シスターズ(Netflix) | akaneの鑑賞記録

akaneの鑑賞記録

歌舞伎や演劇、映画、TVドラマなど鑑賞作品の覚書

 

 

 

 

 



韓国語のタイトルは「チャグン アッシドゥル」

直訳すると「小さなお嬢さんたち」
英語だと「Little Women」
すなわち韓国での原題は「若草物語」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年に公開されたこの映画が、「若草物語」の古臭さを払拭、非常にフレッシュにリメイクされたのに驚きましたが、この韓国ドラマは、さらにその上をいく、トンデモないストーリーをぶちかましてきました。
『若草物語』が4姉妹それぞれの個性を力に変え、貧しさから抜け出そうとする物語であるように、

長女インジュ⇒メグの現実感と虚栄心、
次女インギョン⇒ジョーの正義感と共鳴心、
末っ子イネ⇒エイミーの芸術感覚と野心

と姉妹のキャラクターは踏襲しつつ、「最も低く暗い場所」にいる三姉妹が、貧困を突き抜け、多額のお金に翻弄されながらも、「最も高く明るい場所」へと向かって成長していくストーリーであり、人間の欲や深層心理などもありありと描かれています。

 

 

 

 

 

を手掛けたキム・ヒウォン監督ということで期待大!!

他にも女性スタッフがとても多かったようです。

 

 


脚本家のインタビューによると

現代の韓国に若草物語の少女たちを連れてきて
お金は魂にとってどんな意味があるのかを聞きたかった
あまり日の目を見ない長女(メグ)を活躍させたかった


のだそうです。




★長女 オ・インジュ(キム・ゴウン)

 

ウォルリョングループのオーキッド建設に勤める、短大卒で地味な経理職。貧乏なので職場でもハブられている。
現実的な金銭感覚は持ちつつも、虚栄心があり、裕福な生活に憧れている。

妹たちに贅沢をさせてあげたくて、玉の輿を狙って結婚したが当てが外れ離婚。
唯一仲の良かったファヨン先輩が700億ウォンを横領して自殺したことで事件に巻き込まれていく。
 

 

 

★次女 オ・インギョン(ナム・ジヒョン)

 

テレビ局の記者。正義感が強く不正が許せない性格。
自分の弱さを隠すため、うがい薬の容器にテキーラを入れて隠し持ち、勤務中にも飲むアル中。
市長選に立候補したパク・ジェサンの不正を糾弾し、テレビ局を首になるが、諦めず追及する。
 

 

 

★三女 
幼少のころ病気で死亡したため登場しない

 

 


★四女 オ・イネ(パク・ジフ)

 

絵の才能があるが気が強い。名門芸術高校生。

姉たちに構われるのが申し訳なくもあり鬱陶しいお年頃。
ウォルリョン財団の一人娘ヒョリンと仲良くなり、

 

家に入り込んですっかりなじんでいる。
 

 


3人の姉妹が、韓国で最も裕福で有力なウォルリョン家に対して、それぞれ違うアプローチで絡んでいきます。







父親の作った借金を返しながら、生活費も稼ぎ、必死に生きているインジュ・インギョン姉妹。

 

 

芸術高校に特待生として通う妹イネのヨーロッパ修学旅行の費用をなんとか捻出し、誕生日プレゼントとして渡すのですが、母親はそのお金をこっそり奪って失踪してしまいました。

 


この時点ですごいですよね。

良妻賢母なぞどこへやら。


インジュは、再度、修学旅行費用を用意するため、会社に給料の前借りを申し出るも断られます。
社内でハブられているインジュが唯一頼れるのは、経理課の先輩で植物の世話を熱心にするファヨン。

 

 

同じように貧しい境遇のファヨンはインジュに同情し、お金を貸してあげると言ってくれました。

 

 

 

韓国には3足しかないという高級靴を履いて、

 

 

インジュを高級レストランに連れて行き、レストランでも慣れた様子のファヨンをいぶかるインジュ。

 

 

 

ファヨンは「未来の会計システムである会計管理プログラムで起業する。海外でも展開するから、その作業のためサインしてほしい」と書類を出し、英語の分からないインジュは、内容を確認もせずにサインしました。


そしてインジュは、仕事でヨーロッパに行くファヨンから「自分と一緒に欧州で仕事をしている」ウォルリョングループ本部長のチェ・ドイル(ウィ・ハジュン)を紹介されます。

 

 


数日後、ヨーロッパから帰国しているはずのファヨンと連絡が取れないとドイルから電話を受けたインジュは、不審に思いながらファヨンの家に行くと…

粗末なアパートの中には、未使用の高級ブランド品が山のように積み上げられ、ファヨンは赤いハイヒールを履いてクローゼットで首つり自殺していました!!

 

 

 


取締役とドイルから呼ばれたインジュは、「ファヨンが欧州の裏金銀行口座から700億ウォン横領していた」と告げられます。

 

 

この700億ウォンは、パク・ジェサンの政治資金として使われる裏金でした。

 

「あと一週間発覚せずに堪えてたら、這い上がった姿を見せられたのに…」というファヨンが残した遺書を読んで涙するインジュに、取締役は「ファヨンの裏金探しを手伝え」と命令します。

 


さらに「ファヨン様からヨガの会員権を譲渡されています」と連絡を受け、高級サロンのロッカーを開けると、そこには、あの美しい高級靴とインジュ宛の手紙、現金20億ウォンの入ったバッグが残されていました!


横領された700億ウォンの行方を追及していたドイルは、シンガポールの銀行口座に「オ・インジュ」の名義で預金されていること、さらにインジュの名義でシンガポールに高級マンションや高級車など、多くの財産が残されていることを突き止めます。

 

 


パク・ジェサンの妻ウォン・サンアは、

 

 

ランの売買使って資金洗浄を行っているため、サンアの信頼を得て、ドイルと一緒にシンガポールで開催される「世界ラン大会 オークション」に出かけたインジュは、なぜかそこでVIP待遇を受けるのでした。



 

 

 



テレビ局に勤めるインギョンは、

 

裕福な大叔母に会いに行き、イネの修学旅行代を貸してほしいと頼みます。大叔母はお金は返さなくていいから代わりに、毎週末自分のために新聞を読むよう要求します。

 

 


インギョンは、市長選に出る弁護士パク・ジェサンの裏の顔を探ろうとしていました。

 

 

 

彼がポべ貯蓄銀行の顧問弁護士時代、担当した頭取はじめ4人が不可解な死を遂げ、相当額の預金が消えていたのです。
そのからくりにパクが関わっているのではないかと推察し糾弾したため、パクから目を付けられます。

 

 

飲酒状態で取材をしていたことをマスコミに暴露されたインギョンは停職処分になり、その後、大叔母の会社に籍を置くことになりました。
インギョンは子供の頃、一時的に大叔母の家に預けられており、彼女はインギョンのビジネス能力を見抜いていたようです。


 
叔母の家でインギョンは思いがけず幼馴染ハ・ジョンホ(カン・フン)に再会します。

 

富豪の祖父と暮らしている設定なので、ローリーにあたる人物になるでしょうか。

 

 

ジョンホは家業を継ぐために渡米していましたが、一時的に帰国中でした。
二人は協力してパク・ジェサンの関係者への取材や捜査を始めます。

 

 

ジョンホといるときのインギョンの笑顔!可愛い!

 

 

 

接触する人間がことごとく不審な死を遂げ、その現場には不思議な「青いラン」の花が添えられていました。

 

 



 

 

 

 

幻覚作用を持つ希少な「青いラン」を調べるうち、

 

 

不動産投資や資金洗浄により巨額の富を築いた「情蘭会」というグループの存在が浮かび上がってきます。
これはベトナム戦争で活躍したウォルリョン家の主、ウォン・ギソン(ウォン・サンウの父)が創始者でした。

 

 


ウォン・ギソン(イ・ドヨプ)はかつて軍の司令部将軍をしていましが、今は入院中で植物状態。

 

息子のサンウ(イ・ミヌ)は、父と「情蘭会」の不正を暴こうとしましたが、義理の弟パク・ジェサン(オム・ギジュン)の策略により精神病院に隔離されています。

 

 

娘のサンア(オム・ジウォン)は、ウォルリョン美術館と奨学財団運営をしており、夫のジェサンを大統領にして大統領夫人の座に座ることを夢見ています。

 

 

パク・ジェサンの父は、ウォン・ギソンの運転手をしていたため、ジェサンは幼少の頃よりサンウとサンアの兄妹と一緒に育ちました。
貧しい境遇から弁護士になり、パク・ジェサン財団理事長に就き、今はソウル市長選を控えています。


 

 

 

 


絵の才能に恵まれ、優秀な成績で名門芸術高校に進学した三女のイネ。

 

姉たちが苦労して用意したお金を受け取らず、「修学旅行には行かない」と頑なに拒絶します。
しかし友人ヒョリンの母から渡された「絵をかいてくれたお礼」は受け取ります。
一人娘で友達のいないヒョリンと仲良くなったイネは、サンアの運営する財団より奨学金をもらい、卒業後はヒョリンと共にボストンへ留学するのだとウォルリョン家で暮らすようになります。
急な心臓疾患で倒れた時も治療費を出してもらうなど、パク・ジェサンの市長選に向けた美談アピールに利用されますが、どこか冷めていて芯の強いイネは、簡単には流されません。

 

 

 

ウォルリョン家には、開かずの間や

 

ドールハウスなど、

 

 

秘密がたくさんあり、館内は全てカメラで監視されています。
そして地下には、無数の「青いラン」が寄生する大木が…

 

 

 

イネもまた、ヒョリンと共に、両親の秘密を探りはじめます。

 




とまぁ、ここまで書くのも大変だったのですが…
いかがですか?
皆さん、理解できましたか?



ともかく、貧しい3姉妹、インジュ、インギョン、イネが、それぞれにウォルリョン家と関わりを持ち、パク・ジェサンとウォン・サンア夫妻に翻弄されながら、真実を追求していくストーリーなんですが、まだまだ全然序の口なんです。
これ以上はネタバレになるのでここまでにしておきますね。




どの登場人物たちも全員「どこかおかしい」部分があり、キャラへの信用度が毎回揺らぐので、視聴していて気持ちが定まらないというか「よくわからない」という不安が付きまといます。


ともかくパク・ジェサンとウォン・サンア夫妻のサイコっぷりが凄いです!




あとはなんといってもセットや衣装の色調!!
美術が突き抜けて素晴らしく美しいんです。。
 

 



このドラマは「ランの花」が重要なモチーフであるため、花柄の美しい壁紙やカーテンなどもたくさん登場します。
全体的に花の色味のようにシックで少しくすんだ色彩に揃えられていて、大変美しいんです。

 

 

ウォルリョン家の豪邸も、

ファヨン先輩やインジュたちの貧しい家も、

 

 

そしてすべての衣装もどことなくクラシカルな雰囲気を感じさせ、Little Womenの世界観に沿ったものになっているようにも思えました。

 


シンガポールロケもたくさんあり、美しい風景も楽しめます。

 



ともかく、様々な伏線が絡み合ってストーリーが展開していくのが非常に面白い!




コメディシーンは一切なく、どの俳優さんも演技が巧くて引き込まれますが、特にインジュ(キム・ゴウン)とサンア(オム・ジウォン)の二人の対決は凄まじいものがあります。

 

 

 

 

 

全体的に女性が強く、女性が活躍する世界観ですが、唯一カッコいい男性として、ピンチになると絶対登場して助けてくれるスーパーマンことチェ・ドイル!!

 

 

 

彼はイギリスの名門大学出身のコンサルタントで、恵まれたルックスと鋭い頭脳を持つという設定ですが、長年にわたってウォルリョン家の元で働いていますし、実際は資金洗浄や人物の抹殺(死んだと見せかけて別の人生を用意する)など裏の仕事がメイン。

非常にカッコいいんですけど、さて彼は味方なのか敵なのか。

 

ウィ・ハジュンさんは、「イカゲーム」で、アジトに潜入するドシク刑事を演じた方です。

 

 

 

同じ監督、ということで、ヴィンチェンツォさんが高級靴店の店員として1シーンだけ登場します!

 

 

 

 

 

 

 

韓ドラは1週間に2話ずつ放送(配信)されるのですが、これだけ複雑な展開だと1週間経つとちょっと忘れちゃうんですよね。
だから12話、一気に見ることをお勧めします!

本当に面白いドラマですよ!!