「なにかがっつりと心に響くものが観たい!」

と思っているかたに今、強く強くお勧めしたいのが、タイドラマ『Shine 月の裏側で僕らは輝く』です。

視聴できるのは2026年2月現在、U-NEXTのみでさらにポイントなどによる課金制、ということで視聴ハードルは高めですが、U-NEXTに加入しているかたはほんとぜひ!

そして繰り返しますが「なにかがっつりと心に響くものを観たい!」と思っているかた。

そのこころをきっと満たしてくれる作品かと思います。

政治と経済と愛の自由を描いたこの作品。こんなん、アジアではタイでしか作りえないかも。

 

  物語の設定と人物

 

背景は1969年から1971年の政治およびカルチャーが混迷するタイ。軍事政権も勢いを増していて、それに対する学生の反体制派デモも盛んに行われている。

折しも発電所建設計画に、資本家と軍の上層部との癒着が疑われている。それを背景とした、パリから帰国したばかりの経済学者トリンと、資本家の息子で平和と音楽を愛するヒッピーのタンワー、反体制デモの中心人物である学生ビクター、トリンの叔父で軍の上層部クライルート大佐、そして真相を追い求める新聞記者ナランら5人の物語です。

 

 

 

  キャスト・スタッフ

 

『Shine』

制作 Be On Cloud

監督

 Ning Bhanbhassa Dhubthien(他、『4Minutes』など)

 Pond Krisda Witthayakhajorndet(他、『Kinn Porsche』など)

 Jean Khamkwan Duangmanee 

キャスト

トリン Apo  Nattawin Wattanagitiphat
タンワー Mile  Phakphum Romsaithong
クライルート  Son Yuke Songpaisan
ナラン   Euro Yotsawat Tawapee 
ビクター Peter Deriy

 

  この作品の見どころ

映画には、暗闇の中で集中しながら不特定多数の他人と共に一気に観ていく楽しみがあります。

しかしドラマには、毎話1話ずつを楽しみにしながら時間をかけて堪能していく楽しみがあります。映画より数段に時間もかけてひとつの作品を描くことができます。

この物語はタイの政治や経済の暗部を描いている作品であるため映画に向いているようにも思いますが、全部で約9時間をかけて人物の背景から心の動きを繊細に絡めて描いているため、見ごたえが半端ないです。


現代に生きる私は、「とにかく今、私の周辺だけでも戦争に巻き込まれないように」と思っています。世界のあちこちで紛争が起こっています。それなのに「とにかく今、自分の周辺だけは」というのはあまりに身勝手な考えかもしれないけれど、すべての人がそう思って、すべての人の周辺から理不尽な争いがなくなれば・・・と思うのですが・・・それもあまりにも実現不可能な理想なのでしょうか。

この作品を観ながら、人間はこれまでずっと(そして今も)生きていくために戦わざるを得なかった、ということについて考えていました。その日の糧を得るために、から始まり、奴隷にならないためにとか、生きる権利を獲得するために、と様々な理由で戦わざるをえませんでした。今の私たちに選挙権があることも、学ぶことができることも、職業を選ぶことができることも、それらの戦いの末に立脚した権利です。それに至るまでにはどれほどの人が無残な死を迎え、それに対して残された人が泣いたのか。みな、自由と権利を勝ち取りたいけれど、しかし誰だって死にたくなどないのです。それでも、今日のことよりも、明日のことよりも、もっと先の未来のために戦った人たちで「今」ができているのです。

私はその時にその場にいたら、そんなふうに戦えるのでしょうか。

実際にはどんな戦いも、多くの人はただ巻き込まれているものなのではないでしょうか。人がただ、戦いの中のひとつの駒となって命を懸けて動いている。残念ながらこの地球で、人間という種族はそのようにしか生きていけないのでしょう。


そのような時代で、ゲイというマイノリティとしてその世界をどう生きていくかと戦っているふたりの人間がいます。クライルート大佐と反体制派の学生ビクターです。そしてもとは異性愛者だったようですが同性の男に恋をした男たちもいます。

タイという国を、貧困の人々を救済し、平等で、そして様々なひとりひとりの人が平和に生きる権利のために戦う彼らたち。一瞬の幸福とそれを切り裂く絶望。

繰り返されるそんな日々を乗り越えて「今」があるのだと感じる作品です。

どんな絶望の夜があっても、また次の日には陽が昇る。変わらないけれど変わろうとする今日が始まる。その朝の陽の美しさを、私も登場人物と共に泣きながら見つめました。

 

 

ラストシーン。そこは2025年のタイ。同性婚が法律で可決されたこの時、この作品の登場人物の二人が海を眺めています。

苦難の時代を乗り越えてふたりはきっと結婚したのでしょう。

ドラマが現実の、今のタイに結びついた瞬間です。

タイで同性婚の法制化が決まった瞬間。及びそれが実際に施行された日。メディアではそのアイコンになるようなハンサムでお互いに自立した有名俳優カップルたちが多く取り上げられてました。しかし中には老齢カップルもSNSの写真に写っていました。その人たちももしかしたらこの時代から付き合っていて、ともに長い時代を経て今に至った人たちなのかもしれません。

ラストシーンでの作中の彼らは2025年では多分、70代半ば。希望を持ちながらふたりであれから50年を過ごしてきたのか。そこで重ねあう老いた手と手。

作品の中に登場したすべてのひとたちが過ごした人生の時間が、見終わった後も深い余韻となって気持ちを満たしてくれる作品でした。

 

ドラマを選ぶときに、「好きな俳優」や「疲れた日常を束の間忘れさせてくれる温かい作品」で選ぶ人も多いと思うのですが、もしもなにかがっつり見ごたえのある作品を望んでいるのでしたらぜひおすすめです。

もしも見終わって、気に入ったら、そしてBe On Cloudの作品がまだ未見であれば、同じくU-NEXTで視聴できる『Kinn Porsche』『4Minutes』も観てほしいです。

 

  スタッフ・キャストについて

 

主演はBe On Cloudを代表するMileさん、Apoさん。ほかに脇で『4Minutes』で熱演したFuaizくんが、ビクターの友人のウットとして出演しています。

トリンの友人タナコムに、元NadaoのOabさんが出演。

そしてこの作品でもっとも強烈な印象を放ったプラチャー陸軍大将は、『Spare Me Your Mercy』他、どの作品に出演しても異彩を放つ Gandhi Wasuwitchayagitさん。

この作品のプロデュースはBe On CloudのCEO、Pondさんで、監督と脚本にも参加しています。

作中の音楽にも力を入れるPondさん。『Kinn Porsche』同様、SLOT MACHINEやSeason Fiveらの楽曲を使用し、エンディング曲も回によって変えています。

音楽から60年代終わりから70年代にかけての世界的な変革を予感させるムーヴメントを感じさせます。

作品の質を考えてもやはりBe On Cloud、資金は潤沢にあるのかなあ。そして今もタイには軍があり、特に昨今は政権交代が頻繁に行われて不穏な情勢は未だあるタイで、このような作品を作っていくことは本当にすごいし意義のあることだと思います。

 

今、ちょっとびっくりしちゃったんだけど、韓国映画『Love in the Big City』を観に行った感想ってどこにも書いてなかったの?!

そういえばXに書いただけだったんだわ。

予告ではまったくスルーだったのが、ちょうどお客様で原作小説を読んでる方がお勧めしてくださって、それで映画を観たらもうとても良くってボロ泣きで、友人たちに勧めまくった映画だったのに。

そして原作を友人が貸してくれて、それを読んでまたなんとも言えない気分になって・・・。

その、原作「大都会の愛し方」の韓国ドラマ版が去年にやっとU-NEXTで配信されたのです。

ポイント制で(泣)

(お願い、見放題来て・・・泣

 

さて、休日の夜、まだやりたいことはあるのだけれど、この作品の感想を書かないことには眠れそうにありません。

 

大都会の愛し方

原作 パク・サンヨン『大都会の愛し方』

監督 ホ・ジノ/ホン・ジヨン/ソン・デギョム/キム・セイン

 

脚本 パク・サンヨン

主演 ナム・サンス

 

映画では、奔放な大学生ジェヒと、学内の仲間に馴染めずクラブにばかり入り浸っているフンスの物語。どちらかと言えばジェヒにより焦点を置いた描き方であり、恋をしたり別れたりしながら彼らにとって生きやすい世界とはどんなところかを探しているような物語でした。

こちらは映画版の予告編です。

 

 

ドラマ版の内容は原作小説により近いものでした。

主人公ヨンの大学生時代から始まり、そこから小説家を目指し、会社員として働き・・・など環境が変化する中でヨンが出会い、恋をしていくさまが描かれています。

ただ、ドラマのほうでは女性のジェヒの名が「チェ・ミエ」に。

そして映画ではフンスとなっていますが、ドラマでは原作通りの「コ・ヨン」です。

 

普段、私がよく見ているのはご存じのようにタイBL。

ほとんどの作品が、出会い、いろいろあるもののハッピーエンドで終わります。

ゲイである彼らにとっては、その恋愛は友人、そして家族からも祝福されるべきものであり、もちろん社会的にもそれは当たり前のこととして描かれています。それは、そのこと自体は、大変に意義のあることなのです。

さらに彼らの恋は多くの場合は永遠の幸せであるようにも描かれます。

ゲイカップルのアイコンとなっているタイの俳優たちも、ふたりの関係性の豊かさと永遠に続く幸福をSNSで常に発信しています。

ただ、現実の恋愛はどうなのでしょう。

例えば、わたしたちの恋愛はどうだったのでしょう。

恋愛をするとドラマのように美男美女ではないのに、相手のことが途轍もなくチャーミングに見える。

会えた一瞬一瞬に私の脳内ではドラマのBGMがめっちゃかかってましたよ。

『大都会の愛し方』に登場するヨンも、恋愛をすると本当に相手のことが愛おしく、チャーミングで、その出会いは唯一無二のように感じます。しかし付き合っているうちに相手の持ち物や服やささいな生活習慣を「相手のために変えてあげたい」と思うし、そのうちに「変わらない相手にイラつく」という状態に変わっていきます。

あれほど好きだったのに冷めていく気持ち。それが悲しくてもう一度相手に向き合おうとするも、また離れていく心。

交互に訪れる恋愛の煌めきと喪失、この感覚、身に覚えのある人はたくさんいるのではないでしょうか。

 

つらいシーンはあるのですが、恋愛をしているときの愉快で煌めいているシーンも同じぐらいたくさんあるので、ぜひ見てくださいね。

観ながら、絶対に自分のかつての恋愛を思い出すのではないでしょうか。

 

とにかく、主演のコ・ヨンを演じたナム・ユンスが本当にチャーミング!

彼を支えるゲイの友人たちも。

私はクラブでバカ騒ぎとかしたことはないけれど、このドラマを観てたら一度はしてみたいなあって思っちゃった。こんなに大音量の中でバカみたいに飲んでバカみたいに踊って!梨泰院じゃ無理だけどタイだったらできるかな(笑)

 

このドラマ、結局、U-NEXTで観ずに友人が買った日本版DVDで見せてもらいました。これ、本当に買うの正解だわ。ずっと持っておきたい作品です。

脚本がいいのは勿論なのだけれど、とにかく演出がドラマの演出っぽい感じではなく映画的だなあと思って観ていたら、なんとあの名作『8月のクリスマス』の監督、ホ・ジノが関わってて、なるほどなあと思いました。もしかしたら4監督それぞれが4つの作品を手掛けているのかな。

 

DVDを購入して、またはU-NEXTで、ぜひご覧になってくださいね!

 

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ドラマを観た後で「これ良かったわ、知らない俳優だったけど。誰だったのかしら・・・」と思って調べたら、びっくりして顎が外れそうになるようなことってありますよね?『Lost In The Woods』で今、それを味わっているところです。

『Lost In The Woods』

2025年制作 全7話

監督   Jeab Napassarin Prompila

主演   Ton Tonhon Tantivejakul /Arm Varot Makaduangkeo

他に、GMMから退所後も様々な作品で活躍するNammonさんが出演

 

フィーファー役のTonhon、という俳優

ストーリーは高校を卒業し、日本の美大進学のための奨学金を得るために頑張るフィーファーの物語です。

ほっそりした体つきとキュートな顔立ち、そして透明感ある風情はまさに10代の少年に見えます。

実際にラブシーンも少なめなのも彼の実年齢がまだ若いからかな、と思っていたのですよ。

もうひとりの主演、色黒でマッチョなArmと比べて小柄で本当にかわいくて。

 

 

そしたらなんと、2026年現在で26歳。3月には27歳ですよ。

NADAOに属していて、「Hormones」1・2・3と出演しています。(もういよいよ観ないといかん・・・)

Tonhonが所属していたバンドの曲は「Great Man Academy」の中でも使われ、また、BUSを輩出した789SURVIVALにアレンジャーとして出演していたそうです。

さらには、GMMで活躍する演技派女優、Tuちゃんのお兄ちゃんなんですって!!

やだもう・・・! ほんとまだまだ知らないことばかりじゃない!

 

「恋愛未満」を描いた物語

「BL」はボーイズラブということで、元々は「少年たちによる同性同士の恋愛」を描いたところから始まっていると思います。

それがどんどん時が経つにつれ「ボーイズ」どころか職業がヤクザだろうが、またはサラリーマンだろうがおっさんだろうが熟年だろうが、とりあえずは「BL」と括られています。

そして「ラブ」に関しては、タイドラマでは物語のテーマの中心が「ラブ少なめ」なものも増えてきつつあるように思います。

つまりは、或る職業または設定モノであり、その登場人物たちはゲイである、という作品です。

例えば政界モノBL『MANDATE』。この作品は、お互いの愛情の行き違いが政治家としての立ち位置にも影響してしまうのでラブ度4割、ぐらいにしておきましょうか。

『4MINUTES』はあれほど愛情表現は多いけれど物語は「死亡する前の4分の脳内」をテーマに描いたミステリーで、うーん、「ラブ度5割」かな。『Spare Me Your Mercy』だって主テーマは「尊厳死・安楽死」じゃないですか。

そう考えると『Lost In The Woods』は、森林で働く青年と、そこで3か月働かされることになった少年との出会いという設定で「ラブ度100%」になりそうで、実は「ラブ度2割」ぐらいの稀有な作品なんです。あ、これ、勝手な私見なんですけれどね。

大抵は、倒れた時に相手の体を支えて急激に近づいたらラブゲージMAX!になり、ラブ度急上昇ハートのバルーンな展開になるのが多くの作品なのですが、急接近しようが、ケガした相手を抱っこしようが、ラブ度2割ぐらいな感じなのです。

なぜそんなにラブ度が少ないかと言えば、彼らのお互いに対する思いが、まだ「恋愛未満」ではないかと取れるからなのです。

タイBLでは、元々幼馴染だったり、または高校生や大学生の時に出会い、お互いに恋をして、そしてその恋愛が卒業して職業を持っても続き、さらには永遠に続くようなものであれ、という形で描かれているものが多いと思います。

ところがこの作品を観ていると、恋愛とはどういう状態でないとできないのか、ということを考えてしまいます。

高校を卒業したばかりのフィーファがかっこいい、しかし心に傷を負っているお兄さんヘムに対し、なんとなく好きになっている。ヘムも身近にいるどこか過去の自分に似た少年フィーファに特別な思いを抱いている。けれど彼らの思いはまだ決して、「永遠」を口にするような恋愛ではなく、いやこれは本当に「恋愛」なのだろうか、と思うようなとても淡い気持ちなのです。

いきなりラブ度100%を描く作品がほとんどの中で、ラブ度2割の作品を作ったことに対して、私はとても興味深く感じています。

 

少年たちの未完成さと未来

高校を卒業したフィーファは、日本の美術系大学に留学する夢を持っています。そのために成績を上げ語学学習し、奨学金を得るために努力をしています。

「成長物語」の多くが、物語のスタートでは主人公がだらしない・努力しない・誠実でないなどという描かれ方をしているものが多いのですが、最初からフィーファは、「どうすれば目標を叶えることができるかという視点を持っている少年」という設定であることに新鮮みを感じました。

フィーファの祖母は大きな森林公園を所有し、その管理をしています。孫に日本へ行くよりも、その自然の中でいろんなことを感じ、そして将来は彼女の代わりに森林を守る仕事に就いてほしいと考えています。そして孫の留学を許さず、数か月間をその森林公園での仕事を手伝うことをかなり強引に命令します。フィーファはそれを留学するまでの3か月に限定し、それを遂行することを決めます。

学生だったフィーファにとって未知の森林の中での仕事で、彼は様々な形で自分の未熟さを知らされることになります。

ちなみに私自身もちょうど大学に入る前の10代のころに、親に強制的に自分の未来の変更を余儀なくされた、という経験があります。私も普通に高校に行って大学に進学したいと思っていたところを、「女は中途半端な学よりも手に職」という考えで進みたい方向から強制的に変更させられたのです。だからこの作品のフィーファを、「留学したいと思っていた自分の夢よりも、この美しい自然の中で生活する。好きな男と」という風に進むのは、なんだかなあ・・・という思いを持ちつつ観ていました。

フィーファがほかの作品に比べて特徴的なのは、未熟な自分にめげずに、あくまでも自分の夢を遂行させるためには、まずは現在与えられた仕事をクリアすること、という合理的な思考で前に進むことです。

それでもそんな中で出会ったヘムに対する合理的ではない思いにどう対処していいのかわからないぐらい、フィーファはまだ幼いのです。

ではヘンはどうなのか。森について熟知し、そこで生活する人々からも信頼を得ているヘムも、フィーファの祖母から言えば未熟な男なのです。ヘンのかつての恋愛の失敗も、すべては彼の自分勝手さと一人勝手な思い込みでした。決して相手に裏切られたわけではなかったのに、ひとりで傷つき、ひとりで疑い、墓穴を掘っていったのです。ヘムも十分に未完成な人間でした。

そのふたりが出会い、どこか自分に似ているものを感じ、しかしその感情をどう名付けて良いかもわからないし、どうすればいいのかわからない。

フィーファの祖母はヘムに対しては見抜いています。「自分自身を愛していないからだ」と。

自分自身を愛していないヘム。そしてフィーファにはまだ見ぬ未来があります。

ああ、未来って、「未だ来ていないもの」なんだなって、観ながらそんなことを思いました。

フィーファにとって大切なものは日本でしか学べないものの中にあるのか。それともこの森林の中にあるのか。

経験していない彼にとってまだその答えは出しようがありません。

ヘムへの気持ちも、まだこれから先にある選択をすべて捨ててまで取るものかどうかさえ、彼には答えは出せません。

そんな未完成なふたりの、未だ来ていない世界の前に佇み、今はそれぞれの選んだ道に進もうとするという作品でした。

これはある意味、BL全盛の中でちょっとなかったタイプの物語ではないかしら、と思いました。

美しい風景もおすすめな作品です。

 

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切ない思い・・・。でも決してバッドエンドではありません。

私たちの過去の恋愛を思い返したってそうじゃない?

いくつかの過去の恋愛があり、それは素敵なものだった。でもあの時、その相手を選べない、または選ばれないことがあって、それはもうどうしようもなかった。そんなこと、あったよね。

そういう思いがこの作品を作ったのかなって思っちゃった。

 

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困っちゃったわ。正直、まったく期待もせず、ほぼ知らない俳優ばかりのドラマを観てみたら、これがなかなかの傑作で驚いちゃってるところよ。これはもう是非みんなに観てほしいワケよ。

『Every You,Every Me』

監督  Bogus Sutida Singharach

主演  Top Piyawat Phongkanitanon (1996年生

    Mick Monthon (2002年生)

2024年制作   

監督は女性で、この作品が初監督作品のようですが経歴を見ると非常に優秀な女性のようです。

他にキャストはGMMから移籍したFiatくんが非常にいいポジションで出演しています。

 

 

作品は全8話、5つのオムニバスストーリー

短編オムニバス。暇なときになにも考えずに見るにはちょうどいいかな。

そう思って見始めたわけです。

ということで騙されたと思ってそんな軽い気持ちで見始めてください。

最初のエピソード「ソウルメイトの伝説」では、Top演じるのは、一生懸命働いて自活している明るい貧乏青年サン。その明るさや強さ、そしてつぶらな瞳はどこか『Love By Chance』のCanを思い出しました。イメージはそんなちっちゃい男の子。

そしてMickが演じるのは、周囲からどこか浮いている硬質な感じの会社員ドン。55分の作品ながらよくまとまっていて、起承転結もいい感じだし、登場人物たちも魅力的。悪くない感じです。

では続けて第2話「僕、退職します!」も観てみようかな。

で、観て数秒で、ちょっと「え?え?え?」と画面を三度見すること間違いなしです。

あの冷たい硝子の少年、ドンを演じてたMickは、このEPでは髪の毛ウェーブのきゅるきゅる新人会社員に。

さらには貧乏で元カレにひどい仕打ちを受けてもけなげなサンを演じてたTopは、周囲から傲慢と評判のスーツの似合うCEOに。

それでもまだ、ここまでの三度見する首の角度はせいぜい90度ぐらいなんですよ。

第3話「出会いの日 別れの日」では、間違いなく目を剥いて「はああああああッ?!」と大声で叫ぶことになるでしょう。

驚いてほしいのであまり書きたくありませんが、書いちゃいますよ?

EP1ではクールで、EP2ではキュートな、それでも若くて華奢な青年だと思っていたMickが、EP3では

キラキラめっっちゃマッチョな働くお兄さんキラキラ

なんですもの・・・!

こんな肉体、今までどうやって隠してたん・・・??

そしてTopは儚げな美青年。

 

続くエピソードでも本当に驚きますよ。

正直、これだけでも俳優の様々な変化が楽しめて、十分興味深い作品じゃありませんか。

 

『メタBL』として語りかけるもの・その1 BLとしてのポジションの無効化

この作品は、2人の俳優が様々な役を演じ分けているのですが、EP2で彼らの関係性のポジションが変わることに気付かされます。

BL作品では長らく「攻め・受け」というポジションについて語られます。

作品の中で「どちらが攻めでどちらが受けか」というのは、それが語られていない作品の場合は論争になる場合もあります。これは、元来はオタクたちがその作品世界だったり、または登場人物たちの性格や性的志向をどう解釈するか、について考察しあうことだったと思います。その考察に対する差異はしばしばもう少し大きな論争となり、それを楽しむ人もいれば相容れない人もいて・・・という感じでしょうか。

BL作品を俳優が演じるとき、オタクたちはそこで生まれた「攻・受」ポジションを別作品で覆されることを厭う層も生まれます。しばしば、作品本来の出来よりも、その点でファンが離れたりすることもあるようです。

BLファンの中では、演じている俳優たちが別作品でも共演を望むこと、そして「左右固定」とも言いますが、攻受というポジション

固定のままでいてほしい、そういった願望がよく見受けられます。

 

興味深いのは、この『Every You,Every Me』という作品は、2人の固定した俳優が様々な役を見事に演じ分けることによって、その「左右固定」という概念を無効化していることです。

 

面白いのが実際に、後半のエピソードですが「今度は上と下、逆にする?」なんてセリフも出てくるのです。これは、この作品全体を通してまるで視聴者に問題提起してるセリフのようでもあり、非常に興味深いです。

役柄のポジションを固定しないことで、TopとMickは俳優としてのポテンシャルをどこまでも広げられますし、そしてそれに応えています。

 

『メタBL』として語りかけるもの・その2 私たちが観ているものはフィクションである

作品の内容について、これ以上詳細に語るのは面白さを半減させるのでやめておきます。

ただ、この作品が後半になればなるほど、入れ子構造を用いて「メタフィクション」としての特性を表していくのです。

 

あるエピソードでは、ドラマを制作している現場が登場します。

私たちはどんな作品でも、作品の世界観の中に没入していきますし、その俳優たちの演技をまるでどこかの世界で起こっているホンモノのように観てしまいます。

見つめあう。その目の中に欲望を感じて自分も相手を求めていく。息が荒くなる。身を引いて相手を呼び寄せる、例えばベッドルームに。

そういったシーンを見るたびに、俳優のその目の中で開く瞳孔や、わずかに動いた下瞼の痙攣とか、そういったものの中に「本当の想い」を探して感情移入するし、感情移入させてくれる俳優をいい役者だと思うし、ファンになる。

けれど、そのシーンをカメラから観てOKを出したり、それではだめだと指示する監督がいて、シーンを説明する助監督がいて、次の撮影のために小道具さんや衣裳・メイクさんもたくさん控えてその演技を見守っているのですよね、実際は。たくさんのスタッフに支えられて、そのフィクションが視聴者に「本物」だと感じさせるよう作っている、ということを、この作品では表すんですよ。

「ワークショップ」のシーンも非常に興味深かったです。実際にタイの俳優はこういうワークショップを重ねてドラマに出演しているんだなあ。閑話休題ですが、BillkinPPの『I Promised You The Moon』ではBillkinがワークショップを受けるシーンが出てきますが、あれは結構アーティスティックな演出でありシーンでしたが、この『Every You,Every Me』で登場するワークショップは結構現実に近いのではないかしら。そしてそれを演じているシーンも、これは巧いな、と言わざるをえません。

 

私たちファンにはいろんなCPの推しがあります。

そのふたりが本当に「永遠の恋人同士」だと強く願っている層はかなり多いと思います。

「すべての俳優がそうじゃなくても、でも〇〇●●だけは!」と思っていたり、しますよね。

そして私たちは時折、そのファン自体が、その後の彼らの俳優としての活動を阻んでしまった事態を何度も見ています。

このオムニバス作品がどう閉じるのか、は実際に観てほしいところです。

しかし、この作品が私たちに語りかけているのは、「私たちが観ているBLドラマは、フィクションなのである」と改めて明言しているということです。

たくさんの人たちで作り上げている作品に対し、思い切り笑ったり泣いたりして、感情を揺さぶられたりして楽しんで。

でもそのあとは、俳優やスタッフたちの私生活を邪魔せず、彼らの幸せを静かに祈っていましょうよ。

みんなが余計な願望を押し付けないように。

作品や俳優が売れるということを考えると、線引きは本当に難しい。

でも私は、作り手がいつでも自由で、そして幸せであってほしいと思っています。

 

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そしてこのドラマにもまたのめりこんで、それぞれのTopとMickが演じたふたりの永遠についてやっぱりどこか本当のことのように思えちゃったりしてるわけなんですけれど、この作品を終えてまたTopは別の作品で別の男の子とのCPでドラマにいっぱい出演しているのね。ほんと、どのドラマも心の中にしばらく大きな余韻を与えてくれる素敵な夢なのよ。
とってもきれいな箱をいただいて、そのお礼を言おうと思ったら、すでにこれをくれた人たちはどこかに行ってしまってる。ひとつの作品をたのしんだ後は、そんな寂しさが少しだけ残る。

 

 

 

 

今年もこれを書く季節がやってきました。

2025年のBLドラマ総括!

ところで、少なくとも去年まではこれについて何人かで集まって語る機会を持っていました。

しかし今年はそれをやるのは早々に無理だろうという結論に達しました。

なぜなら、BLドラマが多すぎたからです!

日本の作品もものすごく増えました。

これまでは韓国の作品はそんなには多くなかったのに年々増えていってます。

そしてタイがもう、「ある程度はオールラウンドに見る」なんてことができなくなりました。

事務所で言えば、GMMTV、Domundi、MeMindY、ほかにも多くの事務所がそれぞれが量産しています。または配信ではこれまでYOUTUBEである程度視聴できていたものが、iQIYI、WeTVのVIP会員でないと観られないものも数多くあります。そして日本の配信サイトでの新作独占公開も多々あるBL百花繚乱!

金銭的な問題だけでなく、時間的にもとてもオールラウンドに視聴していくということが難しくなってきました。

すごくいいことだと思いますよ!

でももうそれぞれが観ているものがいろいろ過ぎて、みんなで集まって一緒に話すということが難しくなってきました。

 

そういう中での、私が観たものに関してとてもよかったものを振り返ってみようと思います。去年同様、もう順位とかはつけられません。

iQIYIやWeTV、Netfrix配信作品にいいものがいっぱいあるのはわかっているのですが、私はいつ観られるのかなあ・・・。

 

 

 

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まずは「2025年」をざっくり振り返ると・・・

去年、2024年にも「順位はつけられない」と言いつつも、私の中でその年を代表するような、とても傾倒した作品に出会いました。2023年も、2022年も。しかし、今年はそれほど私の心の中を強く占め、視聴した後も長い間その作品について考察したりするような作品がありませんでした。いえ、それは単に私にとって今年はドラマを視聴する時間が減ったということもあるかもしれません。

 

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今年ハマったタイドラマ 🇹🇭

 

宝石緑『ThamePo』

監督・脚本  Mui Aticha Tanthanawigrai

主演 William/Est 他、LYKN

今年の始まりは『ThamePo』でした。

『Love By Chance2』から知り、『HighSchool Frenemy』でも観ていたEstが、こんな主演が張れる、そして素敵な役者だったとは!迷う瞳、憂う瞳、そして芯にあるそこはかとない強さ。

更には普段のEstのとんでもなく素晴らしい体形。こんな人が数年前まではタイの水泳選手だったとは。この人、いったい何を考えながら泳いでいたの??って何度も叫びながら観ていました。

Williamはもちろん、LYKN全員の演技もみんなよく、全員に見せ場を作り、LYKNの歌もフルに使用しながら最初から最後までダレることなく進むストーリーもとても良かったです。

後半では、私たちファンの思いと俳優、またはアーティストの個人的な恋愛の関係も描かれていました。

ステージとか作品から降りた彼ら彼女たちは、ひとりの人間であり、もっと自由に生活してほしいと思っています。でも何よりもそれを阻むのは彼らのファンである、という矛盾をこの作品は描いています。

 

宝石緑『MANDATE』

監督・脚本  Prin Kiratirattanalak

主演  Boy Pakorn Chatborirak/ Ben Bunyapol Likhitamnuayporn 

 

この作品にクレジットされているのがMONO29という見慣れない文字。調べたらタイ大手のデジタルテレビ及び衛星チャンネルだそうです。よくわかんないけれど本当に様々なところがBLドラマ制作に出資してるんだなあ。気付いたらこのドラマは、ほかのタイドラマにありがちなスポンサー商品を出すシーンが一切ないんですよ。

社会活動に熱心な医者Nongに注目した、ある政党党首の息子Wi。WiはNongを国会議員に押し上げ、そして社会の改革を試みようとするという社会派ドラマ。

前半は主に選挙活動。そして後半が議員になって国会を運営する物語。

権力やお金を求めて蠢くのは「悪人」ばかりではなく、小さな幸せを求めて願う市井の人々もみな同じこと。その大勢の生きている人々の願いや欲にどのように道筋をつけるかというのが政治というものであり、その難しさを痛感します。

タイでは法制化された同性婚。だからこそ、主人公が同性愛者であるということを下敷きとして、社会と政治の問題を描けるところが、タイすごい!

そして『Step by Step』で初主演だったBenが、この作品では成長を見せたなあ。

 

宝石緑『Burnout Syndorome』

監督・脚本  Nuchy Anucha Boonyawatana

主演  Gun/Off/Dew

 

まだ前半だから何とも言えないけれど、今年の作品の中でひときわ異彩を放っているともいえる『Burnout Syndorome』。

いまのところはGun・Off・Dew3人の、まだ何も起こってはいない、そしてなにかが起こる前の揺らいでいる心模様を描いているだけなのだが、ものすごい緊張感。

年末のお休みを終え、新年から始まる展開にワクワクしてます。

 

その他、GMM作品になりますが、

宝石緑『My Magic Prophecy』

監督  A Natthaphong Wongkaweepairod

主演 Jimmy/Sea

作品に恵まれているなあと感じるJimmySea。お互いを理解しあうというところに立脚しているふたりの関係性を象徴するような作品です。

宝石緑『MuTe Luv』

監督  Nat Thachai Komolphet, PingPong Suwanun Pohgudsai, Prang Sasinan Pattana

数人の監督による7作品オムニバス。短編とはいえ中身が濃い。こういうのこれからも作っていってほしいなあ。

宝石緑『Hide&Sis』

監督 Tle  Tawan Charuchinda

主演 Jan/Aye/JingJing/Piploy

GMMを牽引する女性たちの競演。緊張感あるサスペンス。

宝石緑『That Summer』

監督 Jojo Tichakorn Phukhaotong

主演 Winny/Satang

WinnyもSatangも主演の顔になっている! ちゃんと物語を牽引する存在感を出しているということに感動。ふたりとも役柄のためかほぼメイクせず、日に焼けることも厭わず演じているところも好印象。

宝石緑『Me and Thee』

監督 X Nuttapong Mongkolsawas

主演 Pond/Phuwin

孤独な優等生、初恋に空回りする少年、恋愛未満の大学生などいろんな10代~20代を演じてきたPhuwinが今作では余裕で人を支える青年を演じている。そしてこれまで割とぶっきらぼうな役どころの多かったPondが非常に表情豊かで表現力の幅を広げている。その二人が一番の見どころ。最高のサプライズを与えてくれたEstも最高。

 

『Gelboys』 『Shine』『The Wicked Game』『The Believers』『Kemujira』や大阪アジアン映画祭で上映された映画『いばらの花園』『The Red Envelope』などをまだ観ていないのですが2026年に持ち越しというところでしょうか。 

 

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今年ハマった中国ブロマンスミステリー

宝石緑『光・淵』

プロデューサー 楊夏

原作 Priest

主演 張新成/付辛博

もしかしたら今年一番ハマったのはこれかも・・・?

中国では2023年に公開するも第8話で配信停止になったとか。

全30話。

登場人物も多く、最初から人物メモを取りながら視聴。

映像も美しいし物語も非常に面白い。

巧妙にこれが「BLであること」を隠し「中国ではない、架空の世界の物語」としているけれど、それでも配信停止になるとは本当に残念。

ちなみに原作も読んでいるけれど、原作もドラマの中の事件に至る詳細を丁寧に描いていてミステリーとしても秀逸。またドラマも原作をまったく損なうことなく映像化している。中国の、作家や製作陣の底力を見せられた。

 

その後、中国ブロマンスミステリーが気になり、『到命遊戯』を視聴し、現在は『君子盟』を視聴中。

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今年ハマった韓国BLドラマ

韓国がBL作品に強い意欲を見せていますよね。

何作かはいい作品を輩出するも、多くは「かわいい、少女マンガのようなBL」という印象でした。

しかし最近はそれを脱し、ゲイの物語を真摯に描こうとしているのを感じます。

私はまだ視聴中ですが『大都会の愛し方』などはそのひとつではないでしょうか。

 

宝石緑『何か間違っている』

主演 チェ・ミンホ/チョン・ジェヒョン/チ・ミンソ

 

韓国BLのテーマの一つ、こじらせ系少年のBL物語。しかし脚本と演出が秀逸。

 

 

宝石緑『秘密の間柄』

主演 キム・ジュンソ/チャ・ソンヒョン/チャ・ジョンウ/キム・ホヨン

 

なんとBoysⅡPlanetに出演したキム・ジュンソ。この作品とその後のボイプラ2でのジュンソのイメージの違いはかなり大きい。この作品もストーリーに惹きつけられる。

 

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その他にハマったもの

全員がある意味主演であり予測できない物語としてハマってしまうのがオーディション番組。

2025年も「Chuang Asia2」と「BOYS ⅡPLANET」にハマりました。また過去に配信されていたLYKNを生んだ「Project Alpha」にも。

そこで使用された楽曲を聴くことで中国や韓国、タイのポップスを知り、メンターまたはマスターと呼ばれるミュージシャンやダンサーの言葉に頷き、そして練習生の彼らの努力に思いを馳せる。

「Chuang Asia2」と「BOYS ⅡPLANET」は毎週が待ち遠しく、とても熱心に視聴していました。

 

オーナメントオーナメントオーナメント

 

私が2025年にハマったエンタメ作品はこのような感じでした。

2026年も毎週が楽しみになるような作品に出会えますように。

そして、本当に難しい問題なんですけれど、エンタメを愛する私としては祈らざるを得ないことは、

中国も!香港も!台湾も!タイも!日本も!そして紛争を抱えている様々な国、

どこでもそこに住む人たちが平和で、納得できて、不安の少ない毎日を送ることができますようにお願い

 

さあ、もうすぐ。

ハロー、2026年!

 

 

先日、私よりもたぶん30歳以上は若い女性がビールを飲んで少しリラックスした口調で話し始めました。

仲良くしてる友達が何人かいて、集まって映画の話をよくしてたんですが、そのうちその友達が結婚して子供ができて、なんとなく疎遠になってきたんですよ、と。

私の経験からの考えを話してもいい?と前置きして、彼女に答えました。

これまでのことを考えると、約10年単位で友達って入れ替わる。別に仲たがいしたとかではないのだけれど、お互いの生活環境の変化の中で少しずつ価値観が変わってくるせいだと思う。だから、すごく大切だった友達と疎遠になっていくことを怖れないでいいと思う。それでもやはり人との中にいたほうがいいと思う。新しい関係をまた構築していくのがいいと思う、と。

その時、なにかが変わりながら巡っていくイメージが頭の中にありました。

 

1年、という単位での変化は緩やかだけれど、しかし少しはあった。

その「少し」が累積していって、例えば10年で考えると、結構いろんなことが変わったなと思う。変わらないこともあるけれど、でも人間関係は変化したな。10年前にはタイドラマにはハマってなかったから、それを境に出会った人は多数あるし。店の場所が変わったことでも人間関係に大きな変化があった。その中で変わらず来てくれる人がいることもまた確か。

 

私の2025年。

「あ、1年(近く)続いた!」という喜びがまず真っ先に浮かぶ。

●去年の1月から、朝の出勤前に夫と10分間のストレッチをすることはちょうど1年続いた。1年続けばちゃんと習慣として日常に組み込まれていく。これからも続けていきたいと思う。

●英語学習は、グループレッスンを経て今はずっと独学だけれど、春に思い立って始めたDuolingoは開始して今日で342日、毎日どんな時も休むことなく継続してる。これを始めたせいで1日約1時間近くは英語に向き合っている。

●2022年秋から始めたHipHopダンスはこれで3年続いた。気持ちよく楽しくダンスできるカラダを目指していきたい。

●友達と毎月短歌を作ってふたり歌会をやっていこう、と4月から始めて、これも続いてる。

●2025年もなんとかうちの店は継続できた。商売は山あり谷ありだけれど、仕事自体は楽しいからできる限り続けていきたい。

 

変化と言えば・・・。

●今年は病欠で休むこともなく・・・と思っていたら12月23日、夫は網膜剥離の診断を受け、緊急手術&入院に。繁忙期に2週間以上休むというオソロシイ事態に。しかしお互いの体や食事を見直すいい経験になりそうでもある。

うちの毎日の食事はそんなに悪くはないと思っているのだけれど、夫の血糖値は高めだ。夫の亡父も早くから糖尿病を患っていた。今回の入院での病院食は、夫にとって新たな発見があったみたい。その病院食を意識して食事を改善しようかな、なんて言ってる。年明けには糖尿病内科を受診しようかな、とも。ずっと私が口を酸っぱくして言ってても全然応えなかったのだけれど、やっと自分の血糖値の高さについて危機感を持ってくれたみたい。

●何十年も旅行は私と夫、一緒にしてきたし、楽しくていい相性だって思っていたのだけれど、2023年の私のタイひとり旅から始まり、今年の釜山旅行で、「もうお互いのタイミングに合わせて旅行するのは結構しんどい・・・」と思い至った。これも私にとってすごく大きな変化の一つ。年を取ると、おなかが空くタイミングも違うし、空いてないけれど相手に合わせて食べることもできなくなってくる。旅でしたいことが違ってても、若いときはそれに合わせる体力があったけれど今はもうそうではない。今年はそういうことにはっきり気付いた年だった。

お互いにやりたいことをして、朝とか夜の食事時に集合してお互いの成果を報告しあい、また別々の楽しみにそれぞれ向かう。そういうことが楽しいということに気付けたのは、私にとって本当に大きなことだった。

●私の父が亡くなった。私の年代はみんなそうだけれど、周囲や自分の家族が老いの人生をどこでどう過ごすか、そしてどこでどう死ぬかは、自分に直結する出来事であるし、その未来は本当に自分の身近なことに思える。

 

とにかくはしたいことはすぐにやり、毎日を楽しく生きていくこと、そこに答えを探す日々である。

こんな年になってまだ、私はやっぱりこういうことが好きなのだなあ、こういう時間が楽しいのだなあと発見することが楽しみなのだ。

 

2025年はこんな年でした。

2026年も好きだと思える人の中で楽しく生きていきたい。

どんなことの中にも面白いことは潜んでいるから、それをひとつひとつ探したり摘み上げたりしながら生きていきたい。

そして、世界がなるべく平和でありますように。

 

画像は、入院中の夫から、退院してもしばらくは安静にしていないといけないことがわかって届いたLINEのスタンプと私の返信。ほんと、なにがあったってその裏には楽しい側面もあるなって思った。

 

 

 

2025年11月25日。待ちに待ったGMMTVの2026年の作品ラインナップが発表されました。

ちなみに去年発表されたもので公開されたもの・未公開のものは現時点で以下の通りです。

 

 

さて今年は配信時間は5時間以上!そして去年に比べてGL作品多数。GMMTVが抱える女優陣のこれまで以上の活躍が期待されます。

今年は3部構成で、1部・・GL 2部・・BL・GL以外 3部・・BLという構成でした。

あまりの本数なので2部と3部の作品を中心に発表順に記録していきます。

27作品あります!

 

OVERDOSE 

監督 Tle Tawan Charuchinda(Hide&Sisなど)

キャスト Tu/Nani/Nanon/Chari/Book

個人的期待値星星星

 

Surf 'n' Love

監督  Captain Rawiphon Hong-ngam(Summer Nightなど)

キャスト Ohm/Parn/Est

肉体美星星星

 

Mr.Kill

監督  Chic Sakon Tiacharoen (Leap Dayなど)

キャスト Dew/Tee/Singha/

ストーリー期待値星星星

 

Arrest and Action

監督 Dome Jarupat Kannula ( Peaceful Property など)

キャスト Sky/Nani/

監督&ケミ期待値星星星

 

Scarlet Heart

監督 Fon Kanitta(High School Frenemyなど)

キャスト Tu/Win/Nanon/Tay Tawan/Fourth・・・

無事見れますようにお願いお願いお願い

 

I Will Always Save You

監督  Jojo Tichakorn Phukhaotong (That Summerなど)

キャスト Jimmy/Sea/Dunk/

監督大好き度星星星

 

The Invisible Dragon

監督  Ja Yosssinee Nanakorn (初監督作)

キャスト First/Khaotung/Namtan/Bright/

FirstKhaotungは好きだけどここはBrightさんに期待値星星星

 

Unlucky Bae

監督  Yokee Apirak Chaipanha (初監督作)

キャスト Mac/Tham/Stamp/Aun

 

Cupid's Ghost

監督 現時点で不明

キャスト Earth/Mix/Ohm Thitiwat/Poon/

個人的期待値星星

 

How to Survive My CEO

監督  Natthanon Kheeddee (Revampなど)

キャスト Joong/Dunk/Lego/Tui

個人的期待値星星

 

17th Spring

監督 New Siwaj(Perfect 10 Linersなど)

キャスト Aston/Chokun/Titan/Singha/

若手期待値星星

 

Plan B to U

監督 現時点で不明

キャスト Boun/Prem/

個人的期待値星星

 

Roommate Chaos

監督 Au Kornprom Niyomsil (My School Presidentなど)

キャスト Mark Pakin/Ohm Thipakorn/

個人的期待値星星

 

When Oranges Fall

監督 New Siwaj(Perfect 10 Linerなど)

キャスト Almond/Progres/Ken/

爽やか値オレンジオレンジオレンジ

 

Gunshot

監督  Koo Ekkasit Trakulkasemsuk ( Friendshit Forever など)

キャスト Off/Gun/

個人的期待値星星星星

 

Good Boy

監督 New Siwaj(Perfect 10 Linersなど)

キャスト Mick/Luke/

若手群像劇はみんなNew監督ですかカチンコカチンコカチンコ

 

Lovers & Gangsters

監督 Wun Songsak Mongkolthong ( My Sweetheart Jom など)

キャスト Force/Book/Great/Bright/

来ましたよGreatBrightが!星星星

 

Twenty One

監督  X Nuttapong Mongkolsawas (など)

キャスト Junior/Mark/Nut/Hong/Great

個人的期待値星星星

 

My Professional Boyfriend

監督  Ninew After graduating (Only Friendsなど)

キャスト Winny/Satang/

個人的期待値星星星星

 

Kiss Me, Remember?

監督  Junior Sanpetch Wongprasertphol (初監督作)

キャスト Barcode/Kin/

爽やか度チューリップ黄チューリップ黄チューリップ黄

 

Billionaire Biker

監督  Champ Weerachit Thongjila (2getherなど)

キャスト Aou/Boom/

個人的期待値星星

 

Write You Again

監督 Waa Waasuthep Ketpetch (Be My Favoriteなど)

キャスト Krist/Singto/

個人的期待値星星

 

Weirdo-101

Champ Weerachit Thongjila (2getherなど)

キャスト Sea/Keen///

あらChamp監督最近忙しそうねカチンコカチンコ

 

Match Point

監督  Chic Sakon Tiacharoen (Leap Dayなど)

キャスト Ping/Teshow/

PingようこそGMMお祝いお祝い

 

You Maniac

監督  Prang Sasinan Pattana (Break Up Serviceなど)

キャスト William/Est/

キャストへの期待は高いが監督はまだ経験浅そう星星星

 

The Spooky Love Tale

監督 現時点で不明

キャスト Perth/Santa/

個人的期待値星星

 

Replay(制作中止)

キャスト Tay/New/Pond/Phuwin/Joss/Gawin

残念ながら制作中止タラータラータラー

 

High & Low Born to Be High

監督 Hlung Kamthorn Lorjitramnuay

キャスト Nanon/Sky/Nani/Joss/Pond/Sea/・・・

2027年予定

 

オーナメントオーナメント

以上です。

ちなみに去年のGMMTV2025に関するブログはこちらです。

 

 

 

 

 

私が一番最初にお世話になった配信サイトは「FOD」です。

それまで、映画は映画館派の私は配信サイトに入る理由が全くなかったのですが、2018年、FOD独占で『ポルノグラファー』配信ということで初加入。そして長らくFODだけにとどまり、『ポルノグラファー』『インディゴの気分』を見倒す合間に日本や台湾のBL作品を観ていきました。

現在は金銭的な都合で様々な配信サイトに入ったり抜けたりです。

9月になり、久々にFODに入ってマイリストに見たいドラマをピックアップしながら、

『さすがやで。やはりBLといえばFODやないかい!』

とニヤニヤしてました。
 
まず観たのが韓国BL『何か間違っているSomething's Not Right』です。
2025年の作品ですがまったくのノーチェックでした。
主演登場人物は3人ですが、どの子もこの作品がデビュー作のようです。
 
ド・バウは幼馴染のチ・フンにずっと片思いをしています。彼らは幼いころから一日中を共にするほどの友達同士ですが、もう気持ちが抑えられなくなりそうで友達でいられないと思ったド・バウはチ・フンに絶交宣言をします。しかしチ・フンはそれを受け入れません。
ド・バウのひそかな思いを託したノート。それを彼は図書館の中で落としてしまうのですが、それをアニメ学科のチョン・ハミンに拾われてしまいます。しかしそれが日記ではなく優れた小説だと勘違いしたハミンは、ド・バウにそれをもとにしたアニメ作品を作らせてもらえないかと迫ります。
 
書きかけの小説だと思ったハミンがアドバイスしたことを実行するド・バウですが、チ・フンは想定した行動とは全く別のことをします。
おかしい。そんなはずではないのに。何かが間違っている!
 
こどものころの好き、というのは、「コロッケが好きー!」とか「アイドルの〇〇が大好きー-!」とか、そう思い、ほがらかに口にすることで完結していました。
でも中学になって身近な誰かを好きになったとき、好きという気持ちと同時に感じたのは、その「好き」は知られてはいけないことだ、という感情でした。
気持ちを伝えて両思いになる、ということよりも、知られてしまってクラスメイトとしても気まずくなるのを是が非でも避けたいという気持ちでした。秘めた気持ちがバレさえしなければ、いくらでも話しかけたり遊んだり何かを貸し借りしたりできたのです。
 
ド・バウもずっとそうしていたのですが、高校生になり、どうしても身近すぎゆえにチ・フンに気持ちを偽ったままでいられなくなり、「好きだ」といいます。チ・フンも「俺も好き」と言います。
え。両想いじゃないですか?!
しかし、ド・バウは思うのです。
違う。何かが間違っている、と。
 
好きだと言って、僕も好きだと言われても、何か違っているような気がする。その好きは、自分と同じ「好き」なのだろうか。
じゃあ付き合おう、という。「いいよ」と言う。
でも、その付き合うは、自分が考える「恋人として付き合う」なのかどうか。
言葉を交わしても、それでも相手の考えていることがわからない。
ずっと幼馴染だったからわかっていると思っていたはずの相手のことが、まったくわからなくなっていく。
 
そういった10代のころの感情を描いた良作です。
是非観てほしいです。
 
ドラマのタイトル、Something's Not Rightの出し方も
「こんなはずじゃなかった!!」感がめっちゃ表現されていて、本当に気持ちがいい。
韓国BLでほんと多いこじらせ男子ですが、ド・バウはこじらせ男子の最上位を行くキャラではないでしょうか。
 
作品的に非常に優れた韓国BLでありこじらせ男子系BLとしては、『秘密の間柄』や名作、『To My Star2』『恋愛至上主義区域』『僕の指先に君の温度が触れるとき』などがありますが、この『何かが間違っている』もその中に入ると思います。
FODに加入したらぜひ見てみてくださいね!
 
 

  My Magic Prophecy

監督  A Natthaphong Wongkaweepairod 

(『The GAP』『The Sign』など)

キャスト

Tap:Jimmy

In:Sea

・・・・・・・・・・

Ton:Save Saisawat

Pong:Franc Naruth

Kan:First Kanapan 

 

JimmySeaの良さ

この作品の第1話を観て最初に思ったのは、「JimmySeaって作品に恵まれてるなあ・・・」でした。

『ViceVersa』『Last Twlight』に続き、CPでの作品はこれが3作目。

特に2023年11月~2024年2月に放映された『Last Twilight』は2024年のタイBLドラマの中でも非常に評価の高かった作品でした。

そして、今回の作品もすごくいいんですよ。

占いに関して拒否反応が強い、医者のTapと、なぜかTapの危険を察知してしまったタロット占い師In。

危険を回避するためにInの住んでいた田舎へ身を隠すのですが、その田舎での生活と、バンコクでの病院内で繰り広げられる策謀を描きつつ、ふたりがゆっくりとお互いを理解しあい、関係を深めていく姿を描いています。

 

GMMが抱える俳優たちの中で、この数年、固定CPとして安定してドラマに出演し、LOLにも参加するCPに、EarthMix、JoongDunk、ForthBook、FirstKhaotung、PondPhuwin、GeminiFourthそしてJimmySeaがいます。

この中で、JimmySeaがもっとも多くマイノリティな人を演じていると思うんですよ。

『ViceVersa』では、Jimmyは人気俳優、Seaは就活中の学生でしたが、このふたりはその記憶を持ったまま異世界に転送され、別の人間として生きていくことになります。

『LastTwilight』ではJimmyは前科持ち、Seaは視力を失ってしまった元バドミントン選手。

そして今回はJimmyは医者、Seaが身近な人間の未来予測もできる占い師。両親の死を予測するも何もできず、それゆえトラウマを背負った青年を演じています。

 

Seaくんは元来、きれいな顔をしているうえに鍛えられた体も美しい人なんですが、少し内向的な役が多いですよね。

『The Trainee』でのオタクっぽい感じもとても良かったです。

Jimmy先生は、『BadBuddy』でのキレやすいWaiは最高だったんですが、基本的には慈愛のこもった表情で相手を包み込んでいく役柄がとても多いです。

で、その、Seaくん演じる思考が内側にこもっていくタイプの登場人物を、Jimmy先生演じる人物がゆっくりと包み込んでいくんですよね。

まず最初に相手への理解があり、決して急がずに相手の歩み寄りを待つのが、Jimmy先生演じるキャラの共通点です。

なんにせよですね、Jimmy先生のまなざしから、すごくあったかくて深い愛がいつも滲み出てるんですよ。

そして彼らが傷を負っていたりマイノリティだったりする役柄を丁寧に表現していくところ、これがもう他のCPにはないJimmySeaの魅力だと思うのです。

 

視聴方法(2025年9月現在)

●楽天TVにて毎週日曜配信

●VPNに繋いでYoutube


タイが好き、というかタイのエンタメにハマっていますからね、「タイ」の映画、そら観に行かねばならぬ。
そういう気持ちもあるんです。
でも、そういうことではなくて、これは映画好きな人にはとてもお勧めしたいわ!と思ったのが現在(2025年6月現在)公開中のタイ映画『親友かよ』です。
まずは、映画のテンポの良さ。
例えばオープニングですね。
登場人物がなにかとても嬉しいことがあったらしく、軽快に動いていくその姿を追う心地よいカメラワーク。アップになるその笑顔。そしてその彼を遠くから映す真正面からの映像を、横から高速で移動するものが瞬時にぶった切っていく!
そのスピード感溢れる最初の映像でもう、うわっと私は前のめりっていうか体が10cmぐらい宙に浮いたっていうか、そんな感じでした。
ほんと、この映画の最初のおすすめポイントは、そのテンポとスピードです。
若い俳優の子たちもみんな魅力的です。
本当にざっくりとですが、この映画の設定を紹介します。
高校卒業を数か月後に控えたとき、「ペー」という男子が転入してきます。
人とコミュニケーションをとることに何やら問題がありそうなペーペーは受験免除での大学進学を狙って短編映画コンクールに応募することを思いつきます。内容は、亡くなったクラスメイト、「ジョー」について。そこに映画監督の娘であるボーケーや高校の映画部メンバーが集まってきます。
主人公であるペーは、かなりヤバいやつっぽいです。前に付き合ってた彼女に対しても、そして転向した先で話しかけてくれたジョーに対しても。さらにはひとりになったときの謎のダンスや動き。不気味でそして面白い。
そんな風に物語に引き付けられていくのですが、前述したとおりペーは映画の製作を始めるのです。
この、映画を作るというシーンは、映画好きならきっととても面白く感じられるのではと思います。
そしてだんだんと気付いていくのが、この作品の脚本の面白さです。
最初にざっくりとあらすじを書きましたが、まずは予告などで提示されているその設定から受ける印象は早々に裏切られます。さらに最初の部分から描かれている世界、それも、誰かの目で切り取られた「ある瞬間」の世界なのです。しかし、その同じ人物が経験した過去、過去に見た世界、それを最初のシーンに少しずつ足していくと、そこには観客が「きっとこうなのだろう」と感じた世界とは全然別の世界が現れてくるのです。
例えばある印象的なセリフ。それを最初に言ったのは誰だったのか、とかね。
少しずつ紐解かれて開かれていく世界。
そうやって少しずつ、少しずつ、私たちは最初に思っていたところとは全く違うところに立たされていきます。それこそがこの映画の面白いところです。
 
この作品の脚本も務める監督は33歳(多分撮影当初は30歳?)という若さです。
タイのエンタメ界は若い人たちが活躍しているところがすごくいいね。
様々な映画へのリスペクトを込めた楽しい映画製作シーンや音楽、そして上手に使われてクスリとさせる(あるシーンでは泣かせる)「監督のポーズ」、本当にいいテンポで丁寧に作られています。
予告にでも出てきますが、前述した「ある印象的なセリフ」のひとつに、
「君のことを知らない僕がいつから親友になれると思う?」
「秘密を打ち明けた時からだ」
というセリフが出てきます。
この定義は作中でとても効果的に使われるのですが、
実は最後に、観客にしか明かされない秘密がそっと登場するのです。
見終わって気が付いたのですが、つまりそれは観客であるわたしたちも「彼」の親友となったということです。
 
『親友かよ』を見た前日、韓国映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』を観ました。
こちらも本当に素晴らしい映画です。
そして面白いことに、両作品とも「友達」について描いています。
なにがないと私たちは生きていけないのだろう。映画を見ながらそんなことを考えていました。
「友達」という存在は人生のオプションではない。
もしかしたら、ないと生きていくことが困難なものではないか。そして私たちを生かしてくれるものではないか。
年を取っていくごとにそう思うのです。
ちょうどその数日前、私は古くからの友人のことを考えていました。
その人は、昔その人が所属していた世界に近いところにいた人たちと会っていました。
話はいつも一緒で、過去のこと、しかも過去に出会った人たちに対するあまり良くない思いです。
それを語ることで今の自分を確認し、正当化しているようでした。
「そんなこと、やめなよ」と言いたかった。でも言えるほど私はその古い友人の人生に責任が持てるのか。そんなことを考えて言うのをやめました。
そして考えています。
友達。いや人によっては家族、夫や妻、またはパートナー。そういう人たちと、常に「今」を共有し、今そこにある楽しいことや好きなことを、またはお互いに今立ち向かうべき問題を語り合いたいと。
ずっと変わらない過去のことを繰り返し話しているよりも。
『親友かよ』のペーは、成長して、高校で出会った映画部の人たちや衝突もしたボーケーと、きっと彼らの目の前にある「今」の話をしていくのだろうと思います。
私も、きっとこれからも。