお互いを解き放つ。死ぬ直前にKhathaにかけた呪いをすべて解除する。再びKhathaの手にかかること、それは最後にChanが望んだ自らの幕引きだったのではないか。(EP10)

 

Khatha(Tor Thanapob Leeratanakachorn )

Khathaとは、1820年には足の不自由な貧しい若者だった。そして別の時間軸、別の世界にもKhathaは存在していた。

ChanやThe One、Domeが、そしてAntikaやBoonは力を持っていた。Juneが赤いウエディングドレスを纏った生霊的な存在となったときも。

しかしKhatha自身は何の力も持っていなかった。彼が持つものは、かつてChanが月の光を集めて作った石と、永遠に呪われた死なない体だった。

そんなKhathaだが、神に変わるものとして位置づけられた運命を持っていた。

しかしこのKhathaは最後には神となって全宇宙を見守る道を選ばず、「Dome」を探しだし、Domeとそして、JuneやTriphopなど新しく生まれた仲間たち共に暮らすことを選択した。彼はTumの機械で1941年12月の第二次世界大戦のさなかにいるDomeを探し出し、彼の手を取って逃げる。

 

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この作品には、フリーメイソン、キリスト教などのモチーフが関わってます。宗教だけでなく、マルチバースという観念も含まれています、それらを知るともっと楽しめそう。多彩なキャストの競演を見るだけでも十分楽しいのですが。

いろんな考察が出来る作品です。私はこの作品に関してはあまり考察はしていませんが、皆様の考察をよろしければお聞かせくださいませ。

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『Midnight Museum』

監督 Noom Attaporn Teemarkorn

出演

Khatha/Tor Thanapob Leeratanakachorn 

Dome・Chan・The One/Gun Atthaphan Phunsawat

2023年3月~4月に放映

全10話 

他、データ詳細はこちらを参照。

 

この作品はとにかくキャストが凄い。

GunちゃんとNadaoに所属していたTorとの共演は、意外性と共にビジュアル的に素晴らしいケミストリーを生み出しました。

 

 

重要キャストのFoei、Ploy、Tay、そしてAntikaを演じたSaiparnも素晴らしいのですが、Jojo監督作で癖の強い女を演じてることの多いNamtanが、この作品ではとてもキュートだったりかっこよかったり切なかったりといろんな表情を見せてくれたことも印象深いです。

また毎回のゲストの凄いこと。その中で若手で、脇役ではあるものの様々なドラマに欠かせない存在となっているAouやWinny、Boomらの登場が何故か嬉しい。しかもゲストの殆どは魔に魅入られたという設定のため、他の作品では見ることのできない演技をしているところが見どころです。Tuちゃんの怪演も見どころでしたが、出色は第3話のBrightでした。こんなBrightはきっと他では見られないのではと思ったし、そしてこのBrightを観て彼が世界に打って出る日は遠くはないのではと感じました。そして最終話のNanon。GunちゃんがそうであるようにNanonも、Nanonでしかなしえない演技を見せてくれました。Torを前にしたNanonの演技の抑えた中に火花飛び散らせているようなシーンにはゾクリとしました。

この作品はそういった豪華キャストの競演を観るだけでも十分楽しめるのですが、それ以上にちょっとこの作品に対して整理がしたくなり、一度観たあとでもう一度見返しました。ということでここでは作品の感想ではなく、『Midnight Museum』のついての地図のようなものを作ってみました。ちなみに様々な考察はきっといろんな方が既にされていると思いますので、ここでは考察はせずに、ドラマで描かれている部分だけを拾い上げてみました。すべて作品のネタバレになっていますので全部観終えた方のみ読んでいただければ幸いです。

 

●Khathaの博物館の中のゾーン16にあるアイテムごとに人物を整理します。

宝石緑ウエディングドレスとタイプライター(EP1)

勝手に動くタイプライター。

持ち主は作家の男(Lee)。既に幽霊となっている。この男が死んだ後もタイプライターにより物語を書いていたのだ。その呪われたタイプライターを幽霊から奪い、Khathaが物語の結末を書き換えたことにより、赤いウエディングドレスを纏った霊的な存在であるJune(Namtan)は呪いから自由になったようだ。ちなみにJuneは本当にこのミッドナイトミュージアムにずっと勤めていたのか、もしかしたらDomeがここに来たことにより何かの力が働いて実在することになったのか、そこは読み解き方が分かれると思う。ただEP7でThe One(Gun)の力が及ばなかったことやEP9でBee(Tu)のピアノの旋律に唯一干渉されなかった点で、彼女は確かに生霊的な存在であることは見て取れる。

Juneは後半に赤いウェデイングドレスの女として霊的な力を発揮させる。

 

宝石緑毒獣の短剣(EP2)(EP10)

蟲毒で作られた剣。蟲毒とは、サソリやムカデ、蛇など毒を持つ生物を1つの壺に入れて戦わせ、最後に生き残ったものをすりつぶして作る、最強の毒。その毒獣の短剣に触れれば毒で死ぬか、または毒を持った生物に変身する。

EP2で登場するがEP10でKhathaがChanを葬るために使用する。

Jib(Aou)の手引きでミッドナイトミュージアムのゾーン16にある呪われた収蔵品が盗まれた。そのひとつがこの毒獣の短剣。これに触れた盗人のリーダー(Mike)率いる少年達(Winny、JJ、AJ)らは殺し合い、死後に毒を持った不死の生物(?)に生まれ変わる。Jibだけが奇跡的に逃げ出す。KhathaはDomeを守って腹部を刺されて死ぬ。Domeは短剣から霊的なものを呼び出し、それが不死となった盗人たちすべてを殺す。

刺されて死んだはずのKhathaは、生き返る。Khathaは過去(1820年)にChanから呪いをかけられ、死ぬことのできない体になっている(EP7)

 

宝石緑記憶の蛾(EP3)

記憶の蛾は生物の血を吸うことでその血の持ち主の記憶を得る。その記憶を得た蛾を食べると、吸われた血の持ち主の記憶を見ることができる。

Jibらに盗まれたもののひとつである「記憶の蛾」はひとりでに逃げて空に舞い、引きこもったままかつての恋人RinをストーキングするMoth(Bright)の部屋に。Mothの血を吸った蛾はMothが飼っていたトカゲに食われるが、そのトカゲを宿主として蛾は繁殖。Mothの記憶を得たトカゲだが、そのトカゲの脳には過去にあったMothとRinとの情事がインプットされていたのではないか。そのトカゲの血を吸った蛾を偶然に潰し、それを舐めたことでMothの過去の記憶は生々しく甦る。

出演は、Rinの恋人役としてJossも登場。

刑事Bam(Ploy)はEP2での盗人たちの殺害検証現場にいた記憶の蛾を食し、現場から証拠物である盗品が別の人間らに盗まれたことを知る。のちにEP9で描かれるが、これらはAntikaが率いるThe Eternity教団に盗まれていた。

KhathaはDomeの血液を蛾に吸わせ、Domeの記憶を知ろうとするが、Domeには3か月よりも前の記憶が全くないことを知る。

 

なおEP3冒頭で幻としてのAnnopが登場する。彼はTriphopの祖父である。EP10冒頭で、1823年に隠者のように生息していたKhathaに出会い、彼を助けることが明らかにされる。その時にKhathaは毒獣の短剣を手に入れ、さらに短剣を持っていた男に刺されたが死なない体であることをAnnopに知られる。この時にKhathaはAnnopにミッドナイトミュージアム建設を持ちかける。

 

宝石緑外界からの石(EP4)(EP10)

クラックの入った丸い結晶体の「外界からの石」。触れたものに憑りつき、その人の最も暗い部分を引き出してパワーを与える。

それをたまたま拾った大学生たちはその石によって惨殺される。ゲスト出演はIndy、Java、Pawin。

なお、この外界からの石はEP10で膨張する月を止めるために使用される。

 

EP1から登場するJibは、EP3でこの外界からの石を盗んだ末にそれを手にし、その石によって存在を消滅される。ちなみにJibは本来のDome(Boom)の親友(お互いにふたりで映っている写真をスマホの壁紙にしたり部屋に写真を飾っておくほどの)だった。しかし2023年11月、Domeの誕生日の夜。外界からある意思体が表れてDome(Boom)の体を乗っ取り、Dome(Gun)となる。Dome(Gun)は自分がどこから来たのか、自分は何者なのかをまったく知らない。

 

宝石緑マネキン(EP6)

足が不自由なTon(Nanon)がゾーン16に所蔵されてあったマネキンが実体化したものなのかはわからない。ただTonは、神が男のあばら骨から女を創造したようにマネキンから女を作ったので、Ton自身もマネキンだったと考えられる。

Tonから作られた足の不自由な女をViewが演じる。

 

宝石緑電話ボックス(EP8)(EP10)

Tum(Junior)が見つけた電話ボックス。

2012年12月20日。Tumの目の前でPhoneが車に轢かれて死んだ。その翌日、Tumは不思議なシグナルに導かれ、誰もいない場所にぽつんとある公衆電話のボックスを見つける。それは過去にかけることのできる電話だった。電話はまだ死ぬ前の、過去のPhoneに繋がるが、どうしても12月20日のPhoneの死は回避できなかった。どうしようもない壁にぶちあたっているTumからKhathaは電話ボックスをこっそりと回収し、ミッドナイトミュージアムにて収蔵した。

その後2023年。Tumは研究者となっていた。時間の裂け目に閉じ込められているDomeを助けるためにkhathaはその電話ボックスとTumの力を借りることにした。Tumはその電話ボックスを使って時空間転送装置を作り出す。

 

オーナメント この続きはまた後日に。

次は、主要な登場人物、Antika(Saiparn)、Bee(Tu)、Boon(Tay) そしてKhathaとDome・Chan・The Oneについて書いていこうと思います。