「大著「富国と強兵」から5年、世界は新自由主義からの大転換を開始しました。中野剛志さんの新著のAmazonレビューをお届けます」
『変異したというよりは変異すべき資本主義』
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本書を一言で説明すると大著「富国と強兵」の続編である。
5年前に出版されたのが「富国と強兵」であり、「わずか5年で世界は完全に変わった」と帯にあるのが、それを暗示する。
簡単に本書の趣旨を説明すると、筆者が長年に渡って唱えていた「新自由主義」からのピボットが、一気に全世界の新潮流となり、なぜ、それが発生したか?という謎解きの物語である。
筆者自身、新自由主義が非常に強力な自己修復性や経路依存性を持つイデオロギーである事を理解しているが故に、本書では繰り返し、様々な角度から、新自由主義からの転換が起きた理由を分析している。
その大きな理由は主に二つあり、疑似総力戦とも呼べる新型コロナウイルスのバンデミックの発生と、チャイナが、経済と軍事の双方で、アメリカの脅威となった現実である。
因みに、口から出まかせではあったが岸田文雄が自民党総裁選挙で「新自由主義からの脱却」を主張したのも、世界の新潮流に便乗したという事であろう。(幹事長に典型的な新自由主義者である甘利明を起用した瞬間、それが嘘だと判明したのだが・・・)
本書の構成は、経済学のパラダイムシフトの解説から始まるが、それが最終的に地政学的な国際関係の変化に原因があると示すのは、「富国と強兵」の「地政経済学序説」という副題、地政学と経済学の融合という筆者の長年の主張と相似形となっている。
本書では、世界には、完全な資本主義も無ければ、完全な社会主義も無く、世界の全ての国家は、その中間のどこかにあるとし、シュンペーターの資本主義が自己崩壊し社会主義に移行するという歴史観が予言の如く現実化していることを示している。
新型コロナウイルスによるパンデミックにおいて世界各国が積極財政に転換する様を、国家という人工呼吸器を装着して延命を図る資本主義という比喩で表現している。
本書では、章ごとにテーマが経済学から政治学に劇的に転換し、ある種ミステリー小説のような謎解き、あるいは、良質なスパイ映画のようなスリリングなエンターテイメント性を獲得している。最終章では、各章を反転させながら、もう一度、バラバラ見える諸現象が、一体のものであることを示している。
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