アフリカのサバンナに君臨する偉大なる王、ライオンのムファサが息子シンバを授かり、さまざまな動物たちが誕生の儀式に集まってくる。動物たちは、ヒヒの祈祷師ラフィキが皆の前にささげた将来の王シンバに深くこうべを垂れる。だが、自分が王になれないことに不満を募らせるムファサの弟スカーだけは、シンバの誕生を苦々しく感じていた。
実はわたくし、ライオンキング初見でございます。
アニメもミュージカルも見ていないの。
なんとな~くうっすらとストーリーは知ってるけど…ぐらいで。
でもここは思い切ってまっさらな状態で見ようじゃないの!と思って臨みまして、いや~~~感動したわ!不覚にも泣いたわ!
オープニング。
昇る朝日とともにいきなり
♪♪♪ ナーン ツィゴンニャー ババギー チババー ♪♪♪
ですよ。一気にテンション上がるよね。
有名なシンバ誕生のシーンから始まるので「え?もうここで?出オチ?」とか思っちゃいますけど、大丈夫!
偉大なる王と、その陰に隠れひねくれて育った弟。
卑劣な策を巡らして王を倒し、後継者である息子を追放する。
失意の息子は心優しき人々に助けられ、やがて王国を奪回する。
もうシェークスピアもビックリ!こんなに王道な物語だったんですね。
王の一家をずっと見守る忠臣もいるし、王様は慈愛に満ちて立派なんだけど裏切られて命落としがち。
「ハムレット」とか「アーサー王」とか、なんなら「バーフバリ」だってまんまじゃないですか。
でも全然ありきたり感なく、グイグイ引き込まれてしまいました。
ムファサが死んでしまうあたりは、メチャクチャ落ち込んでしまって
「あーーーーっ!ムファサが……くそ!スカー!てめーぶっ殺す!」と闇落ちしているところに、ティモンとプンバァの「ハクナ・マタタ」ですよ。
巧いよね~この展開。すっかり気分アゲアゲ(単純)
ムファサはまさに「自分の行動で手本を示す」正統派の王
スカーは相手の自尊心や劣等感を刺激し弱みに付け込んで相手を動かしていきます。
なので、スカーに操られている感覚のないまま、自分が悪いんだと思い込んでしまうのです。
オールCGの映像に関しては、2016年公開の「ジャングル・ブック」も観ていたので、さほど驚きませんでしたが、今回は全く人間が出演していないし、あまりにもリアルなので、もはや「ナショナルジオグラフィック」を見ているような気分になります。
だから動物たちが言葉を話しだしたらちょっと違和感あったほど。
それぐらい映像が自然だったということです。
動物たちの毛も、モフモフと柔らかそうだったりゴワゴワ硬そうだったり、感触まで伝わってくる感じ。
動物だけでなく、植物や自然環境も全部CGでしょ?
ひび割れ乾いた大地、煌めく水しぶき、光と影、青々と茂るジャングル、砂けむり舞う砂漠、どれも完璧。
なんかもう実写で撮影する意味…って感じです。
そして動物たちの表情豊かなこと!
決してアニメのようなデフォルメした表情ではなく動物そのものなんですが、
目の表情だけで喜怒哀楽すべて伝わってくるんですよね。
俳優の動きをこのようにモーションキャプチャーで取り込みつつ、
本当の動物の動きもシンクロさせているのかな。
シンバがね、もう本当に可愛いの!声優の声もメッチャ可愛いの!
両親の愛情をたっぷり受けて育った、素直でちょっとやんちゃな男の子。
偉大な父に憧れ、「早く大人になりたい」「早くお父さんに認めてもらいたい」
そんなはやる心をスカーに利用され失意のどん底に。
王としての自信が持てず、悩んだり現実逃避したりするのは王子の成長物語としては定番だけど、それを乗り越え、王として目覚めていく姿はやっぱり清々しい!
ラストシーン。
シンバとナラの子供が生まれ、また命は繋がれていく。
Circle Of Life
監督は「アイアンマン」でハッピーを演じていたジョン・ファブロー。
彼の作品は、どこか人のぬくもり、暖かさがあって好きですね。
ジャングル・ブックも手掛けていたとは知りませんでした。
映画のあと、アニメ版も見てみましたが、ほぼ99%そのままでした!
アングルなども踏襲しているし。
実写版というよりは、アニメが紙に書かれた絵で作る動画であるならば、今回の映画はパソコンで描いた絵で作った動画。
最新技術のアニメーションいうことになるでしょうか。
シンバを導く幼なじみのナラ、決してスカーに屈しないお母さんのサラビ、最後ハイエナとの戦いでは雌ライオンが一丸となるなど、やはり映画版は女性の存在や強さを大きくアピールしている感じです。
ハンス・ジマーの音楽も名曲揃いだし、名作としてこれからも受け継がれていくべき素敵な映画でした。
主題歌「Circle Of Life」を歌ったエルトン・ジョンの伝記映画「ロケットマン」も間もなく公開!楽しみです!
【追記】
フォローしている方が教えてくれた情報
「1か所だけ、実写映像が使われている」に関して
監督のTwitterが見つかりました。
オープニングの朝日が昇るシーンが、唯一の実写映像なんだそうです。
数が激減しているライオンの保護キャンペーンのお知らせも。
https://partners.disney.com/the-lion-king-protect-the-pride