アレヨアレヨという間に、日本と韓国は、すごく仲悪い国みたいになっています。一昔前まで、そんなことなかったと思うんですがね。
もともと、島国日本にとって最も近い外国。世界に誇る長い歴史をもつ日本のほんとに初期の頃、西暦でいったら600年代とか700年代から、文化は朝鮮半島から流入し、人は行き来し、言語もとても似ています。関わりの深い隣国というのは、よい歴史もある一方、軋轢のもともたくさんため込んでいるので、問題は抱えているものですが、1980~90年代、経済のピークを迎えていた日本にとって、北東アジアで唯一、日本と同じ資本主義・民主主義の政体をもつ韓国は、親しみを感じる国だったように思えます。
同時に、経済大国となった奢りも混じって、経済発展半ばだった韓国に対して、悪いなって気持ちも持ってたと思います。戦争当時は日本国として戦争に巻き込み、負けて半世紀が過ぎてみれば、日本は自由な国として経済発展を遂げられたのに、世界各地で分断国の統一が進む中、朝鮮半島は国を分断されたままだと。
一部の日本人は『自虐史観』といい、実感としてはたいして教えられていない現代史を学んだ程度の歴史観をもつ私の、日本と韓国の現代史はこんな感じ。
●1900年代初頭、西欧列強によるアジア植民地支配が強まる中で、いち早く西欧的近代化を取り入れ、富国強兵策を進めた日本が、韓国を植民地化した。
●1945年、第二次世界大戦に敗北した日本は、韓国を含む海外の領土を放棄し、アメリカの支配・保護下で国内復興と国際社会復帰に注力した。
●一方日本の支配を離れた朝鮮半島は、東西冷戦の世界情勢の中、代理戦争としての内戦を経て、韓国と北朝鮮に分断された。
●1965年、日韓請求権の解決と、日本から韓国への経済援助を取り決め、それに基づく日韓基本条約締結。竹島(独島)問題は棚上げ。
●1990年代以降、従軍慰安婦問題について、韓国側が元慰安婦個人への謝罪と日本の国家賠償を要求。日本側では事実について見解が分かれるも、河野談話(閣議決定なし)で謝罪。民間の女性基金として慰安婦に賠償金を提案。
●1995年、村山談話で、日本は植民地支配を反省し、アジア諸国に対する反省とお詫びを表明。
●2001年、小泉総理の靖国神社公式参拝。韓国(中国も)反発非難
●2002年、日韓共催ワールドカップ開催。 2004年、韓国ドラマ「冬のソナタ」日本で大ヒット。その後日本では韓流ブーム
●2012年、韓国の李明博大統領が竹島(独島)上陸
●2012年12月、日本で安倍政権(2回目)発足
●2013年2月、韓国で朴クネ大統領就任、12月、日本の安倍首相、靖国神社参拝
こういう流れの中で、日韓の友好ムードはいっきに沈滞し、現在は、韓国の『反日』、日本の『嫌韓』が声高に叫ばれる雰囲気。
上記のような、ごく一般的な歴史観を持つ一般日本国民の中でさえ、韓国への親しみや信頼感が急低下した理由は、
韓国から投げつけられた、あまりの反日感情 です。
え、韓国ってそんなに日本嫌いだったの?と最初は驚き、
やがて、就任以来、あちこち外国に行くたびに所かまわず繰り広げられる朴クネ大統領の一方的な日本非難、呼応するように続く韓国民間人・民間企業による、従軍慰安婦像の設置や反日広告の報道に、
心底、うんざりしてしまった。
70年前の戦争のことを、その後条約の約束通り経済援助を行い、反省も謝罪もして、仲良くしようとしてきたのに、というのが本音です。同じような被害を与えてしまい、同じような謝罪と援助をして友好の努力を積み重ねてきた東南アジアの国々とはそんな問題が起こらないのに、なぜ韓国だけこうなるの?
一方、日本で一部の人たちが繰り広げる、『嫌韓』的なヘイトスピーチ、それもずっと日本に暮らしている在日韓国人・朝鮮人を標的とした侮蔑や攻撃は腹立たしく、意味不明で、日本の恥だと思ってます。
同じ頃に就任した安倍首相と朴クネ大統領は、一度も会談していません。それぞれの信念と、それを支持してくれるような国内世論にのっかって、トップ自らが相互の反感を煽るような行動、、、朴クネ大統領の悪口外交と安倍首相の靖国公式参拝とかです、、、をとっています。
正直、すごく、くだらない。両国の歴史を思い返してみると、改めてくだらなくて泣けてくる。
竹島(独島)問題も、従軍慰安婦問題も、地域の漁業関係者や、数十人の従軍慰安婦のおばあさんたちという当事者にとっては、誇りと生活がかかる重要なことではありましょう。それはそれで対処すべき問題です。しかし、
国の外交をストップさせ、地域平和の協力さえ乱すほどの問題でしょうか?
日韓双方が国の防衛上頼りにしているアメリカは、どちらに対してもサポート的でもあり、冷淡でもあります。アメリカの外交政策は自国の利権を考えた強国の身勝手さが溢れているとは思いますが、この日韓の問題に対する態度には共感します。アメリカの大勢としては、きっと、そんな小さなことで内輪もめするな、いい加減にしろ、それくらい自分たちで解決しろ、と叫びたいでしょう。
全世界的に見れば、中東では国家内乱とテロが深刻化し、ヨーロッパではロシアのウクライナ問題をめぐって戦々恐々、アジアでは中国の台頭と国境線での侵略的な振る舞いという、世界規模の大問題が起こっています。
アジアでは、13億という人口を持ち、核兵器を持ち、経済力を飛躍させた独裁政権が、国内には民族問題や貧富差や汚職など内部的崩壊のリスクを孕みながら、尖閣諸島のある東シナ海、南シナ海など各地で国境の侵犯を繰り返しているのです。
中国の暴走に備え、日本や韓国を含む、西側的な民主主義・資本主義の原則に(程度の差はあれ)則った周辺諸国が、手を携えて地域の安定を守っていかなければならない。
そんな世界情勢の観点から日本と韓国の諍いを見れば、
まるで、一瞬にして火山灰であたりを埋め尽くすほどの火山が噴煙を上げ始めているふもとで、もとは親族みたいなお隣さん同士が・・・
お互いの敷地の真ん中に生えた一本の木が「うちの木だ」「こっちのだ」「100年前にうちの木だったぞ、勝手に登るな」「いや、101年前にはうちの木だった」とか、
「あんたんちの子が70年前にうちの子を殴った、謝れ」、「何度も謝ったじゃないか」「謝り方がなってない」「だいたい、うちの子がなぐったって証拠あんのか?おまえんちの子が言ってるだけじゃないか」「あたしんちの子には世界中が同情してくれるわよ、きいてきいて」「世界中にうそを吹聴してまわるな」「うそなんかじゃない。もう絶交よ!」
みたいな・・・。
勝手にどちらも火山灰に埋もれてしまえと言いたくなるくらいのくだらなさですが、そのうちの一軒の裏庭で落ち穂拾いして細々と暮らしている身としては、
「いい加減にしてください」
竹島(独島)は、日比谷公園くらいの面積しかない島で、住民はおらず、韓国の軍が常駐しているだけ。2国間で話しあい、領海の海洋資源の共同漁業権、共同開発の相談をすればよいだけじゃないでしょうか?あるいはつつくとケンカになるなら今まで通り棚上げにしておけば?
従軍慰安婦の問題についてはもう少し複雑です。女性に対する性的な強制・暴行は許し難い犯罪ですが、個人の申し出だけをもとに国家賠償に応じれば、個人に対する戦争の賠償が、これに留まらず出てきて影響を与える可能性があるからです。もう高齢の元慰安婦だというおばあさんたちには、すべての問題が解決して安らかに晩年を送ってもらいたいのですが。韓国側も、ほんとうにこのおばあさんたちの幸せを考えているなら、女性平和基金の受け取りを拒むことはなかったでしょう。しかし、この問題があるからと言って、他の外交面で協力ができないことはないと思います。
首相の靖国参拝については、少なくとも公式なものは控えればよい。日本人として実際に靖国に行けば、記念館に並ぶ、若くして散った特攻隊員の遺書に涙するばかりですが、A級戦犯も祀られている神社に首相が参拝するのを、被害国民が耐えがたいというなら、その心境には配慮すべきです。開戦に至るそれなりの事情があり、戦勝国による東京裁判が個々にみれば必ずしも公正でなかったかもしれないことは理解している一日本国民としても、当時の支配層として日本中を戦争に巻き込み、時期を得た負け戦の撤退もできずに犠牲者を増やしたA級戦犯に、参拝してほしいとは思いません。
犠牲を悼み、戦後の平和と繁栄を報告したいなら、多くの国民が命を落としたヒロシマ、ナガサキ、(地上戦の行われた)沖縄に行って祈りを捧げてほしい。徴兵され兵士として戦死した人と、後方で支えて亡くなった人と、どちらも日本国の名のもとに命を捧げ、その後の繁栄の礎となられたのです。どうしても兵士の霊を悼みたく、靖国のA級戦犯分祀もできないなら、他の記念碑をつくればよい。首相の靖国参拝は、反日感情を盛り上げ、中国や韓国の進出企業に被害を与えるだけで、自民党に遺族会の票が集まる以外の何のメリットがあるというのでしょう。あえていえば、中韓の非難に屈しない強いリーダー像を歓迎する向きに受けるのかもしれませんが、そもそも参拝しなければ、それについての非難は発生しないわけです。
いずれにしても、ニ国間で首脳が相談もできないような外交関係は、今の東アジア情勢の中で非常に不幸なことです。
名実ともに大国の立場を回復した中国が、独裁政権のもとで戦略的あるいは突発的に引き起こすかもしれない地域の混乱について、韓国はどうしたいのでしょうか?
長い歴史の中でそうしてきたように、事実上中国の属国となりたいのでしょうか?属国とみなされれば、その先の運命は、天安門事件や香港の現状にあらわれています。中国巨大市場の経済的な恩恵は受けられるが、政治的・表現的な自由は奪われ、反抗すれば弾圧されるということです。
あるいは、第二次大戦前に、西欧・日本の列強からの圧迫を逃れるために模索したように、ロシアの助けを得たいのでしょうか?
あるいは、この際同じ民族の北朝鮮に融和して、その核による保護を受け、将軍様の意に従いたいのでしょうか?中国が暴走した折に、将軍様の意がどの程度通るものなのかわかりませんが。
それとも、アメリカに安全保障を頼る東南アジア諸国や日本と協力して、中国の暴走を封じ、地域の安定を守りたいのでしょうか?あるいは、その枠内から、日本を追い出したいのでしょうか?
日本には、上記のような韓国ほどの選択肢はありません。日米安保条約に基づいて、アメリカの核の保護を受け、中国の暴走を防ぐしかないです。紛争が勃発してしまった時には当然自衛権で対抗するでしょうが、それを防ごうとする段階では、憲法の平和条項の改正か解釈変更で加わるか、なんらかの後方支援の道を探ることになるでしょう。その際に、韓国が安保側につくかどうかは非常に重要な問題です。韓国は北東アジアで唯一、この件について意思をともにできる可能性のある国なのです。
『大同小異』という言葉がありますが、今の日韓関係は、小異をあげつらって大局を見ない状態です。小異を見捨てるのでなく、大同と別の切り口で解決してゆくことにして、大問題に取り組んでほしい。
ここまで考えて、さらに考えるべきだと思ったのは、『中国の脅威』をどうみるかということです。この点について、日本と韓国はとらえ方が違うかもしれません。というより、違っていて当然ですね。これはまた別に考えてみます。