PERFECT DAYS | akaneの鑑賞記録

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歌舞伎や演劇、映画、TVドラマなど鑑賞作品の覚書

 

 

 

 

 

 

「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」などで知られるドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースが、役所広司を主演に迎え、東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所が日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した。

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。
 

 

 


公開されて割とすぐ観に行ったのですが、今年最後のブログはこれ!と決めていました(笑)

だってタイトルが「PERFECT DAYS」ですよ!
縁起良いじゃないですか(笑)
大掃除もしなきゃならないし。

 

 

 


毎朝、近くの道を箒で掃き清める音で目を覚まし、布団を畳んで、歯を磨き顔を洗って髭を剃る。
植物に水をやり、着替え、鍵や小銭とカメラを持って、家を出る。
空を見上げて今日の天気を確認、自販機で缶コーヒーを買い、道具を満載した軽バンで首都高に乗って浅草から渋谷に向かう。


仕事場は、渋谷区内にある公衆トイレの掃除。
ルーティーンに従い、鏡を使って確認し、隅々まで綺麗に磨き上げる。

昼食は近所の神社でコンビニのサンドウィッチと牛乳。

 

 


15時ごろには仕事が終わって帰宅。
着替えて自転車で銭湯に行き、一番風呂を味わう。
浅草駅通路の古い立ち飲み屋で一杯飲み、家に戻って寝落ちするまで本を読んで就寝。

 

 


休日には古本屋で100円の文庫を買い、

 

 

 

馴染みのスナックに行ったりもする。

ママさんが石川さゆり!!

 

 

 

 


そういった淡々とした日々の繰り返しだけれど、悲壮感はありません。
いつも見かける人のささいな変化、少ないけれど彼の周りにいる人との関わり、その適度な距離感。

 

 

そういうもの全てが非常に心地よく、ずっと見ていられます。

 


一番好きなのは、写真屋のおじさんでした。(笑)
全く会話も交わさず、まるでスパイ映画のように一連の作業(フィルム取り換えなど)をして出ていくのが。

 

 

 


とにもかくにも、役所広司さんの演技の素晴らしさですね。
なんでもない1つ1つの動きが非常に美しい。
本当に無駄がなく、揺らぎもなく、しっかりと身に付いた生活の動き。

 

 

そして「ほとんど喋らない」というのも凄い。
ちょっと「聾唖者かな?」って思うぐらい喋らない。
時々、堰を切ったように話すときもありますが、ほとんどは無言でゼスチャーか表情のみ。
だらしない若者に説教なんかもしない。

 

 

 

最後、三浦友和さんとの影踏み…良かった。

 

 

 

 


見慣れた渋谷の街並みや、首都高の馴染みある景色などにも、とても共感。
「あそこ、合流するところでいつも混むんだよね~」なんて思いながら見てました。

カセットテープで流れる曲にはあまり馴染みはなかったかな。





ただ、日常を描いている割には生活感はありません。
多分、監督としては、平山の職業はトイレ清掃人でなくても、コンビニの店員や工事現場の誘導員、マンションの管理人など、なんでも良かったんだと思います。
組織に縛られていないものであれば。

 


だから一種のファンタジーであって、「平山の生活を追うドキュメンタリー」ではないんです。

普通はワンカップ大関の瓶が転がってたり、読むのは競馬新聞、部屋のテレビで垂れ流されている野球中継やバラエティ番組の笑い声、そういう感じじゃないですか?

 


それにいくらデザイナーが作ったトイレとはいえ、掃除のシーンで汚物や吐しゃ物など汚いものは一切映らない。

 


平山が食事をしているシーンもほとんどない。
朝は缶コーヒー、昼はサンドウィッチでもいいけど、晩御飯はもっとちゃんと食べるでしょ?
いきつけの食堂でアジフライ定食やサバみそ定食とかさ。



平山のそれまでの人生については何も語られません。
途中、子供のころからほとんど会っていなかった姪っ子が家出をして訪ねてきます。
束の間、平山の仕事を手伝ったり、一緒に出掛けたり。

 

 


ほどなくして、運転手付きの自動車で妹が娘を迎えに来ます。

 

 

そういうところから、元々は裕福な家庭で育ったのであろうと思われます。

 

父親と葛藤があるようですから、事業を継ぐ継がないで揉めたのかもしれません。
普通に大企業に勤めていて、ストレスでうつ病になったとか。
そんな感じで想像を膨らませる余白があるのも、本を読むようで楽しいです。
なんでもかんでも説明されちゃうドラマはげんなりするので。


毎日同じことの繰り返し、と言いますが、毎日同じルーティーンできちんと生きるというのは非常に精神力&自己管理能力が必要です。
老化、認知症の始まりは、お風呂に入るのが面倒、まともな食事をしなくなる、そういった普段の生活の破綻からだと聞きました。





何も予備知識なく見たので、ユニフォームの「THE TOKYO TOILET」がやたら主張してるな、と思って調べてみたら

 

 


東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを、世界的な建築家やクリエイターが改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に賛同したベンダースが、東京、渋谷の街、そして同プロジェクトで改修された公共トイレを舞台に描いた。



うん、こういうことだったんですね。

 

 


清く正しく美しく

貧しくても心豊かに暮らしなさい

 

 


みたいなことを上から押し付けられるのはあまりいい気分ではありませんし、「あ~~いわゆるPVだったのか~」って思っちゃたりもしましたが、カンヌ国際映画祭では男優賞とエキュメニカル審査員賞を受賞した役所さんの演技、ヴェンダース監督の感性は揺るぎないものだと思います。


最後に「木漏れ日」の説明があるのも良かったな。
海外の人にはあまり馴染みのない感覚なのかもしれませんね。

 

 



さて、12月30日はBTS Vの誕生日です。
今年は軍隊内で迎えるのか~

でも今朝、こんな動画をアップしてくれました。
「こんばんわ~ 今日はボクの誕生日です!」

 

 



そしてシアトル出身のシンガーソングライターUMIさんとのコラボ曲もプレゼント!

 

 


https://twitter.com/whoisumi/status/1740964103680876644

 


UMIとVは、お互いの曲に共感を持ちメッセージを送って繋がったのが10月。
そして1か月後にはもう曲ができあがったそうです。
レーベルも会社も関与していない、全くオーガニックなもの。
完全にお互いの音楽を理解しあった二人だけで制作したのだと。


古臭い芸能界のしがらみなどない自由さがとても良いなと思いました。



さて最後に、
Xで素晴らしい動画を見つけたので、貼っておきます。

 

https://twitter.com/v_kx2mama/status/1740912862250582262

まさに「究極のアイドル!」


あーーーギリギリ30日に間に合ったかな。


皆様、今年もたくさんブログを読んでくださってありがとうございました。
来年もまた、よろしくお願いします。

どうぞ良いお年を!!!