TOKIO山口達也さんの事件。
DASH村など、老若男女問わず人気のグルーブだっただけに、とても影響が大きかったと思います。
彼は「農作業も大工仕事もプロ級にこなし、頼りになる兄貴分」といった印象だっただけに非常に残念です。。
彼が起こしてしまった事件は、絶対に許されることではありませんが、一番気になったのはジャニーズ事務所の対応でした。
SMAPの時もそうなんですが、矢面に立つのもコメントを発するのもすべてタレント任せなのはどうなんでしょう？
年商何千億の会社ですよ。
所属タレントが起こした不祥事に対して、少なくとも「管理不十分であった」という認識はないのでしょうか。
どのような雇用形態なのかは分かりませんが、まずは会社として彼を「停職処分」や「解雇」といった処遇にし、会社の人間が真摯に記者会見をするべき事案なのではないでしょうか。
厳しく処分をした上で、タレントを守る義務もあると思うのです
社長が「大人なんだから、自分たちで解決できるでしょ？」と丸投げだなんて信じられない。
40代のおっさん集団に対して、「親」とか「子」というワードが出ることも気持ち悪い。
マスコミやテレビ局を脅したり、不祥事はもみ消し操作したり、そんなことばかりに尽力している会社というイメージです。
被害者のご家族に対しても、いかにも「金で解決する」という態度だったのではないかと思ってしまいます。
1ヶ月も「お酒のことで」入院していて、病院から仕事に通っていたなど尋常ではない事態です。
アルコール依存症は心の病気です。
本人は認めたくないから「内科」にしか行かないでしょうから、ちゃんと心療内科などの診察を受け、無理やり休みを取ってでも治療を受けさせる、こういう選択肢はなかったのかな？
10代の男の子ばかりが所属する事務所。
最も性欲の強い時期を過ごすのですから、それに対するケア、リスクマネジメントの徹底は最重要事項だと思うのです。
周りはちやほやする人ばかり。
枕接待だってあるだろうし、声を掛ければ女の子なんてみんなモノにできる日々を何十年も過ごすんですよ。
感覚が狂ってしまうのは当然。
ストレスの多い仕事を抱えつつ、自分の精神力だけで律して生きていくなんて至難の業だと思います。
山口達也自身も、今回のことが初めてではないはず。
同じようなことを繰り返し、その都度なんとか尻ぬぐいをしてもらってきたのではないでしょうか。
だから事の重大性が分からなかった。
でも事務所も同じ考えだったと思うのです。
だから処分も曖昧なまま、本人にあんな会見をさせてしまった。
事前にマスコミ向けに提出された文面も非常に簡素なもの。
会見内容も、弁護士や事務所の、スタッフと打ち合わせて「これで行ける！」と踏んだからやったのでしょうけれど、彼の会見は完全に失敗でした。
本人は気が動転していて何を口走るか分からないんですから。
ここでアルコール依存症を認め、被害者及び関係各位へのお詫びに徹していればまだ良かったのですが、「またTOKIOに戻りたい」など一番言ってはいけないワードを出してしまった。
弁護士か事務所の人間が事件の経緯を逐一正確に報告し、質疑応答にこたえ、本人は謝罪に徹するのがスマートだったんじゃないかなぁ。
それを挽回するべく、今度は他のメンバー4人に会見させるという暴挙。
あんな「晒し者」感、堪えがたいですよ。
そこにも事務所の人間は不在。
社長が出てこいとは言いませんが、担当マネージャーであったり、所属部長であったり、そういう「公的コメント」を発する人は全く出てこない。
「本人の口から聞かないと納得できない」
「誠意を感じられない」
という意見も出るでしょうが、彼らだって被害者。
30年近く苦楽を共にしてきたメンバーに対して、自分たちにとっても青天の霹靂ともいえる事態に対して、どう対処しろというのでしょうか。
4人はそれぞれ、立派な対応でした。
特に松岡君の厳しいそして辛いコメントは、心に響きましたね。
長瀬君から「被害者を特定しないで下さい」と、最も大切な言葉が語られたのも素晴らしかった。
SMAPの時も感じましたが、40歳を過ぎても「アイドル」を強要され、グループの絆、連帯責任を求められる。
こんなの世界的にみても異常ではないですか？
成熟した大人のショービジネス業界ではありませんよね。
事務所や山口達也自身も「まぁこれぐらいのことなら」と思ってしまった。
メンバーも、アルコール依存症を懸念しながら「大人なんだから自分でちゃんとしろ！」という気持ちもあったと思う。
女の子も「友達も一緒だし、山口さんだったら大丈夫だよね」と思っていたかも。
そういう「まぁまぁ」と思う、小さな綻びが一気に噴出してしまった事件なのではないでしょうか。
でも、きちんと明るみに出て良かったと思います。
そうしないと、彼は今後も何も気付かず学ばず年を重ねて行ったでしょうし、なにより「アルコール依存症」にきちんと向き合って心身ともに健全にする、ということができなかったですから。
そして未成年の女の子たちにも、これだけ大変なことになるんだよ、と少しは警告できたでしょうか。
25周年ツアーを控えてのこの事件、メンバー自身がバンドメンバーでもあるTOKIOには、本当に辛い出来事だったと思います。