美女と野獣 | akaneの鑑賞記録

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歌舞伎や演劇、映画、TVドラマなど鑑賞作品の覚書

 

楽しみにしていた実写版。

まずは王道、アニメの世界を見事に美しく再現していますね。
お城の装飾はもちろんのこと、田舎の村の雰囲気もとてもいいです。
このアニメ、もう25年も前なんですね。感慨深い。

子どもの頃、大好きだったもんな~
ボールルームで踊る有名なシーンなどは、アニメのカメラアングルもかなり意識していました。
まぁ豪華な世界観、おとぎの国の物語です。
歌のシーンはかなりミュージカル。
歌い終わったら拍手したくなる感じ

エマ・ワトソンは少し表情が硬いような気もしましたが、じゃあ他に誰が?とも思うので、年齢的にもピッタリのキャストだったかな。
ルーク・エバンスのガストンは脳筋な感じと俺様具合がとても良かったです。
野獣は全身を映して動いているときはCGなのかな~。

屋根に飛び移ったりするのは当然ですけど、普通に歩いているときもそれっぽい動きでした
特殊メークといってもあれは相当ですから、実写は顔のアップや座っているときぐらいだけだったかも。
ジャングルブックなんて本人以外すべてCGの時代ですから、今さら実写と言ってもあまりリアルさを感じない。
家具の擬人化は非常に巧かったと思います。
ディズニーにしては黒人キャストが多かったような。

ただストーリーは、色々違っていて違和感もありました。。

召使たちは早々に、野獣の正体が王子だとベルに言っちゃうんですよ。
そうするとベルが「人間とは知らずに野獣を愛する、見た目ではなく中身を愛する」ということが全然なくなってしまいますよね。

玉の輿狙いみたいになっちゃうじゃないですか。

それに、野獣がベルに喜んでもらおうと色々悩んで図書館をプレゼントするシーンも、「あ、本好きなの?じゃあここで読めば?」ぐらいの軽いノリだし、元々王子だから教養もあってインテリ設定になっているので、アホなガストンよりよっぽどいいわ!話が合う!みたいな展開。
野獣がベルに近づきたいと勉強していくのも、馬に慣れたり綺麗に食事を食べたりぐらいで、あまり知的な成長が描かれていない。すぐデレちゃうし。

そして一番大切なこと!!!
バラの花びらが落ちるまでにベルが愛を告白して呪いが解ける、という一番大切な大切なラストシーンなのに、映画では

バラの花びらが落ちて野獣は死んでしまった…

召使い達も家具になってしまった…
と時が止まったところで、ベルの「愛しているわ」のセリフ。
そこにに魔女が現われて呪いを解くんですよね。

それって!!!どうなの!!!
サ~ッと魔法が解けていく様は、アナと雪の女王やアリス・イン・ワンダーランド時間の旅と全く同じです。
またか、って感じ。

分かりやすく改変したのかもしれませんが、この映画の最も大事なテーマがなくなってしまったような気がして。
アラジンやアナ雪の実写化も進んでいるとか。
ハリウッドも日本と同じく題材不足なのかしら。


で、普段は絶対に洋画の吹き替え版は観ないのですが、今回はルミエールを成河さんが!!
これは観なくてはと思いまして、吹き替え版でもう一度観賞。
だってファーストコンタクトが天魔王だったものですから。
結論としては、やっぱり成河さんが凄い!!!!!
あのミュージカル独特の節回しで歌うルミエールのソロ「ひとりぼっちの晩餐会」も、全く違和感なく、まるで元から日本語で書かれているかのごとく完璧でした。
声優としての台詞も軽やかで…いや~驚いた。
大変な天才に出会ってしまいました。
追っかけます。はい。
あとはポット夫人の岩崎ひろみさんが良かったかな。
もうルミエールの声しか聴いていませんでしたので…
でもやっぱり吹き替え版は好きじゃないな。