マネープロファイラーの濱田環です。
かんぽ生命の不適切契約における一連の不祥事。
テレビで解説していますけど、何がよくて何が悪いのか、本当にちゃんと伝わっているでしょうか?
今日はわかりやすく、かつ、大事なことを前・後編にわけてお伝えします。
まず、今回の事案はこの2つが明らかになりました。
- 二重契約
- 無保険
その背景にあったのは、営業職員の営業手当の計算方法とノルマの問題でした。
わたしも保険に携わっていたので、テレビが伝えていないけど、知っておかなければいけない生保契約の重要な部分についてお伝えしますね。
二重契約とは?
保険契約に重複する内容がある状態で、二重に契約していることをいいます。
たとえば、A保険会社に入院給付金5,000円の契約があって、B保険会社でさらに入院給付金5,000円の契約をした。
この状態を二重契約といいますが、それ自体が悪いことではありません。
お客様ニーズとして、「入院給付金を10,000円にしたいが、A保険の●●という特約とB保険の◆◆という特約のどちらもほしい」という場合、いずれも5,000円ずつ加入することでそのニーズが満たせる。
つまり二重契約ではあるも、これは追加契約とみなせます。
このような追加契約は、同じ保険会社間で行われることもあります。
追加契約は保障追加(保障の上乗せ)となるため、保険料が二重にかかってもお客様のご意向ですから、なんら問題はないのです。
一方今回の不祥事案では
「先に契約したものを完全に止めて、新しい契約にしたい」という意向なので、これは乗り換え契約なんですね。
乗り換え契約の場合、通常新しい契約が有効になれば、古い契約は解約します。
基本的には、新しい契約を有効に成立させる前に解約はしないので、一定期間二重払いになることはありえます。
ただし、今回のケースではかんぽ生命の契約を乗り換えてかんぽの新契約にしたかったと思われます。
通常同一の保険会社間では、このような乗り換え時には保険料が二重にならないような仕組みになっているはずです。
ちなみに他社の乗り換えの場合でも、保険料の支払い方法を工夫すれば、二重に保険料を払わないですむように乗り換えることも可能なケースもあります。
とはいえ、契約の審査は、長くてもせいぜいひと月程度。
その分の保険料の二重払いで済むはずです。
ただ、今回の事案では「解約して乗り換えると、自分に入る報酬が減るから」という理由でだまして解約させなかったことが問題なんですね。
結局は、営業が自分本位なのかか、顧客本位なのかの姿勢が問われるということです。
一般に売れる営業は、顧客本位です。
結果の出せる人は、顧客本位ともいえます。
自己中な人にお客さんがついてこない
↓
ノルマを達成できない
↓
だからだましてでも契約を取りたい
という悪循環な図式が成立するんですね。
![上差し](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/527.png)
がん保険は、基本的に契約が成立してから90日経過してからのがんでなければ、保険金はお支払いできません。
ですので、がん保険の乗り換え契約は、新しい契約が有効に成立してから、90日後に古い契約を解約する必要があります。
つまり、がん保険は新契約が成立してから90日間の二重契約は、絶対に必要なんですね。
見直しでがん保険をいいものに変えても、先に解約してしまうと無保険になりますので、注意してくださいね。