藤井聡の幽閉 | 「国家戦略特区」blog

「国家戦略特区」blog

ポスト・グローバリズムの社会を考察。日本を貧しくする移民=外国人労働者受入れ政策に警鐘を鳴らしています。

「今年5月、大阪都構想を撃破した藤井聡氏についての論考を再掲し、橋下新党と藤井氏の再戦を期待しつつ参与としての立ち位置を検証します」


『藤井聡氏の顔芸の変遷と実務家としての覚悟』

藤井聡氏に参与を辞めろって意見はどうなんですかね?と疑問の方は、以下のリンクをクリックにて、ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。

人気ブログランキングへ


『同世代に見えない』


内閣参与で京都大学教授の藤井聡氏は私と同い年なのですが同年代に見えません。単に若いとか老けているとかのレベルでは無いのです。彼は時空を超えて現代にやって来たように感じます。

『明治人の面構え』

現代人らしからぬ、四角い顔にちょびヒゲのその面構えは、良くて戦前、もしかしたら幕末の志士、要するに、明治に関連するような昔の人に見えます。もちろん、ご本人もそれを十分意識していると拝察します。

『中野剛志をプロデュース』

現在、経産省から特許庁に出向中の中野剛志氏を、京都大学にスカウトしたのは、藤井氏です。研究室は『レジリエンス・ユニット』という聞いた事の無いカタカナ言葉のチームでした。これより中野氏は本格的にメディアに登場します。

『国土強靭化の生みの親』

国土強靭化構想は、東日本大震災後一週間ほどで一気にまとめたと、されていますが、藤井さんは相当用意周到にこの準備を進めていたと思います。なぜなら「レジリエンス」という言葉の和訳が「強靭化」なのです。

『3.11を予言!』

藤井聡氏を知ったのは、三橋貴明氏がブログで紹介したのが契機でした。著作を読んで、後で仰天した一文があります。宮城県付近での大規模地震が、今後30年内に発生する確率は、99%以上と記載されていたのです。もちろん、3.11の前です。

『その日、天を仰ぐ』

のちに中野剛志氏は、研究室でこのレポートが出た後に「大変な事になる!」と思ったそうですが、その直後に東日本大震災が発生しました。彼は畜生!と叫んで天を仰いだそうです。私も当時、全く同じ気持ちでした。

『超人的な活躍を見せる』

震災後、列島強靭化論を直ちに出版し、各種関係者に働き掛け、自民党と公明党の政権公約にこれを盛り込み、昨年、国土強靭化基本法を成立させました。ひとりの学者の唱えた政策が、これだけのスピードで実現した例を私は知りません。

『深く広い思想的背景』

藤井氏のユニークな点は、専門的かつ学際的な研究です。土木工学の専門バカに陥らず、社会学、経済学、心理学、哲学、政治学など、様々な学問を、広く深く探求しています。それに加え、面白く軽妙な語り口も特徴です。恐らく長年続いた土木叩きへの総合対策でしょう。

『リフレ派を完全論破』

藤井氏の実力が発揮されたのが、今年の前半の原田泰氏や飯田泰之氏との論争です。彼らリフレ派の詭弁を藤井氏がデータを用いて論破しました。特にマンデル・フレミング仮説をベースにした公共事業否定論は、論拠を失いました。Twitterの遠吠えに終った田中秀臣氏など論外です。

『日下公人にぶち切れる』

私が、藤井聡氏で一番印象に残っている事件があります。「やらまいか」というインターネット番組で、保守派の大御所、日下公人氏にブチ切れのです。これは歴史的な瞬間だったと今でも思います。

『北海道民は怠けモノ』

日下氏の理論はこうです。政府は毎年、膨大な補助金、つまり税金を北海道にバラ撒いている。ところが北海道から政府に入る税金は、一度もそれを上回った事が無い。それは北海道民が怠け者だから云々と、トンでもない事を云うのです。

『国の家だから国家』

藤井氏は人目もはばからず、それに猛然と反論し、同じ日本国民なんだから、家族と一緒じゃ無いですか?国の家だから国家なのですよ!と抗議していました。開拓が始まってから百年程度では、投資した税金を直ぐには回収出来ないと説明したのです。

『民間部門で回収してマス』

 私は更にこう理解しました。例えば、補助金という形で北海道に税をバラまいて、直接、北海道から税金を回収出来なくとも問題ない。何故なら、政府部門で赤字であっても、民間部門で回収している・・・例えばパナソニックの家電やトヨタの自動車など、これら企業を介して政府は、国全体から税を回収しています。

『時間と空間の概念の欠落』

日下氏は結局、時代遅れなネオリベ的な思想に浸かった人物なのが解りました。以前のエントリーでも論考したように、東京は数百年もの間、膨大な公共事業を続けて世界一の都市に成長したのです。また政府部門から投資した税金は、国全体で見れば、民間部門を通じて長い時間を経て回収できます。

『保守論壇の政権交代』

日下氏がそれまで、日本を大好きな人物で、保守派の人気者だったのは事実です。しかし国家の基本である歴史の連続性や、民家部門と政府部門の役割の違いなど、経世済民の基本を何も理解しておらず、それに対し藤井氏は、その無知ぶりに驚き怒ったのです。正に保守論壇、世代交代の瞬間です。

『私怨の可能性もアリ』

しかし同時に気になったのは、藤井氏が番組に出たのも、高度経済成長の立役者とされる下川辺淳氏にインタビューした著作の紹介が目的でした。日下氏は下川辺淳を個人的に知っているようで、とにかくネガティブでした。男の嫉妬は醜いですね。

『TPP反対の急先鋒』

藤井氏のもう一つの顔は、TPP反対の急先鋒という面です。チャンネル桜の討論に出演し、日本の美しい棚田を守るために、もう理屈抜きで絶対TPPに反対だ!と熱く語った彼の姿が印象に残っています。

『政権に幽閉される』

しかし安倍自民党が政権に復帰すると、藤井氏は内閣官房参与に就任します。私は、いよいよ国土強靭化の実現が目前に迫ったと歓喜しました!しかし、今にして思えば、安倍政権にまんまと騙されたと思わざるを得ません。

『取込まれたのはコチラ』

安部内閣成立時に竹中平蔵氏が政府に参画した時、チャンネル桜の水島氏は、総理の『政治ですから・・・』との発言を紹介し、内閣に取込んで口封じをしていると語りました。しかし実際には、TPP反対の急先鋒、藤井氏が取込まれ口封じされたのです。

『陰謀論にもならない陰謀』

中野剛志氏は震災後、経産省に戻り、藤井氏は国土強靭化に専念しました。陰謀論の類いを語るつもりは有りませんが、私がTPP推進の担当者なら、これくらいの策は必ずヤリます。反TPPの三本の矢の内、二本は折ったのです。三橋氏がどんなに頑張っても無駄です。

『内閣の良心』

参与就任当初は殆ど露出が無くなった藤井氏も、国土強靭化基本法の目処がついてから、徐々にメデイア出演を増やしており、情報発信力も回復しつつ有ります。彼の存在は、今や内閣の良心と云っても良いでしょう。

『痛々しい実務家』

藤井氏は、保守派の大立て者、日下公人にブチ切れたくらいの人物です。ホンマは、もっとブチ切れてエエ場面も沢山あると思います。しかし内閣にいるからこそ出来る仕事もある。だからこそ、じっと耐えて我慢する姿が余計に痛々しいです。

『顔芸の達人』

最近、映像で出て来る藤井氏を見る時に密かな楽しみが有ります。云いたい事を我慢して言葉にできない時、その表情で、色々語るその姿が面白いでのです。表情豊かな顔芸で、我々に心情を伝える技術は、もはや一流の芸のレベルに達しつつあります。

『本心で語れるその日まで』

彼が明治の男に見えるのは、そのスタイルよりも、その公共心が理由でしょう。次なる大震災の危機が今そこに迫っている以上、専門家として強靭化を推進するのは何より大切です。しかしそれ以上に彼が本心で色々語れる、藤井聡のツジツマが合うように、我々国民のサポートが必要だと、痛感しています。

人気ブログランキング参加中。今の日本には藤井聡が十人くらい必要!との感想の方は以下のリンクをクリックにてご支援宜しくお願い致します。


人気ブログランキングへ

本エントリーは平成26年8月17日エントリーの再掲です。



「ゴリラズ/ブロークン


言論ポータルサイト『進撃の庶民のブログ』は行き過ぎたグローバリズムなどに警鐘を鳴らすブロガー支援目的のサイト。毎週水曜日にコラム寄稿。



  



コメント欄ルール:ご意見ご批判を含め自由に議論して頂いて結構ですが、社会常識と礼儀作法を伴わないコメントについては適宜、断り無く削除しますので、ご注意ご容赦下さい。