自由の吐き違い | 「国家戦略特区」blog

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ポスト・グローバリズムの社会を考察。日本を貧しくする移民=外国人労働者受入れ政策に警鐘を鳴らしています。

経世済民・建築論『自由について』

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TPP交渉の妥結を受けて、賛成派の連中からやたらと抽象論が聞こえて来ます。世界のGDP40%を占める市場が誕生した云々の莫迦話です。単純に日米を足したら大体それくらいの経済規模になるのですから、詐欺的な表現でしょう。現在も日米は「自由」に貿易を十二分に行い互いに恩恵を受けています。

また賛成派の意見は概ね二つで、一つ目は思ったよりTPPの内容は酷く無いという意見。二つ目は自由な経済は素晴らしいという意見です。

詳細が不明なのに、何故か被害が少ないと言えるのかサッパリ分かりませんが、少しでも悪い要素があれば入るべきで無いとの意見が正論です。それを超えるメリットを賛成派は示すべきなのに、国民が豊かになれるという具体的な話が聞こえて来ません。精々デフレを悪化させる農産物の価格下落くらいでしょう。

メリットとして賛成派が挙げるのが、自由だから良いと云う抽象論ですが、全く莫迦げた理論です。世の中には、完全なる自由など存在せず何らかの規制が必ず存在します。自由は必ず制限されているのです。

スイスにヘルツォーク&ド・ムーロンという建築家のチームがいます。北京五輪の「鳥の巣」の設計者と言えば皆さん思い付くでしょう。今でこそ巨匠ですが、デビュー当時は当然仕事が無く、規制だらけで全くデザイン的な自由が無いスイスで建築を作っていました。法律などの規制が厳し過ぎるそうなのです。

それ故、誰が設計しても同じ様な建物になってしまうので、彼らが目を付けた自由は建物の表層(ファサード)のデザインでした。厳しい規制の中で見つけた僅かな自由を追求した訳です。ところが「たかがファサード」ではなく色々な表現が発見出来て世界的な建築家として注目を集めるようになります。

考えてみれば、サッカーやラグビーも、それぞれ異なる厳しい規制に基づいたスポーツです。人々を感動させる様々なドラマは規制によって生み出されるのです。自由に手を使えるサッカーや、自由にパスを出して良いラグビーなど、有り得ません。大きな不自由さの中での選手の格闘する姿が人々を惹き付けるのです。

その点、新自由主義やグローバリズム、それに基づくTPPなどは具体的な利点など最初から無く「自由」を信仰するただのカルトに過ぎません。ある意味、非常に単純な思想故に強烈な信者を獲得しているのでしょう。ただそれは本当の自由つまり「規制による秩序の中の創造」ではなく「混沌」カオスである事を認識すべきです。

では、カルトといかに闘うかと云うと、最後は実践によって駆逐するしか無いと考えています。日本は95年以降20年も構造改革路線によって停滞しています。恐らくTPPでも経済的な果実を国民は得る事が今後も出来ず停滞が続くでしょう。驚くべき事にこの停滞は世界的な現象となりつつあります。

ニューノーマル、日本化、呼び名は様々ですが、グローバリズムの申し子のチャイナのバブル崩壊が確実となり、難民問題で揺れ動くEUはユーロのシステムの欠陥が明白になっています。私も「自由」というカルトの信者にならない理由は、何より世界(グローバル)にとって御利益が無いからです。

となると、先ずは言論の力でこの邪教の噓を見破り、警鐘を鳴らし、それにカンの良い政治家が乗って来るか、あるいは国民が悲惨な目に遭って気づくかですが、やがて「自由」というカルトの真実が明らかになる日が来るでしょう。

TPPは、交渉を秘密にしている時点でアウトです。加盟国の多くの国民にとって不利益を被るから隠していると考えるのが普通の見方でしょう。今、人類は巨大な振り込み詐欺(母さん助けて詐欺)の被害に遭おうとしています。逆に言えば「自由」という信仰以外、何も無いのがTPPというカルトなのです。


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「大滝詠一/風立ちぬ」

『進撃の庶民』は行き過ぎたグローバリズムなどに警鐘を鳴らすブロガー支援目的のサイト。本エントリーは同ブログ水曜日に連載中のコラムを転載。



  



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