東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖 | akaneの鑑賞記録

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今日は一日歌舞伎座。全3部見ましたよ!

ブログはぼちぼちと。

 

まずは弥次喜多。いや~楽しかった!笑った~!

最初、舞台には大きなスクリーン。
なんだか「NHKのドキュメンタリー番組」みたいな大仰な曲が流れて、去年の弥次喜多がダイジェスト版が流れるのですが、そのナレーターも「プロジェクトX」みたいなとってもシリアスなナレーションで、内容とのギャップですでに笑える。
映像が終わると、YGKTのラップと共に、二人が宙乗りで登場!
オープニングでつかみはOK。

さて、今年のテーマは「義経千本桜 四の切 殺人事件」ですよ!
良いアイデアですよね~。
みんな知ってるストーリーだし、役者同士の足の引っ張り合いや座元との駆け引き、四の切の舞台装置まで見せてくれての事件捜査。

猿弥さんの古原仁三郎のモノマネが超ウケる!
勘九郎さん、七之助さんも第3部の準備で忙しいのに、ちゃんと登場してくれます。

絶対的な主役として登場するのではなく、プロデューサー的な視点で全体をまとめ、適材適所それぞれに見せ場を作る手法は、染五郎さんと猿之助さんのスタイルですね。そのバランスがとても心地よくて楽しい。

 

最初に狐忠信が階段のところから登場するからくりですが、階段を跳ね上げられた時に自分が飛んでいかないように、右足で踏ん張るそうなんです。
それを知らない染五郎さんはすっ飛んでいくバージョンをやってくれて、
「忠信役者なら必ずここに足を置く!」なんてことが猿之助さんによって語られるんですよー。
なんかもうワクワクしちゃいますよね。
相変わらずドジばっかりの弥次さん喜多さん。
「なんだよーもーうるさいな~!碇知盛の碇を忘れただけじゃねえか!」ってそれ…(笑)

 

金太郎、團子ちゃんの二人は、1年経つとすっかり背も伸びて、もう他の役者さんとも同じぐらいの背丈で、成長しましたね~。
金太郎君は声変わりがきつそうでしたが、團子ちゃんは相変わらず澄んだ綺麗な声で、お芝居も達者です。
その他、しばらく舞台から離れている年頃の千之助くんや虎之介くんも!
虎之介くんの立役は初めて見ましたが、相変わらずクリクリお目目で可愛い。
そして千之助くんの娘役がまぁとってもキュートで可愛くて…!
少し体もがっしりして男っぽくなってきたかなと思ってましたが、超美人さんでした。

劇中劇を演じるのは、若手花形たち。
巳之助くんのオラオラ静御前が素敵!

女形初めて見ましたけど、とってもクールビューティ。
隼人くんは、ちょっと病弱な役なのでインパクト弱くて残念。
新悟くんは、なよなよした若いツバメで登場しますが、いざ義経役になったときに、まるで本公演かと思うぐらいご立派でビックリしました。

元々とても涼やかでよく通る声だし、セリフも安定していてすんばらしい!

忠信が狐の姿に変身するあたりを演じるんですが、そこはちょっと大変そうだった。
巳之助くんも隼人くんも、とりあえず段取り通りにやっているんだけど、本家本元猿之助さんとは全く似ても似つかぬというか、あまりのレベルの違いに驚き。
わざと下手にやってるのかな?とも思ってしまいましたが、そんなことないよねぇ。

猿之助さんの凄さに改めて脱帽。

 

今回なんといってもNo.1は、児太郎くんのお蝶です!!!
幻想神空海で妖しげな春琴やって開眼しましたね。
メイクも凄く雰囲気にあってて美しく、低い声だとお父さんの福助さんにそっくりで…!
こういう凄みのある色っぽさを出せる女形の路線、極めて欲しいです。

代役として竹三郎さんが静御前で登場(笑)
50年ぶりよ~って笑い取ってましたけど、お美しかったです!
先月は休演して心配でしたが、お元気でなにより!!

中車さんは、座元の釜桐左衛門。
テッカテカの緑色の裃ですよ。足袋もピカピカ。
昆虫博士のくだりがあったり、半沢直樹の土下座シーンがあったり、歌舞伎座で香川照之のパロディをやれるほどになったんだなぁと感慨深いです。
遠慮がちな部外者ではなく、他の役者さんと正々堂々と渡り合って自分のギャグができるなんてすごいじゃないですか。
門之助さんの義太夫も、笑三郎さんの三味線も、立派でした~!
着物の半襟にも、玉虫色の布が使われていたり、ちょっと額にかかるおくれ毛みたいなのがラメラメだったり、細かいところまでこだわってて楽しい。

今日はバージョンAでの進行でした。

「どっちに聞きまSHOW」では、Aのお蝶さんが選ばれますが、そのあとすぐに殺されてしまいます。
弥次さん喜多さんに容疑がかかりますが、金太郎&團子コンビがみごとな推理で解決!
1回しか見られないので、バージョンBだとどうなったのか、知りたいな~。

弥次喜多珍道中。大変だろうけれど、毎年8月の恒例にならないかしら。。。
染五郎さんと猿之助さんのおとぼけコンビ、大好きなんです。