アンビリーバブル たった1つの真実 | akaneの鑑賞記録

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若い女性によるレイプ被害の訴えを作り話として片付ける警察。

だが数年後、酷似した手口の事件が続き、2人の女刑事が捜査に乗り出す。実話に着想を得たシリーズ。

 


 

 

Netflixオリジナルドラマです。
全8話なのですが、1日で一気に見てしまいました。



2008年、ワシントン州リンウッドにおいて、10代の女性マリーがレイプされました。
まず近くの警官が来て事情を聴かれ、そのあとやってきた刑事にも最初から話すように言われ、病院に行ったらそこでも全部報告。
さらに別の日、再度警察署に行くと、また最初から同じ話をさせられ、なおかつ報告書を書くように言われる。
そんなことを何度も繰り返されたら精神的に参ってしまいます。

 

その場では気が動転しているし、友人に話したことと刑事に話したことで、とても細かい部分が食い違っていたりすると、さらにそこを追及される。
彼女は3歳のころから養父母宅をたらい回しにされており、精神的に不安定なため、大人から何か強要されると、それに流されてしまう傾向がありました。
男性二人の刑事は、特に何も捜査することなく、マリーへの事情聴取だけを繰り返し、結局、このレイプは狂言だったと片付けられてしまいます。

それが世間に広まり、友人たちから孤立してしまうマリー。

 

 

 

さらに数年後「虚偽の証言をした」ということで彼女は警察から訴えられ裁判沙汰になってしまい、自暴自棄となって職を失いました。

 

 

 


2011年5月、コロラド州ゴールデンで20代女性のレイプ事件発生。 
担当したのは女性刑事のカレン・デュバル。

刑事になって6年目、夫のマックスも刑事です。

 

 

犯人は覆面をし、女性には目隠しをして拘束、4時間にもわたってレイプを行い写真撮影、事後は女性に10分間シャワーを浴びるよう命令し、その間にシーツなど全て持ち去って消えました。

何の物証も残さず、目撃者もなく、捜査は難航します。
片っ端から防犯カメラの映像をチェックしたカレンは、事件前に何度か不審車が映っているのを確認。
白のマツダ ピックアップトラック を調べるのですが、画像からはどうしてもナンバーが読み取れず行き詰ります。


夫のマックスから、よく似た事件を扱っている刑事がいると紹介されたカレンは、ウエストミンスター警察署に行き、
14年目のベテラン、グレース・ラスムッセン刑事に会います。

 

 

彼女が追っているのは、2011年4月、コロラド州ウェストミンスターで発生した50代女性へのレイプ事件。
犯人の背格好も、覆面をしていて途中で写真撮影、シャワーを20分浴びさせ、シーツなど全て持ち去り物証を残さない、目撃証言もゼロと酷似していました。



手口があまりにも似ていること、管轄が違うと警察署同士で情報共有をしないことに気付いた二人は、合同捜査を始めます。
 

 


異なる州で同じようなレイプ事件があるかもしれないと、過去5年に渡ってのレイプ事件を洗い出し、1件ずつ電話で確認。

1年半前にイリノイ州オーロラで同様の事件があったことを突き止めます。

 


続いてコロラド州レイクウッドで1年前にレイプ未遂事件があったことも突き止めます。
彼女は犯人に気付いて窓から飛び降り、大怪我を負ったのでした。
そしてその現場からは、犯人の靴跡と手袋の繊維などが見つかり、他の現場に残されたわずかな証拠とも一致。
同一犯の犯行と確信しました。

FBIにも協力を仰ぎ、合同で捜査を進めます。







カンザス大学で2000~2008年の間に、レイプ事件が頻発した件について確認したところ、参考資料として「レイプ鑑識手引き」という警察関係者が扱う本が見つかりました。

警官の4割がDVの経験あり、それは性的暴行に繋がりやすい。

4か国語が話せるということは、軍隊経験がある。




そういった推測をもとに、警察官に絞って検索していきます。
ただ物証はあっても、人物を特定する決め手が見つかりません。


DVの通報

標的の生活パターンを把握するため一定期間ストーキングしているから、ストーキングの通報

被害者宅付近に止まっていた不審車の通報



こういった情報を地道に人力で1つずつチェックしていき、ようやく犯人と思われる人物を特定!!そして…

 

 

 

 


ともかく、二人の女性刑事とそのチームの執念が凄いです。
データベース上のデータでクロス検索、ではなく、1つずつ地道につぶしていく捜査。
2人は年齢差もあり、特にグレースは一匹狼的な性格なので、あまり仲が良いわけでもないのですが、馴れ合いではなく、ちょっとピリピリしながらも協力していくスタンスが良い感じ。


犯人が逮捕された後、3年前のマリーのレイプも同一犯だったことが判明。
当時担当した男性刑事が呼ばれます。
彼女たちの膨大な捜査資料をみて、ちゃんと自分の非を認め、マリーにも謝罪するところが良かったです。

 

 

 


俳優さんたちはとても地味ですけど、しっかりと作られたドラマでとても面白かったです。
日本でもNetflixでドラマが作られていますが、あまりにもレベルの差がありすぎて本当に恥ずかしいですね。
資金や事務所のしがらみだけが原因ではありません。企画力、脚本、そういう基本的な才能、人材の問題です。